首挽村の殺人 (角川文庫 お 60-1)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.03
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943067

作品紹介・あらすじ

無医村状態が続いていた鷲尻村に待望の医師がやってきた。だが着任以降村では謎の変死が立て続けに起こり……因習が忌わしい過去を甦らせる。21世紀の横溝と絶賛された第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作

感想・レビュー・書評

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  • あらすじ
     岩手県。過疎化が進む村に来た若い医師が事故死。熊に驚いて崖から転落したらしい。次に友人の医師が来る。妹が亡くなった医師の婚約者だったのだ。しかし、続けて死者が出て、事件性が疑われる。さらに村の忌まわしい口減らしの習慣による昔話になぞらえていることもわかる。

     めちゃめちゃ面白い上に哀しかった。「第27回横溝正史ミステリ大賞」受賞作なのもわかるよ。昔話の残酷さや、ラストの哀しい結末・動機まで、厚みがあるわー。村人のキャラクターもかき分けられているので読みやすい。さらに、巨大凶暴熊赤熊のエピソードや、雪崩とか、スケールも大きいし、動きもある。ドラマ化っていうより、映画化の方が似合いそう。

  • 横溝正史っぽいと言えば、確かに良く出来てはいる。熊はアクセントにはなってはいるが、いらなかったかな。

  •  舞台は岩手県の奥地鷲尻村。 数か月前に村唯一の医師が事故死を遂げていたこの場所に後継の医師としてやって来たのは「滝本志門」。 凶暴な熊、血生臭い昔話、村の財政難、不穏な雰囲気漂う鷲尻村にて連続殺人の影が・・。

    凶暴な熊は結局どっかいっちゃうし、意味ありげな昔話も犯人を村人とするミスリードにしかなってない。 読者側には早々に一連の殺人は見立て殺人と匂わせておきながら、登場人物がそれに気付くのがあまりに遅いのも気持ち悪いです。 それでいて見立て殺人自体に大きな意味はなかったですしね。
     一番気にかかったのは本作は誰が主人公だったかのか不明な事でしょうか。 主役的な人が不存在です。 滝本医師なのか彩なのか藤田刑事なのか誰でもいいから突出して目立って欲しかった、皆が揃って前に出てないから3人とも脇役と変わりなく、滝本医師が雪崩で死んでも、彩が心新たに出発しても、ラストを藤田刑事がかっこよく締めくくったりしても、特に大きな感動や感傷になることは無かったです。
     

  • ふと図書館で目に留まって借りてみました。
    初めて読む作家さんです。

    岩手の山奥の村で起きる連続殺人を描いたものですが、過不足がありすぎるかな、という印象が残りました。

    登場人物の描写が足りず、最後まで個性を掴みきれないまま読み終えてしまった点、殺人と並行して村が獣と化した赤熊に度々襲われるのですが、それは必要であったのかという点でしょうか。
    襲われるとしても、人が熊の被害に遭わなくても良かったのではないかと思います。

    一方、過疎化が進む雪国の問題については非常に心に迫るものがあり、作品の本筋と離れますが、評価できるものと感じました。

    ミステリーとしては、評価が難しいです。
    犯人は意外でしたが、犯行に至る理由は解せませんし、この描き方では読み手が犯人を推理できないのも無理はないので。

    オススメ度は低いです。

    2016年17冊目。

  • うーん、今ひとつピンと来ないというか、好みではなかった、、、
    物語の展開や状況設定についてはすごくワクワクするんだけど、ある程度長いこともあっていろんな要素がありすぎて本筋が見えづらいのと、伏線も私の頭では回収しきれなかった。

    臨場感や迫力はあるけど、中盤が盛り上がっていくのに対して犯人が判明する最後が尻すぼみになってしまった感もあった。
    あと登場人物多いから、あれこれ誰だ?ってなりがちでした、、

  • 21世紀の横溝正史、、、
    確かに雰囲気は横溝正史だと思う。
    「鷲尻村のむかし噺」になぞられた連続殺人事件と赤熊事件が絡み合って展開していくストーリーはテンポ良く引き込まれていく。
    でも犯人に無理があると思う。
    そこが残念だ。

  • 岩手県の無医村に医師が就任し,直後に連続殺人事件が発生。村には血塗られた過去が・・・。
    コテコテのミステリと,熊ミスの融合で,ミステリ要素もサバイバル要素も楽しめた。

  • 第27回横溝正史大賞受賞作品。

    そのタイトルの中に相応しい「いかにも」な作品で読みやすかった。
    「見立て殺人」はとても作品が華やかになるし、大好きです!
    しかし、探偵役は素人さんが好みなので刑事さんか~と少し残念でした。

    そしたらまた話は変わるんでしょうね。

  • 横溝正史に回帰したくなる一作。

  • ミステリーと熊を追うマタギのサバイバル小説を交互に読んでいた感じ。 赤熊とマタギの雄鶴さんたちとの対決パートの方がインパクト強くて、事件の解決より赤熊との決着が知りたくなってしまった。
    不気味な昔話やしきたりが伝わる村という設定はおもしろいし、雰囲気はなかなか。

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著者プロフィール

1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。他の著作に『死墓島の殺人』『共謀』『存在しなかった男』『奇妙な遺産 村主准教授のミステリアスな講座』などがある。

「2016年 『梟首の遺宝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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