庵堂三兄弟の聖職 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943746

作品紹介・あらすじ

死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。父の七回忌を機に、当代の遺工師である長男・正太郎のもと久々に三兄弟が集まる。再会を喜ぶ正太郎だが、次男の久就は都会生活に倦み、三男の毅巳も自分の中の暴力的な衝動を持て余していた。さらに彼らに、かつてなく難しい「依頼」が舞い込んで-。ホラー小説の最前線がここに!第15回日本ホラー小説大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 真藤順丈氏の2008年、第15回日本ホラー小説大賞作を加筆訂正した2010年文庫版。
    とにかく感動的なこの作品がホラー小説とされているのは、手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』が少年チャンピオン・コミックスでは当初「恐怖コミックス」とジャンル分けされていたのと同じ理屈でしょうね。
    『ブラック・ジャック』の少年チャンピオン・コミックスでのジャンル分けが内容に即して「ヒューマンコミックス」になったならば、この作品もヒューマン小説でしょうかね。
    この作品をホラー小説とするのは、ホラー小説を期待した人にも不誠実だし、この感動的な作品に対しても不誠実だという気もします。
    ザック・スナイダー監督のホラー映画『ドーン・オブ・ザ・デッド』を観て「CJ、お前に感動させられるとは思わなかったよ」と同じように、口汚くて凶暴な庵堂三兄弟の三男・毅巳には感動させられました。
    心のどこかで不幸な展開を期待していた自分が恥ずかしくなりましたよ。

  • 読み終わった一番最初に感じたのは、はたしてこれはホラー小説なのだろうかという疑問だ。
    確かに描写はホラー小説的な部分もある。
    刺激的か?と聞かれたら「かなり」と答えるだろう。
    でも、ホラー小説か?と聞かれたら答えに迷う。
    一度は挫折して投げ出した物語だった。
    時間を置いて再度挑戦したのだけれど、何故か今度は最後まで読み通すことが出来た。
    もしかしたら読みきれるだけのエネルギーを必要とする物語なのかもしれない、と少しだけ思ったりもした。

  • 読み終わってから、作品の分類がホラーであることに気づいた。ホラーで胸がしめつけられることがあるとは思わなかった。大好き。

  • 適度におもしろかったし、好きなほうかな、でももってなくていな。

  • 勢いがある文章で良いが、若干空回りしてる感があり
    もったいない気がした。

  • うーん、なんだこれ。
    ホラーでもないグロでもない家族話でもない??

    私には合わない。
    そういう設定だから仕方ないのだけど、三男のセリフが本当イライラする。
    ひたすら読みづらかったです。

  • 2015年、6冊目。
    真藤順丈初読み作品。
    第15回日本ホラー小説大賞受賞作。
    遺体を用いて生活用品を創る「遺工士」という架空の職を生業とする「庵堂家」の男三兄弟の物語。
    家業を継いだ長男。家を出、東京でサラリーマン生活をおくる次男。知人の葬儀会社で働くも、暴力衝動を抑えきれずにいる三男。三人は先代である父の七回忌を前に、久々に顔を揃える。
    コレを
    「ホラーか?」と問われれば。
    「No!」と答えるでしょう。
    「では、何か?」と質問を重ねられたら。
    「エンターテイメントなヒューマンドラマだ!」と答えるでしょう。
    「遺工士」という職業柄、スプラッター場面は度々出てくるが、ソレがメインで話が展開して行くのではない。
    「生」と「死」が密接に交わる、特殊な環境下での家族(兄弟)再生と成長。それが、三兄弟それぞれの視点を行き交いながら、ホラーはもちろん、喜劇も、悲劇も、ヴァイオレンスも、絡めて進んでいく。
    そして、たどり着くのは……。
    読後感としては、平山夢明『DINNER』に近いかな?!
    ……、と思っていたら、巻末解説は、その平山夢明というサプライズのオマケまで付いてきた。
    そこまで含め、折に触れ、読み返したくなるであろう作品。

  • 真藤順丈さん大ファンです!

    この作品はもうすぐ10回目になるくらい読み込んでます!
    妹にも読ませた所、ラストシーンで号泣してました。

    架空の職業を本当に存在しているかのような表現には驚きました。
    ホラー作品というより、ドキュメントに近いです。

    私の出会った中で最高の作品です!

  • 2011/11/19。ホラー小説大賞受賞作。遺体の骨や皮や脂肪などを使って遺族のための日用品を作る『遺工師』という架空の職業がでてきます。遺体を解体するとこはスプラッタな、グロい描写。しかしホラーなのは、この職業にまつわる部分くらいで、ストーリーとしては家族愛というか、あたたかみを感じるとこがあり、いい意味で裏切られた作品でした。

    ホラー小説大賞ということで"怖さ期待"を持ってみんな読むと思うから、怖さという意味では評価は低いかも。
    でも興味深いテーマだし、三兄弟のキャラクターとストーリーが良かった。読後感はサッパリとした感じ。すごく印象に残る作品。スプラッタが大丈夫なひとには、オススメしたいな。

  •  第15回ホラー小説大賞受賞作(2008)ですが、少しも怖くないです。三兄弟の<聖職>がグロいのだが、体の解体とかがあるにせよ職業としての作業であり、法医学の解剖と同じ事だ。法医学の解剖はもちろんホラーにはならないし、架空の職業という点で、なんとかホラー小説と呼べるかなというとこ。
     もちろん殺戮するだの、暴行するだの派手な話は全く無く、そういうのを求めている人はつまらないと思う。
     遺工師という架空の職業の設定は面白いが、いっこうに物語が進展しないので、もしかしてアイデアだけで終わるの? と、危惧したりもした。が、117ページから黒塗りのリムジンとともに物語が動いていく。そしてなかなか熱いドラマがあり、最後は怒涛の展開で、感動有り、エグいシーンありで、なかなかGood。三人が目的に向かって働いているところの描写がとてもよかった。
     中盤から終盤だけなら佳作の部類に入ると思う。家族の再生の物語として楽しめる。
     ホラー的な楽しみも少しはあるかも。
     最後には、読んでよかったと思えた作品です。
    ただホラー小説大賞は「粘膜人間」と逆が正解じゃないかな。こっちが長編賞くらいだと思います。

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著者プロフィール

真藤 順丈(しんどう じゅんじょう)
1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。著書にはほかに『バイブルDX』『畦と銃』『墓頭』などがある。
著書に『地図男』『畦と銃』『墓頭』など。土地の声から物語を紡ぐ稀有な作家として業界内で注目を浴び続け、最新刊『宝島』では五大紙と数々の文芸誌で絶賛を受ける。

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