皐月鬼 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043923038

感想・レビュー・書評

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  • 2015年、28冊目は妖鬼、皐月のシリーズ3作目にして、シリーズ完結編の連作短編集。6編収録。

    あらすじ:県境守の妖鬼、皐月。彼女は魂追いの少年、縁。”火の山“の河童、ねねこを蘇らせた、ネネ。皐月の愛馬、布団。ネネのために縁が作った小木馬に獣の魂魄を吹き込んだ、小餅。と暮らしていた。そして、縁には、常世へと魂の流れる川の主となる日が迫っていた。

    妖(あやかし)の寿命は果てしなく長い。時代は移り変わり、里の様子が変わっても、皐月はネネに悪態つかれながらも、今もどこかで、縁を探しているのだろう。皐月やネネの魂が常世へと向かう川へ行くのはまだまだ先のコトだろうから……。

    癒しのホラー。日本昔話的和風ファンタジー。最後は、チョット、甘酸っぱく、切ない読後感。

    自分らしくはナイかもしれないが、★★★★☆あげてもイイでしょ。

    再読時は、3編連続で読もう。

  • 生き屏風からはじまるシリーズ最終章で、連作短編集です。
    前作で「道の主」との約束が縁に陰を落とします。
    夢中でした約束だったけれど、恐れを感じてしまい
    ふらりと旅に出ては戻る生活を続ける縁。
    約束の時はあっさりとやってきます。
    突然消えた縁の気配を感じて皐月とねねは旅立ちますが
    約束の内容を考えると切ないです。

    ある意味究極の選択的な話だとも思う。
    約束の内容を知らないから、縁を探し続けられるんだろうけど
    約束の内容を知っていたら?
    もしくは、約束がなかったとしたら?
    人間である縁と共に暮らし、老いて死んでいくのをみるのも
    やはり辛いことなんだと思ってしまう。

    本作では、シリーズで出てきた人間やら妖などが再登場します。
    そういう繋がりも楽しめましたが、優しく切ないお話でした。

  • 読了、70点。

    **
    県境を守る妖鬼の皐月は、魂追いの少年縁と共に再び村へ戻ってくる。
    そこで河童のネネや術で命を吹き込まれた小餅と共に日常生活を送るが、やがて縁が川の主との約束を果たすために皐月たちの元から消える、、、
    皐月シリーズ最終巻
    **

    と言う訳で、シリーズ読了です。第一巻の『生き屏風』(http://booklog.jp/users/mametarou77/archives/1/4043923015)でも書きましたが、
    「道連れ」あたりを読むとやっぱりエピソードの絡ませ方は上手いと感じました。
    また個々のエピソードは自分好みの作品が多く、「妖鬼の話」や「紫陽花の中の邂逅」はまったりほっこりするあたり読んでいて軽く楽しめる作品でした。

    が気になる点としては、短編の縦の繋がりです。横の繋がりは上で述べたとおり上手く繋がっていて全作品読んでいるとニヤニヤ出来る部分が多々ありますが、最終巻のこの小説の、「里の果てにて」のオチから最終短編「紫陽花の中の邂逅」の結末でこのシリーズが終わってしまうのは非常に残念。
    そういう形で終わるのも確かにありだとは思いますが、やっぱり最後まできっちり描写を書いてもらいたかったという気持ちが強く残りました。
    あとがきにも、"皐月達の物語は一区切りになります"とあり、発刊期間の空きを見るとこれ以上は出ないのかなと思うともうちょっと読みたかったという感じでした。

  • 皐月鬼シリーズの最終章。
    意外な終わり方でしたが、妖の物語らしい終わり方で私は好きでした。
    優しいお話、優しい文体なので、学校の推薦図書にならないかな?と思う。

  • シリーズ3作目。
    これで完結なのかと感慨深い。
    どうやって知ったんだろう?と思い返すも思い出せず、ただただ、巡り合えたことに感謝。
    早く別の作品も読んでみたい。

  • 皐月シリーズの三作目で、最終章になります。

    皐月は、魂追いの少年、縁と、生まれ変わった河童のネネとの3人で、里の家で暮らし始めますが、以前とは異なり、不気味な事件が起こったりします。
    そんな中、前作で、川の主と交わした約束の時が来て、縁は突然、消えてしまいます。

    皐月とネネは、縁を探す旅に出るのですが、再び会える日は来るのでしょうか…。

    今回は、妖狐や、皐月の母、雪に変化した次郎の秘密も少し明かされ、また一段と物語の世界が近く感じられましたが、やはり、猫先生が一番好きかな。

  • 皐月お母さんが可愛い。
    子供のネネも可愛い。

  • 物語のなんとも言えない不思議な感じが体に染みる。

  • 皐月シリーズはこれで完結なのかな? いくらでも作れそうな気配はあるのですが。いったんきれいにまとまった印象を受けます。ややしんみり感が残りました。
    ネネ、小憎らしいのだけれどなんだか憎めません。前作のあれが悲しかったしねえ。縁はいろんな意味で大活躍。そしてついにああなってしまったわけだけど。いつかは会えますよね、きっと。

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著者プロフィール

作家。『関西怪談』『大阪怪談』『魂追い』『あめだま』など著作多数。

「2023年 『関西の怖い街』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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