誰の中にでもいる彼 (角川文庫)

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  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043928019

作品紹介・あらすじ

人生には忘れがたい瞬間がある。十四年前、東京駅のプラットホーム。そこにいたのは互いに縁もゆかりもない29歳の人妻と27歳の独身商社マン。運命が連れ添うはずもない二人を引き寄せたのだった。だが、輝かしい時間も歳月とともに色褪せてゆき…。燃えるような恋とその後の顛末を綴った文庫オリジナル作品「誰の中にでもいる彼」ほか6編を収録。ベストセラー『水曜の朝、午前三時』の著者が贈る、珠玉短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 「心の壁、愛の歌」に表題作を加えた7篇を文庫化されたもの。作者が40代の終りに「心の壁、愛の歌」は刊行されました。

    各作品に登場する語り手たちの年齢や、舞台となる時代はまちまちです。
    いずれも、ちょっと哀しいけれど、最後にぽっと心を温めてくれます。

    大震災の際、一時思いを寄せた女性の安否を確認するメモを残したり、
    父親が、偶然行き合わせた塾帰りの息子の同級生にグチったり、
    高額の原稿料で依頼者だけのために、被爆者の女性をモデルに小説を書いたり、

    ある年齢になると、誰かに話さずにはいられない、あるいは、伝えておかなくてはいけない、と思うことがひとつやふたつあります。
    読み進むうちに、そうした語り手たちが羨ましく思えてきました。

    作者も40代の終盤ともなれば、気にかかっていたことを誰かに伝えておきたくなる気持ちを、登場人物と共有していたのでしょう。

  • 安っぽいドラマだと思われるかもしれない。
    でも私が蓮見圭一の小説にハマるのは、そのどれもが「誰の中にでもいる彼」というタイトルが象徴するような、誰にでも何かしらあるであろうドラマにこそ価値を求めるからである。
    わかったようでわからない、それでもそれに振り回され、囚われる人生に各々がどう取り組んでいるか、取り込んできたか、小説を読みながらいろんな像が頭の中に浮かんでいる。

    収録されている短編の「テレーゼ」、「夜行虫」は怖かった。著者の「八月十五日の夜会」も併読しているせいか、戦争のことを考えることが多くなった。道端を歩いてすれ違う人の顔を見ながら、私はこの人達と同じ日本人として一緒に戦争に向かえるだろうか?日本のこと、国益を大事に思うけど、思いを同じにして一緒に戦えるのだろうか?そんなことを考えたりしていた。実際には日本が直接戦争に向かうことは無いだろうし、そんなことがあったら全力で阻止するであろう。

    時はまさに終戦記念日が近づく日より。
    遠く神社の階段の木陰で蝉が鳴く声が響く。
    そんな情景がよく思い浮かぶ。

  • やっぱこの人の文章良いな

  • あまり読み進まず…

  • 「ハッピークリスマス・ヨーコ」が良い。ユーモアがあってクスっと笑えるところもあり。

  • 彼は40歳、丸の内の商社に勤め、背が高くハンサムの部類だった。彼はいつも奥さんを連れてそのバーに現れ、閉店までいることが多かった。なぜだか私はその彼に好意を持ち始めていた。(amazonより抜粋)

    短編集。全七編。
    「夜光虫」がよかったです。綺麗な言葉があちこちに散りばめられている感じ。
    鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす。
    「水曜の朝~」よりこっちが好きです。

  • 2008.11 巻末解説を寄稿

  • うーん。
    いつも最後が残念でガッカリする。
    途中は面白いので☆2つ。

  • 表題作と「ハッピー・クリスマス、ヨーコ」、「アーノンクールのネクタイ」がよかった。
    表題作の、「彼」との会話が凄く好き。「会社の金だと思って、この馬鹿。」〜「ワインぐらい、選ばせてやりましょうよ」の流れがほんとうに秀逸だと思う。「彼」は曲者のようですごく純粋な、妙に味のあるキャラクターですてき、奥さんを口説く台詞なんて。
    でもなんだか全体的にはどことなく散漫で冗長な印象。破線をなぞっているような感覚で読み終えた一冊。

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