不思議の扉 ありえない恋 (角川文庫)

  • 角川書店 (2011年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784043943722

作品紹介・あらすじ

庭のサルスベリが恋したり、愛する妻が鳥になったり、腕だけに愛情を寄せたり。梨木香歩、椎名誠、川上弘美、シオドア・スタージョン、三崎亜記、小林泰三、万城目学、川端康成が、究極の愛に挑む!

みんなの感想まとめ

多様な愛の形を描いた作品集で、ありえない恋をテーマにした短編が集められています。特に万城目学の『長持ちの恋』や川端康成の『片腕』は、その独特の視点と表現力で読者の心を掴み、印象深い体験を提供します。作...

感想・レビュー・書評

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  • アンソロジーはつまみ食いみたいなものですからそこまで期待しないのですがこの作品集は粒ぞろいだと思います。特に万城目学さんの『長持ちの恋』が良かったので星4つです。万城目学作品は未読でしたがこれを読んで『ホルモー六景』を購入しました(今更で失礼いたします)。もちろん川上弘美さんの『海馬』も好きすぎるし、最後になりましたが川端大先生の『片腕』は別格です。ありえない恋というサブタイトルにぴったりの作品ばかり。大森望さん、万歳です。

  • SFちっくな小品集。川端康成の「片腕」のブクログレビューに惹かれて手に取りました。変態的エロチシズムに包まれた話(人にあらすじを説明しようとしたらホンマに変態の話になってしまう)なのに上品な香りが漂う、やっぱり凄い人なんですね。どの作品も面白いけどSF色が濃いのは「海を見る人」と「長持の恋」かな。長編にしてもいけそう、もっとこの世界に浸っていたい。

  • 花房さんの文豪シリーズ『花びらめくり』の「片腕の恋人」から、原作の『片腕』(川端康成)を読んでみたくなり、収録されている本書を手に取りました。花房さんのが濃厚だったので、やっぱり原作を先に読んだ方が良かったなぁと思いながら、直接的でない表現に妄想を掻き立てられる、谷崎作品とはまたちょっと違ったフェティシズムで、「指フェチ」「腕フェチ」な私はゾワゾワしてしまいました。万城目さんの『長持の恋』は面白くてページを捲る手が止まらなかった。『ホルモー六景』『鴨川ホルモー』も読んでみよ。

  • 万城目学さんの短編が好き

  • 裏表紙のあらすじにもあるように、ありえない恋というか奇想天外なラブストーリー集

    とは言っても、ラブストーリーというよりはSF色が強い作品も多く、このシリーズの他の本よりは、話によって好みが分かれるかも?という印象

    個人的にはラブストーリーを期待していたので、やはりそう言った色が強めの話が印象に残った

    10ページしかない超短編だけど、三崎亜記のスノードームが1番好きだった。クリスマスのささやかなラブストーリーでほっこりした。彼女にとってあのショーウィンドウの中はどのように見えていたのか?SF的にも気になるところ

    あとは万城目学の長持の恋 この方の小説は初めて読んだが、人物描写が生き生きしてて好みな感じ 時代を超えた文通の中で惹かれていく様子の描写も引き込まれるような感じで、最後のシーンはちょっとうるっときた。

  • 「海を見る人」目当てで読んだ。しかしこれをSFと呼ぶのは微妙な気分がする。読後感は悪くなかった。超光という発想は初めて見たが、面白い。超光速版ニュートリノみたいなものを想像した。
    他の作品はあまりおもしろいものがなかった。多少夢があるかなー程度。

  • 古い小説が好きということを再確認。川端康成がだんとつによくて、次は初めて読んだ万城目学。川上弘美は「ああこういうの好きだったな」と振り返った。梨木香歩はたぶん続きを読むだろう。小林泰三は、SF的設定はよくわからなかったけれど、海に少女が拡大していく最後のシーンが心に残った。

  • 不思議な恋の話
    万城目学氏の長持の恋が一番好きだが、椎名誠氏のいそしぎ、川端康成の片腕は意外だった。

  • このシリーズのアンソロジーでの楽しみは、大森さんの最後の解説だったりします。いつも的確ですとんと響く。奇想天外なラブストーリーたち、楽しかったです。

  • シリーズで揃えたい

  • 不思議な話が好きな人におススメ。

  • SFアンソロジー。
    今回はちょっと不思議な恋の話。
    8話入っています。

    いや、本当に何とも不思議なお話。
    この霧かかった様な感じ、嫌いじゃないです。

    川端康成の片腕と言う話、かなりフェティシズムな内容なのですが
    だからこそか何とも言えずエロい。

    一話一話終わるたびに、もう少しこの人の作品を読みたい!と思ってしまう私は
    まんまとアンソロジーの思惑にハマっていると思う!

