首挽村の殺人 (角川文庫 お 60-1)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年9月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043943067
作品紹介・あらすじ
無医村状態が続いていた鷲尻村に待望の医師がやってきた。だが着任以降村では謎の変死が立て続けに起こり……因習が忌わしい過去を甦らせる。21世紀の横溝と絶賛された第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作
感想・レビュー・書評
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あらすじ
岩手県。過疎化が進む村に来た若い医師が事故死。熊に驚いて崖から転落したらしい。次に友人の医師が来る。妹が亡くなった医師の婚約者だったのだ。しかし、続けて死者が出て、事件性が疑われる。さらに村の忌まわしい口減らしの習慣による昔話になぞらえていることもわかる。
めちゃめちゃ面白い上に哀しかった。「第27回横溝正史ミステリ大賞」受賞作なのもわかるよ。昔話の残酷さや、ラストの哀しい結末・動機まで、厚みがあるわー。村人のキャラクターもかき分けられているので読みやすい。さらに、巨大凶暴熊赤熊のエピソードや、雪崩とか、スケールも大きいし、動きもある。ドラマ化っていうより、映画化の方が似合いそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
横溝正史っぽいと言えば、確かに良く出来てはいる。熊はアクセントにはなってはいるが、いらなかったかな。
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ふと図書館で目に留まって借りてみました。
初めて読む作家さんです。
岩手の山奥の村で起きる連続殺人を描いたものですが、過不足がありすぎるかな、という印象が残りました。
登場人物の描写が足りず、最後まで個性を掴みきれないまま読み終えてしまった点、殺人と並行して村が獣と化した赤熊に度々襲われるのですが、それは必要であったのかという点でしょうか。
襲われるとしても、人が熊の被害に遭わなくても良かったのではないかと思います。
一方、過疎化が進む雪国の問題については非常に心に迫るものがあり、作品の本筋と離れますが、評価できるものと感じました。
ミステリーとしては、評価が難しいです。
犯人は意外でしたが、犯行に至る理由は解せませんし、この描き方では読み手が犯人を推理できないのも無理はないので。
オススメ度は低いです。
2016年17冊目。 -
うーん、今ひとつピンと来ないというか、好みではなかった、、、
物語の展開や状況設定についてはすごくワクワクするんだけど、ある程度長いこともあっていろんな要素がありすぎて本筋が見えづらいのと、伏線も私の頭では回収しきれなかった。
臨場感や迫力はあるけど、中盤が盛り上がっていくのに対して犯人が判明する最後が尻すぼみになってしまった感もあった。
あと登場人物多いから、あれこれ誰だ?ってなりがちでした、、 -
21世紀の横溝正史、、、
確かに雰囲気は横溝正史だと思う。
「鷲尻村のむかし噺」になぞられた連続殺人事件と赤熊事件が絡み合って展開していくストーリーはテンポ良く引き込まれていく。
でも犯人に無理があると思う。
そこが残念だ。 -
岩手県の無医村に医師が就任し,直後に連続殺人事件が発生。村には血塗られた過去が・・・。
コテコテのミステリと,熊ミスの融合で,ミステリ要素もサバイバル要素も楽しめた。 -
ミステリーと熊を追うマタギのサバイバル小説を交互に読んでいた感じ。 赤熊とマタギの雄鶴さんたちとの対決パートの方がインパクト強くて、事件の解決より赤熊との決着が知りたくなってしまった。
不気味な昔話やしきたりが伝わる村という設定はおもしろいし、雰囲気はなかなか。