不思議の扉 時間がいっぱい (角川文庫)

制作 : 大森 望 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年3月25日発売)
3.39
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  • レビュー :39
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943401

作品紹介

古今東西の短編小説から不思議な味わいの作品を集めたアンソロジー第2弾のテーマは「時間がいっぱい」。笑いを誘う話から怖い話、ほのぼのする話まで、盛りだくさんでお届けします。-同じ時間が何度も繰り返すとしたら?時間を超えて追いかけてくる女がいたら?想像力の限界に挑む、時間にまつわる奇想天外な物語の傑作集。

不思議の扉 時間がいっぱい (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 中高生向けの時間SFアンソロジー。

    ○しゃっくり 筒井康隆

    タイムループものの元祖(?)なのかな。
    やっぱ発狂するよなっていう。

    ○戦国バレンタインデー 大槻ケンヂ

    さすがにチープ過ぎた。

    ○おもひで女 牧野修

    いちばん良かった。記憶の中にいたはずの女が現在に迫ってくる。

    ○エンドレスエイト 谷川流

    やっぱまあ、ビューティフルドリーマーみたいな。
    まあ、あらすじ知ってたらこんなもんかっていう。

    ○時の渦 星新一

    ショートショートの落ちらしい。

    ○めもあある美術館 大井三重子

    思い出が絵になって展示されている美術館。

    ○ベンジャミン・バトンの数奇な人生 フィッツジェラルド

    相当怖い話じゃんこれ。
    映画はどうやったんだろう?

  • 筒井康隆「しゃっくり」、フィッツジェラルド「ベンジャミン・バトン」、星新一「時の渦」、涼宮ハルヒシリーズより「エンドレスエイト」…他。
    新旧バランスのとれたアンソロジーです。読み口は軽め&やわらかめ。空いた時間にさらっと読めて後味もいいです。
    普段あまり本を読まない人や、最近読書から遠ざかっていたけどまた読みたい人のリハビリにおすすめ。
    これで筒井康隆の下劣きわまりない文章がなければ学生さんにも安心して薦められるのですが…。

  • 時間をテーマにした大森望さん編纂のアンソロジー第2弾。
    ベンジャミン・バトンから涼宮ハルヒ、古今東西、色眼鏡で見ることなく「面白い」と感じた作品を集めており、時間をテーマにした小説の幅広さを感じることができる一冊。
    「時をかける恋」は「恋」という一つのくくり方があったが、今回の「時間がいっぱい」はそういう「時」というテーマをくくる紐がないので、ちょっと不安定な感じがします。
    個人的にはものすごく好きなシリーズなので、続けて欲しいなぁ。

  • 筒井康隆。 40年前の時間ループものらしい、前口上はともかく中々に言葉遣いの悪めのセリフだと思いながら読み易い文章。十分間の間の変化がものすごく大きい

    大槻ケンヂ。 姫がものすごく現代的な人に見えた。

    牧野修。 時間移動というよりは記憶というかトラウマ話?思いでって何が元になるんだろうか・・・

    谷川流。 買うきっかけ、エンドレスエイトを単独で切り出して見てみるとやっぱり登場人物の立ち位置がわかりづらかったような、やっぱりキャラクターの目立ち方が奇抜というかラノベ的なんだな、この話はかなり好きな部類に入るんだけど比較してどうこうというより自分にシリーズの背景知識がつきすぎていることを確認した結果となった。

    星新一。 読み終わった後に想像力とか思考がより読んだ文章に向かわせてくれるのがこの人の魅力だな・・・って思った。ギミックもかなり独特な
    方だと思う。

    大井三重子。 なんかまっすぐな文章で・・・過去を振り返ってみたくなる。

    フィッツジェラルド。 逆行していく・・・いいのか悪いのかわからない。普通の人生だったんじゃとも思えた。各世代の良いところと悪いところのギャップがうまく出てるなぁって。


