センチメンタル・サバイバル (角川文庫 た 57-1)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043935017

作品紹介・あらすじ

なんとなくフリーターを続けるるかの日常は、恋も仕事も将来も不安ばかり、生きてるだけでサバイバル。そんな彼女が、ひょんなことからやり手キャリアウーマンの龍子叔母と同居をすることに。女二人暮らしの食卓で繰り広げられる「SEX AND THE CITY」も顔負けの赤裸々トークが、るかを少しずつ変えていく。ある日、無骨だけどキュートな左官職人が現れて…。日常から一歩ふみ出す勇気をくれる応援ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • るかちゃんが叔母の龍子さんの家に居候する話。おばさんの話はうざいけど、ときどきごもっともだと思う。

    生きてるだけで誰だって大変。
    考え方・捉え方って常に変化していく。

    やりたいことある人なんてそんなにいないけど、ひとまず頑張ってみようと思えるので十分。

    平さんの本は好きです。

  • フリーターのるかとキャリアウーマンの叔母が同居することに。叔母の影響を受けて少しずつ変わっていくるか。

    シンプルにおもしろいかな。
    深い意味はなくとも、少しずつ変わっていくるかを見ているのはおもしろいかな。

  • 今までにあんまり経験ないエッセイ風小説。
    勢いにのりだしたら楽しめた。
    前向きな気持ちになれる本。

  • 最初の方は、話題の必然性が分からなくて全然読み進められなかった。でも、頑張って読んでたら所々でなるほど、って思うことがあって、きっとつまり、著者の主張をひっつめた感じなんだなってわかったら一気に読めた。その分、ほっとんどが台詞。あと、あとがきはやっぱり著者じゃなくて第三者に書いてほしいよね。あとがき書かれると、いや本文で全部言い切れよ、って思っちゃう。

  • 処分

    学生時代、就職先がなかなか決まらなかったときに読んだ
    時間が解決するのかもしれないけど、それじゃあもう遅いじゃないかと思ったことを覚えている

  • 図書館でレンタル。自分と重なる所あり。手元におきたくなった。

  • さらっと読めた。小説の体ではあるけど、エッセイに近いと思う。
    三人称視点で書いているのに、途中で急に主人公視点になってしまうなど、文体が安定しないのがすごく気になる。
    内容はけっこう共感するところもあったけれど、心を揺るがすほどかと問われればそこまででもなく、よくある感じ。良くも悪くも暇つぶしかな。

  • ブックオフでかなり汚れていて105円で購入。

    お話はすごく面白い。
    巻末のあとがきに平さんが書かれているように、確かにこれは女性同士がトピックを見つけて男性には聞かせられないあけすけなトークをするスタイルで、SATCパターンといわれて納得。

    期間は短いのだけれど、女子というカテゴリの中で未婚・既婚・フリーター・20代・40代・50代という要素を織り交ぜてテンポよく、かなり濃く話が進むのでホントに濃厚~~。台詞回りも最高に小気味いいし、胸に刺さるわホント。あたし、いくつかまじで気に入ったもん。バイブル認定。


    <引用>

    「ノンタは、実くんを思い出させる。計算がない。そんな風に自意識が発達していない。生まれっぱなしで、世界を広げる好奇心に欠ける。その分、ワビコさんのように自己演出にたけた女を見ると、びっくりしてしまうのだ。幼稚園児並みに未熟なロマンティスト。ワビコさんへの無邪気な憧れを見せられて、るかはなぜ自分が彼に惹かれるのかわかった」

    「引きこもりの子は、自分が愛されていないのがわかってる。だから、愛されることを渇望しているんだけど、愛し方がわからない。親の欠陥の引き写しね」

    「るかは、誰かの低反発マットレスになりたい?それとも、パンチングボールの手応えが欲しい?両方いっぺんには無理よ。今、どうしたいか、考えればいいよ。低反発マットレスに徹するのも、いい生き方だと思うよ。気まぐれにじゃなく、いつも優しいって、本当に素晴らしいことだもの。もしも、るかが本当にそうなれる人間ならば、店長さんが言うように、どんな男だって手に入ると思う。あせらず待っているだけでね」

    「あ、そうだ、外で闘って帰ってきたら、女だって低反発マットで眠りたいわよ。男にとっての最高の女はそれだって言う、その店長さんに伝えてよ。その言葉、そっくりそのまま、お返ししますって」

    「生きるってのは元々、面白くないことやつらいことが次から次へとやってくる障害物競走だから、エネルギー補給のために何かに夢中になることが必要なの。韓流
    スターに熱を上げるバアさんたちがいい例よ。あの歳になると、楽しいことなんか、ほとんどなくなってる。ただお迎えを待つばかりで虚しかったはずよ。そこに突然、夢中にさせてくれる王子様が空から降りてきた。バアさんたち、免疫力上がってると思うわよ」

    <引用終わり>


    実はこれ、タイトルがよくないんじゃないかな?って最初は思ってた。センチメンタルサバイバルって横文字だらけだしわかりにくいのでは。。なんて。平さんの作品のタイトルって結構、ひねったのが多かったからなんで?みたいな。でも、それをあとがきで小気味よく、フローベルの名作「感情教育」のもじりであると説明され、もうすいません!と、平身低頭。

    おばさんのうがった説教にフリーターの若い娘さんがばたばた振り回されているけれど、でもこれ、あたしみたいな年齢になってもいちいちしみます。あたしが取り立てて若いというよりはむしろ、女子っていつまでたってもこんなちんまいことに悩んだり、きゃあって舞い上がるイキモノなんじゃないかと思うわけでね。

    おばさんは、いつまでたってもジョシであり、女子はいつまでも永遠のオンナなのである、という私なりの哲学で、どっとはらい!

  • 私も24歳の頃はるかみたいだった。なんにもわからなくて、なんにも自信がなかった。流されるようにして生きていたと思う。だから彼女の成り行き任せなところはわかるような気がする。
    龍子おばさんは、ちょっと今の私みたい。すぐに偉そうに社会評論家みたいなことを言ってしまうあたりが。年を取って、いろんなことを見聞きしてくるとどうしても「大きくまとめて全体を見ると」みたいなこと言いたくなるんだよね。
    その二人の掛け合いを中心にして物語は進む。進む、と言っていいのか?と思うほどストーリーは展開しないのだけれど。
    これは、それぞれの章で取り上げられている話題について、読者も一緒になってあーだこーだ言い合うような小説だと思う。きっとみんなそれぞれ一家言を持ってるはずだから。
    にしても、龍子おばさんのパワフルぶりじゃあまともな議論にはなりそうにないけど(笑)。
    「歩き出さなきゃ、どこにも行けない」
    私もそう思う。

  • いちいちお勉強になります。4章「エッチは禁句」が面白過ぎて。アダルトのパソコンゲームとかもそうだよな、設定萌えだ。可哀想に、と言い切るのは理解なのか憐れみなのか(笑
    アベサダ崇拝とチャタレイコンプレックスも面白い。二次創作界にも思い当たるとこが多いのはなんにせよ同じ人間だからかな。

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