  • この(ありえない恋)は少し変わった恋が書かれています。
    でも、「海を見る人」「長持ちの恋」は不思議の扉の(時をかける恋)におさめられてもいいような切ない恋です。
    「海を見る恋」はいつ読んだのか覚えていないけど心の底にずっと残っていたようです。今回であえてよかった。
    川端康成の「片腕」は有名どころしか知らなかった私にとって驚きの一編でした。

    サルスベリ-梨木香歩
    イソシギ-椎名誠
    海馬-川上弘美
    不思議のひと触れ-スタージョン
    スノードーム-三崎亜記
    海を見る人-小林泰三
    長持ちの恋-万城目学
    片腕-川端康成

  • 万城目学さんの『長持の恋』が可愛らしかった。きっと出会えるからとつけた目印が…なんともありえない…。万城目さんならではです。

  • 読書完了日2012年09月22日。

  • 大森望さんが編纂するSFアンソロジー第3弾。
    今回は「ありえない恋」として8つの短編を取り上げている。
    このシリーズ、取り上げる作品のチョイスが絶妙で、今回も今を時めく万城目学ぶさんから、ノーベル賞作家の川端康成さんまで、8つの作品全てを読んでいる人はほとんどいないだろうと思えるくらいお得感の強いものになっています。

    8つの短編はどれもこれも「ありえない」恋物語。
    庭の百日紅に恋い焦がれる梨木香歩さんの「サルスベリ」
    人でないものになってしまう妻との別れを描く椎名誠さんの「いそしぎ」
    人でないものと人の暮らしを描く川上弘美さんの「海馬」
    人魚との逢瀬に合間に出会った男女、スタージョンさんの「不思議の一触れ」
    ショーウィンドウに暮らす女性に恋をする三崎亜紀さんの「スノードーム」
    時の流れが違う山と浜で出会ってしまった男女の悲恋、小林泰三さんの「海を見る人」
    長持に書かれた小姓からの手紙、鴨川ホルモーのスピンオフ、万城目学さんの「長持の恋」
    女性の片腕を借りた男の一晩の物語、川端康成さんの「片腕」

    一番びっくりするのは川端康成さんの「片腕」ですね。
    「片腕を一晩お貸ししていいわ」
    なんて言葉の導入部だけで、一気に物語世界に引き込まれてしまう。
    決して好きな作品じゃないんだけど、異様なほどの凄さに完全に脱帽です。

    「不思議の扉」の中で一番興味が薄かった一冊で、積ん読になっていたんですが、どの作品も興味深く、置いていたことを後悔。

  • 恋。苦手分野だ。

     恋の相手は木だったり、人魚だったり。薄い本だからか、あっという間に終わった。残念ながら、サッパリの本だった。他の扉シリーズに期待しよう。

     作品は以下の通り。

     面白くない「サルスベリ(梨木香歩)」、妻がいそしぎになる?「いそしぎ(椎名誠)」、女の正体は「海馬(川上弘美)」、期待したがイマイチの「不思議のひと触れ(スタージョン)」、ショーウインドウの女性はいったい何だったの?「スノードーム(三崎亜記)」、意味不明の「海を見る人(小林泰三)」、ロマンスあふれるけれど、起伏がなく平坦な「長持の恋(万城目学)」、文豪のお遊び「片腕(川端康成)」。

  • 梨木香歩だから借りたんだが、家守奇譚に収録されているサルスベリだった‥‥。

    でもなかなか読まない類の話が多くて面白かった。ただちょっと片腕と解説で後味の悪さへ持ってかれた感は強いよね(笑)
    「不思議のひと触れ」は印象的でよかった。人魚に惹かれていた男女が、最終的に人間同士で落ち着くって言うのがなんだか、こうかくと陳腐なんだがw読んでいて新鮮だった。

  • 梨木香歩「サルスベリ」
    椎名誠「いそしぎ」
    川上弘美「海馬」
    スター・ジョン「不思議のひと触れ」
    三崎亜記「スノードーム」
    小林泰三「海を見る人」
    万城目学「長持の恋」
    川端康成「片腕」

