うなぎ鬼 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 120
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943586

作品紹介・あらすじ

借金で首が回らなくなった勝は、強面を見込まれ、取り立て会社に身請けされる。社長の千脇は「殺しだけはさせない」と断言するが、どこか得体が知れない。ある日、勝は社長から黒牟という寂れた街の鰻の養殖場まで、60kg相当の荷を運べと指示される。中身は決して「知りたがるな、聞きたがるな」。つまり、それは一体-?忌まわしい疑念と恐怖。次第に勝の心は暴走を始め…。いまだかつてない暗黒の超弩級ホラー、登場。

感想・レビュー・書評

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  • 借金で首が回らなくなった主人公が、怪しげな仕事を紹介される。じわじわと破滅の道に足を踏み入れていくのから目が離せない。はっきりしないことばかりなのが、恐怖を増幅させる。

  • いつだったか書店で見かけて手にとってからずっと気になっていた。

    帯のコピーに「暗黒ミステリー」だったか、「暗黒ノワール」だったか、作者は「どんな人生送ってきたんだ」みたいな煽り文句が載っていたのと、黒い家の貴志祐介氏も絶賛してるみたいな記載があったのとで、俄然興味があった。でも、買うまではないかな、と思ってなかなか読めずにいた。

    今回読めたのは、図書館で偶然見つけることができたからだ。
    嬉しいことである。


    結論から言う。
    文章力はぴかいち。
    ストーリーテリングはそれほどでもない。

    読み終わった今振り返ってみたときに、これまで読んだことも聞いたこともない新しい読書体験ができたか、という観点から問うてみると、そんなことはなかったなという回答しか得られない。中盤からネタバレしてるし、使い古されている展開のような気もする。

    ただ、文章力がすばらしい。
    思わずノートに書き取ってしまったほどだ。

    一部分だけ抜き出してもいまいち伝わないだろうとは思うけれど、あえて例をあげるとすれば、以下の部分とか。

    P140 12行目 「先入観に縁取られたいびつな人間関係から対話は生まれない」

    P151 9行目 「夢をみたのは俺の勝手な妄想。ただの幻だ。それなのに、俺は秀さんを鬼に仕立て上げ、勝手に恐れていた」

    P96 3行目から
    「この街は毎日がお祭りだ。知らない奴ばかりが虫みたいにいて、どこをどう動いたって人に触れずには歩けない。そのくせ誰もが無関心でそれぞれにどこかの誰かと話している。手に持ったリモコンみたいなおもちゃで。すぐそばの奴と話せばいいのに、話す相手は遠い場所にいる」
    渋谷の描写が生生しい。

    とくに「黒牟」の描写がすごい。
    P23 3行目からほぼ1頁にわたって詳述されている。

    「運河沿いの脇道を折れて、煙草一本が灰になるほどの時間で街の佇まいは一変した。滅入ってくるような臭いが重くたちこめており、いずこともしれぬ場所から巨大な鉄の塊がぶつかりあうみたいな音が腹に響いてくる。ときおり、金属が切断される音が猿の断末魔のような叫びをあげている…」

    お話だって決してつまらないわけじゃない。
    文章力がとにかくすごくて引き込まれる。

    ポジティブな奴は結局最悪の状況に見舞われることはないのだな、と安心したのもつかの間、最後の最後で嫌な気分の余韻が残る。

    とっても勉強になりました。

  • 打ち捨てられた貧民窟のような街。不気味な男達が世話をする生け簀で黒く蠢くのは鰻だ…
    「あいつら蛋白質ならなんだって喰うらしい。」恐怖と疑念に心が蝕まれる暗黒ミステリー。
    うなぎが食べられなくなりそうだと思いながらも手に取った一冊。初読み作家さんでした。 まさに暗黒ミステリー!
    疑念に心がざわめき、ついつい悪い方へ想像が傾いていきます。主人公と一緒に妄想を大きく膨らませながら読みました。その辺りが上手くて感心。

  • いやぁ、恐ろしい物語だった。ホラーとあるが、ホラーとノワールが混ざったような話。

    借金で追い詰められた勝は、裏の世界に生きる千脇という男に拾われる。勝の192㎝112㎏というガタイに惚れたのだ。
    千脇の元で裏稼業をして借金を返済していく勝。そんな勝に黒牟という街での仕事が回ってきた。鰻の養殖場に60㎏ほどの荷物を運べというのだが、中身は教えられないと言う。そこから勝の妄想が走り始め・・・。

    というような内容で、グロい描写も結構出てくる。でも、エピローグが一番怖かったかな。心理的に。勝はいつまで恐怖に怯えていなければならないのだろうと。改めて悪いことはするもんじゃないなと思わされる。

  • 一気に読んでしまった。疑心暗鬼の物語。主人公の経歴や職場の雰囲気があれやから、それも仕方ないんやろーけどね。登場人物には良い人だけどどうしようもない人が多い。

  • 高田侑さんの骨太な文体が好きです。ぞっとするほどリアルで、たまらなく不気味な街『黒牟』、着実に緊張感を増していくストーリー。高田さんってそっちの人なの?と思ってしまうほど説得力のある『怖さ』がどっさり詰まってます。面白かった……

  • じんわりとした闇の雰囲気がずっと続く。さらっと読めた

  • タイトルと表紙絵のインパクトが凄すぎてホラー期待度が高まるのを抑えきれない。ところが実際読むとおどろおどろしい怪奇ホラーでは無く、実話ナックルズ的な裏社会を舞台にした何ともおぞましく不気味でダークな話。果たして何が『うなぎ鬼』だったのか?という疑問符は残るが、それ以上にヤバい仕事に関わる人間達の描写が非常にスリリングで終始、心がザワザワしながら読み進めた。この筆者の文体はなかなか面白い。アウトローな闇社会で罪を罪と思わず生きても必ずツケは回ってくる。読後、陰湿でいつまでもモヤモヤとした余韻を引き摺った。

  • 奇しくも土用の丑の日に読了w

    表面的には怖い人だったとしても
    その内面はどうなのか分からない。
    人を疑いだすときりがない。

  • バイオレンス。
    引き込まれた。

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