死墓島の殺人 (角川文庫 お 60-2)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.10
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943623

作品紹介・あらすじ

岩手県三陸沖、「死墓島」と呼ばれる島で起きた連続殺人事件。事件の真相を、その名に秘められた島の陰の歴史とともに温厚実直な藤田警部補が明らかに! 『首挽村の殺人』に続く、殺人シリーズ第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 小島の限界集落での連続殺人。横溝正史を意識した作り、童歌での見立てや、墓地だらけの島、歴史的な背景など雰囲気はある。ただし、トリックもロジックも何もなく、キャラも薄く、社会派的な語りも心に余り刺さらず、ミステリとしての魅力には正直乏しく感じた。
    作者さんの本は2冊目だが私には合わなかった。すみません。

  • あらすじ
     岩手県、唯一人が住んでいる離島、偲母島。遊覧船として漁船を運転していた男が、崖から釣られている人を見つける。彼は島の名家であった。島は海洞・宝屋敷・龍門の三大本家が現在でも力を持っている。続いて龍門集落の娘、歯科医の早妃が殺害される。

     現代の横溝正史と言われているらしい。この前作、デビュー作で。その続きのシリーズなのかな。藤田警部補は。何か同僚と因縁がありそうだし、過去の事件でつらいことがあったみたい。それよりも設定と雰囲気づくりがほんとにバランス良し。小さな島の人間関係の狭さとか、島のやたらと入り組んだ地理とか、こんなに本土に近いのに不便ーな様子は読んでてわくわくした。ラスト、真犯人の保健師のキャラクターがいまいちピンとこなかったし、もうひとりの犯人の述懐も突然現代っ子ぽくなってたけど、それもご愛敬。作者の他の作品も読んでみる。

  • 横溝正史の系統を継ぐ本格ミステリー。
    が、個人的には全く響くものが無かった。第一作はそれなりに楽しめたような気もするのだが、、、(内容は忘れてますが)
    探偵役となる藤田警部補の個性が今一つなのかも、、、
    結構、読むのも苦痛が伴った作品でした。

  • 世界は自分を中心に回っていると勘違いしている人がいる。
    周囲の迷惑や困惑はまったく気にとめず、何かをしてもらうことだけを待っている。
    あたり前のように自分の思うがままに振る舞う女性。
    幸せとは何だろう。
    どんな境遇であったとしても、そこに幸せを見つけられる人もいる。
    どんなに恵まれた環境にあっても、いつまで経っても満足できない人もいる。
    言葉にするのは難しいけれど、口にしなければ伝わらないこともある。
    悲しいけれど、黙っていても伝わるものがあるなんて幻想なのかもしれない。
    死墓島は思慕島・・・何となく物悲しい。
    閉鎖的な島、意味ありげな子守唄、そして対立する旧家。
    横溝さん的な雰囲気もあって、しかも読みやすい物語だった。

  • うーん

  • 離れ小島で起きた3件の殺人事件。その土台になっているのがこの島の隠された秘密。戦国時代の血塗られた、罪人の処刑場としての歴史。小生の好きなジャンル。犯人の一人が最後には犠牲になるという面白い展開。

  • 「この虚無感はなんだろう?殺人事件を解決し
    、犯人を挙げてもたいてい虚しさを感じる。人間の業が見えるから、悪意を目の当たりにするから、自分の中のみたくもない、認めたくない同じものを見せつけられるから……。」

    孤島、子守唄、見立て、財宝伝説とガジェットを揃えたのに、そりゃ〜ないだろ⁉︎と怒りが込み上げてくるが、これはこれで面白かった。

  • 横溝正史の正当な後継者、だなんて何て俺得な作家なの…と手に取ったら、あれっ(・_・)意外とおどろおどろしてない何でだ(・_・)設定は横溝横溝してるのに←

    暗い伝承が伝わる島の3つの一族、物凄い数の墓石と財宝伝説、そして不気味な子守歌…お膳立てはバッチリです。なのに拭えない、船越英一郎の香り←
    何だろう…二時間ドラマなんだよな…映画じゃないんだよな…
    閉鎖的な島、という設定な割に、意外と気さくで協力的な島民にも違和感を感じました。藤田警部補、すっかり島に馴染んじゃってるし…。意味ありげに木の影からこちらを伺う謎の人物、ていう雰囲気が全くありませんでした。やっぱり横溝色を出すなら、死体の装飾と覆面男は欠かせないということでしょうか←


    もう手元に持ってないので、今回はamazonの内容紹介からそのまま転用↓↓

    岩手県沖の小島、偲母島の断崖で、島長の海洞貞次の他殺死体が発見された。捜査をすすめる藤田警部補は、この島が地元の人々から「死墓島」という不吉な名前で呼ばれていることを知る。由来は、島に残されたおびただしい数の墓石だった。なぜこんなに多くの墓石が残されているのか。閉鎖的な島民達を相手に捜査を開始した藤田は、次第に死墓島の裏の歴史を知ることとなる―。横溝正史の正統な後継者が描く、傑作長編推理。

  • 廃校でお化けを怖がる有原巡査部長と藤田警部補のやりとりが可笑しい。
    終始漂う寂寥感は、過疎化が進む島が舞台だから仕方ないのか。犯人がわかってからラストまで更にしんみり…。
    『首挽村の殺人』に続き、不吉な子守歌や島の裏歴史の設定はドキドキした。

  • 正統な本格ミステリー。
    丁寧に書いてあって、犯人もそこそこ意外な人物で面白いはずなんだけど、この物足りない感じはなんだろうなぁ。
    こういう本格ものを読みすぎて自分が飽きたのかなぁ。いい作品だと思うけど、自分的にはイマイチ。

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著者プロフィール

1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。他の著作に『死墓島の殺人』『共謀』『存在しなかった男』『奇妙な遺産 村主准教授のミステリアスな講座』などがある。

「2016年 『梟首の遺宝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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