    全体的にあとがきの文にあるように時間ループとかSFなんかに色々読んでみたい作品が増えたかな

  • 「時間」がテーマのSFチックな話を集めたアンソロ。ハルヒの「エンドレスエイト」を久々に読み返しました。

    ・しゃっくり/筒井康隆
    同じ10分間を何度も繰り返す現象が急に起きて、振り回される人たちのパニックが描かれている。
    タイトルは「時間軸」とか「地球」の「しゃっくり」ということかしら。

    ・戦国バレンタインデー/大槻ケンヂ
    戦国時代に飛ばされて、その姫と家臣の恋を後押しする主人公の女子高生。
    女子高生強いなぁ。すき。

    ・おもひで女/牧野修
    幼い時に見かけたはずの奇妙な女。しかしまた別の日に思い出してみると、その女を見たのはもう少し大きくなってからだったような気がする。
    そんなことを繰り返し、やがて思い出の中の女は現在の自分へと近づいてくる。
    そして、思い出の中の女は、目の前の母親と重なる。

    ・エンドレスエイト/谷川流
    改めて読み返してみて思ったのは、よくできた話だということ。
    同じ時間を何度も繰り返し、それを抜けようとするという枠組みは良くあると思うんですけど、その枠組みの中にキャラ設定をよく取り込んであると思う。
    例えば時間がおかしいことに気付いたみくるが、長門ではなく古泉に真っ先に相談するのは読んでて納得するんですよね(みくるは長門が怖いし、キョンはちょっと頼りないしw)。
    そしてループからの脱出方法(夏休みの宿題をみんなでする)も「ハルヒシリーズ」ならではのオチといえ、見事。
    600年近くも同じことをしていた長門が、さすがにちょっと飽きている感じなのが萌えポイントかな。

    ・時の渦/星新一
    冒頭の筒井康隆の話と同様、全人類が時間のループに巻き込まれてしまった話。
    筒井氏と違うのは、同じ日をループしているのに、過去に死んだ人がだんだんと蘇ってくるということ。
    「何でヒトだけが生き返ってくるの?」というツッコミに対し「ザルの目に引っかかるのが人間だけだから」みたいに返していて、星さんの魂のようなものを感じた。
    イエスの審判というオチ。ということは同じ日の繰り返しは西暦分の日と同じだけ続くのかな。その後は?

    ・めもあある美術館/大井三重子
    大井三重子さんは仁木悦子さんの別名義。
    自分の経験が絵画になって展示されている不思議な美術館のお話。

    ・ベンジャミン・バトンの数奇な人生/フィッツジェラルド
    映画の方は未視聴。
    年を取って生まれて、だんだん若くなっていく主人公。
    このあらすじだけは知ってたけど、「経験積んで、かつ身体が若くなるなんていいところ取りじゃん?」
    と軽く考えてました。
    当然、生まれてからの数年と死ぬまでの数年は苦労するだろうな…と思ってたけど、割と人生のほとんどがハードモード。
    老人の見た目だけど、きちんと18歳の時に試験を受けてパスしたのに、大学に入れないのはかわいそうだ。
    見た目が若いときに大学に入り直したけど、今度は二次性徴を逆に行ってしまうことで周りの青年たちについていけなくなるという…。

  • 2016年2月13日読了。大森望編集による、過去/未来への移動・繰り返し・遡行・逆転などの、「時間」をテーマにしたSFアンソロジー。「同じ時間を繰り返す」リピートものはコンピュータゲームなどに馴染んだ比較的最近の世代の作品かと思っていたが、筒井康隆にこんな短編があったとは知らなかった、ただ「自分だけ同じ時間を繰り返す」のではなく、「全ての人が繰り返したことを記憶する」こと、その理由が明示されないのが時代か・・・。フィッツジェラルドの「ベンジャミン・バトン」もこのラインナップにあって異色とも思ったが、最後にいい余韻を残してくれてこのアンソロジーの品質を高めてくれている感もある。面白かった。

