実朝の首 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 259
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043930029

作品紹介・あらすじ

将軍・源実朝が鶴岡八幡宮で殺され、討った公暁も三浦義村に斬られた。実朝の首級を託された公暁の従者が一人逃れるが、消えた「首」奪還をめぐり、朝廷も巻き込んだ駆け引きが始まる。尼将軍・政子の深謀とは。

感想・レビュー・書評

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  • 甥の公暁に暗殺された実朝の首の行方が分からなくなり、その首を巡って幕府執権である北条、実朝の忠臣だった和田朝盛一党が争っているところへ後鳥羽上皇の弔問使が絡んできて、というそれぞれの思惑、駆け引きが面白いですが、首が葬られてからの展開はちょっと蛇足気味かなあ。実朝が孤独な人だったのは残された歌から想像がつくけど、本人の意思が確認できない以上、最後は持ち上げすぎな気がします。京から下ってくる新将軍を朝盛達が奪おうとするのは、理由を説明されても何だかなあって感じですね。
    実朝暗殺の黒幕も、よく言われる北条義時や三浦義村でなく他の人物にされてますが、彼らに比べると小者だったために実朝の首が一応の解決をみた後だれてしまったんじゃないでしょうか。

  • 竹宮恵子さんの吾妻鏡を思い出しつつ読みました。実朝の真意はどこにあったのかいろいろ考えさせられる場面に出会うことが出来ました。

  •  鎌倉幕府三代将軍・源実朝の暗殺に端を発する、鎌倉内外の混乱の一幕を描いた歴史小説。
     本編は、鶴岡八幡宮で起きた事件の直後に始まり、首謀者の公暁の背後に蠢く、幾つもの思惑が浮き彫りになっていく。
     北条氏、三浦氏を始め、有力御家人たちの権力闘争に、都の後鳥羽上皇との駆け引きが絡み、鎌倉は混迷を極める。
     同じ氏族とて一枚岩ではなく、御家人らは、互いの疑心暗鬼の中、利益と牽制を秤にかけ、幕府は新たな局面を迎えることになる。
     表題にある実朝自身は、回想でしか登場しないが、首と胴体が離れて後にこそ、周囲を翻弄する奇妙な構図となっている。
     北条義時、三浦義村の両名が、意外と小物っぽく扱われていることは珍しいが、幕府を取り仕切る北条政子が、尼将軍の名に相応しく辣腕ぶりを発揮しているのは見どころの一つ。
     また、和田合戦で滅ぼされた和田氏の生き残り、朝盛の見せる忠義と爽やかな人となりが、作中の清涼剤として効いている。

  • 時代がそうであったかもしれないが、鎌倉幕府の将軍の立場は早いものであった

  • 平家から鎌倉、承久の乱というこの時代に魅力を感じる

  • 源実朝は頼家の息子、公暁に鶴岡八幡宮の大銀杏の前で暗殺された。文献にはその後実朝の首は行方不明になったこと、葬儀には遺髪が入れられたこと、それしか分かっていない。

    それを鎌倉幕府の中の勢力争い、公暁に実朝の暗殺をけしかけた者、時の後鳥羽上皇の京都での台頭、尼将軍北条政子、さまざまな人物が登場することで、あたかも書かれていることが真実であるように思えてしまう素晴らしい歴史絵巻が繰り広げられる。筆者の力量、歴史を見る目に感動を覚えた。そして実朝暗殺の真の首謀者は誰かという衝撃の事実も語られ、歴史の真実はどうだったか、想像力は無限にかき立てられる。

    実朝暗殺から承久の乱にかけての歴史についても大変勉強になった。

  • 承久の乱で処刑された公卿はWikiだと一条信能、葉室光親、源有雅、葉室宗行、高倉範茂ら(作家葉室鱗はいかなる思いが交錯したか)
    ※答え→別に(´・ω・`)
    ネタバレ的感想
    上皇に唆され源頼茂は実朝暗殺に公暁を使い、首をはねる。
    物語を巧みにリードするのが朝比奈三郎義秀という伝説の武人に与する和田朝盛とその仲間たち。公暁が持ち去り見つからぬ首をめぐり、和田合戦のリベンジ目論む一統が弔問使の怪しい伊賀局(上皇の愛人亀菊)交野八郎(上皇が使う元盗人)そして幕府北条義時の三つ巴で派手に展開。
    承久の乱ですべての伏線が回収される会館を味わえる作品です。
    読むべし

  • あまりよく知らない鎌倉時代の話ということで最後の展開が分からず、一気に読み切った。
    登場人物の描写が上手く、個性がよく伝わった。最後がちょっと端折った感じで、あれだけ浮世離れした後鳥羽上皇の最後があっけなく感じたのがちょっと残念。

  • 殺害後、実朝の首は奪われ、どこかへ消えてしまう。実朝暗殺の首謀者は、誰なのか。誰が、何のために首を奪っていったのか。謎は多い。

    鎌倉時代も人物たちが濃く、分かっていないことも多い。興味深い。

  • 『蜩ノ記』で著者に興味を持つ。鎌倉時代にはあまり興味がなかった。実朝の数奇な運命も知らずに読んだ。公家から武家の時代になったと思っていた鎌倉時代に、新たな視点を与えられた思いだ。実朝が鶴岡八幡宮で暗殺され、その首が何者かに持ち去られた史実を基にした物語に惹き込まれた。人物相関はややこしいが、鎌倉時代も面白いではないか。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『晴嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2021年 『青嵐の坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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