スリーピング・ピル 幻想小品集 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.61
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本棚登録 : 196
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943753

作品紹介・あらすじ

スリーピング・ピル。硬質な輝きを放つこの錠剤が、僕たちを恍惚へと誘うのです。その先にあるのは、いっときの完璧な闇か、それとも永遠の眠りか-。甘くてとろけそうなチョコレート、自らに課した痛みが、美への追求へ駆り立てるピアス…。だれかの愛だけではぐらぐらと不安定な、孤独で崇高な乙女の日常をささえる偏愛アイテムが、物語へと昇華する。単行本未収録の「Notsubo」をボーナストラックとして収録した完全版。

感想・レビュー・書評

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  • 睡眠導入剤、alice auaa、ピアス、チョコレート…様々な偏愛を描いた短編集でした。好きです。
    「Sleeping Pill」「Religion」「Chooses Cantata」が特に好きでした。睡眠導入剤も、チョコレートも、わたしも依存してるかもなぁ。。でもこんなに、チョコレートが麻薬だとは知りませんでした。ますます、食べたい。

  • ひっそりとした空気の漂う短編集
    野ばらさんの官能的な話は苦手なので、うまく読めない話が多かった

    [sleeping Pill][Double Dare][Notsubo]がすき

  • 久しぶりの野ばらちゃん。
    短篇それぞれに何かしらの偏愛アイテムが潜んでいる。
    ゴシック、ロリータ要素は薄め。耽美なお話は多い。

    表題作である『Sleeping Pill』は睡眠導入剤に魅入られた主人公が、オリジナルでブレンドした薬で毎夜眠りにつく。
    敬体と常体が入り乱れる文章はルールから反しているけれど、夢のように曖昧で揺れ動く物語の空気にマッチしていた。
    短い中で物語も巧みである。

    『Somnolency』
    眠り病の薬を研究する異端の医者の元に女が訪ねてくる。

    『Double Dare』
    ゴシックロリータ好きの主人公が登場するホラーテイストミステリ。
    お洋服が取り上げられるのはこの話だけ。

    『Pierce』
    両耳に40個のピアスをあけている女の子が運命の相手と出会う話。
    読んでいて痛い。

    『Pearl Parable』
    この辺りから耽美色が濃くなる。
    クレオパトラが真珠に溶かした酒を飲んだというエピソードを下敷きにした掌編。

    『Religion』
    悪魔崇拝をテーマにした常識を超越した愛を描いた話である。綺麗にまとめたらそうだがかなりエログロ。
    そう感じる読者を投影する人物を最後に持ってきたのが毒が効いていていい。
    ただエログロ。

    『Chocolate Catana』
    娘に向精神薬を混ぜたチョコレートを食べさせ続ける変態的な父親の話。
    読者が主人公の変態ぶりを哲学に昇華できるかが鍵。

    『Notsubo』
    野ばらちゃんにしては珍しいタイプの話。
    ロリータでも耽美でもない。軽いテイストのホラー。

  • 短編が八篇。表題のスリーピングピルは睡眠薬の名が出て心が躍った。出てきた薬は全て知っているが、あんなふうにあだ名をつけたことはないので新鮮だった。その他に心に残っているのは真珠を作るメイドの話。クレオパトラとカエサルの勝負の話は興味をひかれた。
    いつものファッションの描写がないのが寂しかったので☆三つ。

  • 短編小説だと倒錯、陶酔の仕様がないのでいいかもしれないと思いながら読みました。逆にあっさり、ふーんで終わってしまうので、野ばらちゃん!と、言いたい時には向かないかも。
    notsuboが普通にジャパニーズホラーな感じで、あれあれ?お洋服や文化への薀蓄は??と、なりましたが、そういうニュージャンルも、悪くないよ(偉そうですみません)

  • 2013.3.12

  • キルケのがいい


    チョコのやつと
    スリーピング・ピルもよかた

  • 帯には『偏愛』と書いてありましたが


    『狂愛』であると思いました。


    怖い残酷なおとぎ話のよう。

    こんなに誰かを想って狂うなんてことがあるのかしら私にも。


    ピアスをあける快感だけは
    わかる気がしました。

  • わたしも睡眠導入剤を使用しているため、眠りに導く薬を女になぞらえた描写はまさにその通りと思った。
    Pierceが一番面白く、かつ嶽本野ばら的だろう。ピアス穴を彼に開ける時の描写が官能的ですばらしい。

  • 様式美のエンターテイメントと感じた。

    短編集です。

    語り口は美しいけど、獄本野ばらさんはフィクションらしい都合の良い美しさに収まってないところが好きだ。

    「Religion」のセックス目的の男たちとか、ボーナストラックの「Notsubo」もそうだけど。美しい幻想だけではなりたたない世界というのをしっかり描いているし、美しさが生み出すグロテスクが輝いている。

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著者プロフィール

文 嶽本 野ばら
京都府宇治市出身。作家。
1998 年エッセイ集『それいぬ̶ 正しい乙女になるために』(国書刊行会)を上梓。
2000 年『ミシン』(小学館)で小説家デビュー。
2003 年発表の『下妻物語』が翌年、中島哲也監督で映画化され世界的にヒット。
『エミリー』(集英社)『ロリヰタ。』(新潮社)は三島由紀夫賞候補作。
他の作品に『鱗姫』、『ハピネス』(共に小学館)、『十四歳の遠距離恋愛』(集英社)
『純潔』(新潮社)など。『吉屋信子乙女小説コレクション』(国書刊行会)の監修、
高橋真琴と共書絵本『うろこひめ』(主婦と生活社)を出版するなど少女小説、お姫様をテーマとした作品も多数。

「2021年 『お姫様と名建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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