  • 古今東西、不思議な味わいをもつ短編小説の中から、本読みのプロがすすめるベストはこれ。シリーズ第3弾のテーマは「ありえない恋」。庭のサルスベリが恋したり、愛する妻が鳥になったり、腕だけに愛情を寄せたり―。奇想天外なラブストーリー。

    ありえない恋物語を描いた短編オムニバス。
    多岐にわたる作品の数々は読みごたえも抜群だった。

    ・サルスベリ 梨木香歩
    貧乏な駆け出し作家が古い友人の家へ住むようになり、
    そこの庭に生えるサルスベリに惚れられる話。
    木との恋なんて異種ではあるけれど友人との過去の絡みもあり、
    中々叙情的な内容だった。

    ・いそしぎ 椎名誠
    愛する妻がお召送りに選ばれて、それを見送る話。
    最初お召送りとは全く分からなかった。
    読めばわかるのですが、なんとも言えない感慨深い気持ちになった。
    妻が選ぶいそしぎ。それに理由はあるのか分からないけれども、
    愛する人との実質的な別れはいつの時もどんな理由でも辛いものです。

    ・海馬 川上弘美
    海で暮らしていた生き物は、ある夜たくましい漁師に恋をして陸に上がり、そのまま地上にとどまる事となる。いつか海に帰りたい。焦がれる思いを抱いたまま時は過ぎ、何人も主人が変わり、やがて子供も生まれて・・・。
    異類婚姻の話。海馬とはタツノオトシゴらしいが、この作品に出てくるのはタツノオトシゴではない様に思える。
    慣れ親しんだ環境を離れ陸に上がったのも、初めのたくましい漁師に恋をしたから。海に戻りたいと焦がれるも、海からは突き放されていく。
    娘が海に帰ると言い出したのは、きっと母から生まれ母を見て居たからだと思う。心の底では帰りたいと思うも、陸で慣れた環境からまた戻るのは勇気がいる。人にもこんな境地はあると思う。


    ・不思議のひと触れ スタージョン
    不思議のひと触れを人生に一度でも体験したら、その人生は本物になる。男の人魚に出会った平凡な女性と女の人魚に出会った平凡な男性が夜の海で出会う。はじめは暗闇の中で人魚と話をしているとお互いに勘違いをしているがやがて意気投合をしてくる。
    人生にはきっかけが必要だし、ちょっとしたスパイスが今後の人生を変えると思う。不思議のひと触れはそんなこの世界にありふれているけれど、ちょっとしたきっかけが人生を本物へと変えると指している様に思える。

    ・スノードーム 三崎亜記
    クリスマスが近づく街。百貨店のショーウィンドウをふと覗くと、そこに気になる女性が。どうやら彼女は
    、ショーウィンドウの中で暮らしているらしい。いつしか僕は、毎日立ち止まり、彼女を見つめるようになった。
    クリスマスと言うイベントが近づく最中、ショーウィンドウで生活をする女性とそれを見つけて見つめる男性。凄くロマンチックで、素敵なお話だった。
    最後の男性の一言がぐっときた。

    ・海を見る人 小林泰三
    初めて出会ったそのとき、運命の恋に落ちた少年と少女。しかし二人は、時間と言う壁に隔てられていた。
    物語の舞台はブラックホールの表面近くにある奇妙な世界。場所によっては時間の流れる速さが、何十倍、何百倍も違う。
    この物語の良さは、設定を上手く使っているところだと思う。
    この設定だからこそこんなにも切ない恋物語になったのだと思う。
    実質的に時の流れが平等では無いこの世界は、歳のとり方も違う。だけどお互いを愛すると言う気持ちは同じなんだなと思った。

    ・長持の恋 万城目学
    鴨川ホルモーのスピンオフ作品。
    織田信長が使っていたとされる長持を見つけた細川珠美。そこで奇妙な板切れを見つける話。
    時空を超えて戦国時代の侍と板切れを使って文通をする。
    こういうタイムスリップの様なお話は結構好きでした。

    ・片腕 川端康成
    娘の片腕を一晩借りる話。
    この時点でありえん。片腕を持ち帰り一晩過ごす。
    川端が書く文章は美しく感じる。
    情景を伝える文章でも美しく感じる。変な美意識では無い美しさ。

    読んでみて、スノードーム、海を見る人、不思議のひと触れの三つがおすすめ。面白かった。

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