  • 【279】

  • 「時間」をテーマとしたSFオムニバスですが、今回も大森望はぼくの好みをよくわかってらっしゃるといったぐあいの選抜です。

    いきなりしょっぱなから大御所の筒井康隆の、それも50年前の作品のテーマは「時間ループ」であります。主人公は街のある交差点から10分間の出来事を延々とループしていきます。そしてループ時の記憶は残ったまま繰り返されます。そこには謎解きなどなくただただ人々の悲喜交々が主人公の視点から描き出され、主人公もまた発狂寸前の緊迫した状態を延々繰り返すわけです。まさに筒井康隆らしい作品でした。

    大槻ケンヂのはロマンティックなファンタジー。やつはあいかわらずロマンチストなのだと再認識できます。

    牧野修のホラーは映像化したらめちゃ怖いだろうなと容易に想像できますが、物語的には意味がいまいちよくわかりませんでした。もともとホラー系には疎いので…。

    今回の個人的に気になる作品のひとつが谷川流の涼宮ハルヒシリーズからの短編。この作品が短編だったことにまず驚きました。アニメは8話を費やしたのですからそれ相応の尺だと勝手に思っていました。しかしながら、ここではすでに夏休みの2週間のループを15,000回以上繰り返している最中で、ループ内のそれぞれの記憶はリセットされる設定のようです。これは映画「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」と同じ設定です。そしてラノベらしく主人公は悪戦苦闘して時間を元に戻して物語は完結します。

    巨匠・星新一の作品も「時間ループ」ものです。こちらはちゃんと記憶が残る設定となっています。ある日時以降、予測や計画など一切できなくなるという不可思議な現象が世界中で起こります。そしていよいよその日時を過ぎると今度はその日が延々と繰り返されるのです。しかしながら星新一はさらなる現象を盛り込みます。それは過去に遡って死者が次々と蘇るという現象です。そして蘇った者たちも含めて過去の検証を始め真実を追求し始めます。実はこれがこの物語のオチの伏線です。やがて最後のひとりが復活して真実が明らかになるのでしょうか…。

    推理作家の仁木悦子が大井三重子名義で書いた児童文学作品のひとつ。小学6年生の国語の教科書にも採用されたという本作が伝えようとしているメッセージは「自分の記憶はいいことも悪いことも含めて自分の思い出なのだから、すべて目を逸らさずに自分の中で咀嚼して生きていくべきだ」ということだと思うのです。いまの時代でもきちんと伝わる道徳的な、素敵なファンタジー作品です。

    最後はもうひとつの個人的に気になる作品。デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演で映画化された「ベンジャミン・バトン」の原作です。映画は見ていませんが、これもまさか短編だったとは思ってもみませんでした。生まれた時点ですでに70歳ぐらいの老人だったベンジャミン・バトンが若返りながら人生を全うする姿を駆け足で物語ります。あまりに駆け足なのでドラマチックなエピソードはほとんどありませんが、「もしも」シリーズのプロットとしては秀逸で映画が非常に気になるところです。

  • 時間SFもの。

    フィッツジェラルドの「ベンジャミン・バトン」は映画の予告編しか見たことなかったけど、こんな話だったんだ。いや、いいんじゃない? ブラピでしたよね。

    あと、涼宮ハルヒシリーズも初めて読んだけど、悪くないじゃん。西宮北口にたむろしてるんだよね。

    拾い物でした。

  • オムニバス。
    「谷川流」と書いていたので、普段は読まないライトノベルの世界が読めると思って買いました。話は「エンドレスエイト」
    やはり、筒井康隆、星新一は圧巻ですね。
    時間にまつわるさまざまなストーリがつづられた素敵な作品。
    解説に「最近テレビ放映された仁JIN」の話も出ていたので、最近発売された本なんだと思います。
    サクサク読みたい方へのオススメ。

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