重力の井戸の底で 機動戦士ガンダムUC(6) (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943777

作品紹介・あらすじ

重力の井戸-それは、宇宙に棄てられた民が母なる地球を指して言う言葉。敵対するネオ・ジオンとともに地球に落ちたバナージは、過酷な砂漠越えの中で自然と対立し続けてきた人間の業を体感する。一方、ネオ・ジオンと共闘するイスラム系反政府組織は、連邦政府首都への襲撃を計画。白人社会への積年の怨讐が巨大殺戮マシーンの暴走を呼び、街は炎の海と化す。宗教、格差社会…混迷する現代を映し出すSF巨編、第6弾。

感想・レビュー・書評

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  • カタール攻略戦が話のメイン。ガンダムシリーズを小説で読むと、アニメではあまり取り上げられることのなかった世界観というか政治的背景が詳しく設定されていて(この小説だけかもしれないが)その点が読んでいて面白く感じる。続きも読んでいきたい。

  •  UCシリーズ6巻。地上に降り立ったバナージたち。しかし、彼らは、つまり、バナージ、マリーダ、リディ、そしてミネバは、夫々バラバラに、異なる場所で想いを重ねていく。彼らが収束していく未来はあるのか。特に、パマージとミネバは…。連邦政府の首都、そして、シャアの演説があったダカールとその周辺を舞台に物語は政治色を強めていく。その反映だろうが、ガンダムシリーズのあの人が、多くのニュータイプたちを見続けたあの人がラーカイラム艦長として満を持して登場する。停滞感が感じられた前巻とはうって変わったスピーディさ。
    戦うことの意味を、無意味さを噛みしめるバナージ、そしてリディ。分別くさい大人、頑なに過去に縛られる大人に反発するバナージ。彼の転機の巻であると同時に、大人に反発し続けるガンダムの主人公らしさが前面に出て来た。そして、何より素晴らしいと思うのは、ガンダムシリーズ(というよりもΖガンダム)における「ダカール」の意味・価値を十分理解して、作品に反映している点だ。UCガンダムのダカール出撃シーンが、どことはなくTV版Ζガンダム最終回ラストのΖを彷彿させる。
    ダカールは、人口増加による地球環境悪化の典型として、地球連邦政府の腐敗と強権の象徴として、Ζガンダムにおけるシャアの演説の舞台としてなど様々な意味づけが可能である。本作は、その輻輳する舞台を、都市・砂漠などの情景を詳細に描写することで、ダカールの舞台装置としての意味や意義を際立たせているのだ。これは映像表現では難しい。小説だからこそ可能になる。ガンダム世界の拡充に寄与したといって過言ではない。

  • これはアニメ版とは内容がかなり違う。
    ダカールの所は特に。
    アニメ版ではロニに対して、特に感情は無かったけど、小説版を読むと、ガラッと変わる。
    バナージとジンネマンの関係も、小説の方が深い感じがする。
    そういったこともあり、これは面白かった。

  • 【読間】
    “ガンダムだけど、福井作品だから”と読み始め、「ガンダムだけどさすが福井、面白い!」「いや、もしかしてガンダムってもともと面白いのかも?」という状態で読み進めてきているシリーズの第6作。

    冒頭から“シーゴースト”って(笑)……、福井ファンにはニンマリな単語が♪

    続き、期待大。

    2016.02.19.書。

    【読了】
    ↑のワクワク感から一転、本巻はその大部分が凄惨な戦闘描写・殺戮描写で占められる。。。(苦笑)。。。

    マリーダの悲惨。ロニの無残。リディの苦悩。
    そして、悲劇しか予感させない再会・・・・。
    ぐんと“重さ”を増した物語に、弱冠こころが疲れてきているが(苦笑)、続きも目が離せない。

    ★4つ、8ポイント半。
    2016.02.22.古。

    ※巨大モビルアーマーによる首都襲撃作戦は、その破壊工作の描写からも作中の「ドバイの末裔」が背負った破壊衝動の動機からも、“9・11”を想起させられる。。。

  • 物語の舞台は地球へ。砂漠に不時着したガランシェールとユニコーン、身動きが取れないためにジンネマンがバナージを連れて砂漠越えを目指す。
    ユニコーンの中でも実はかなり好きなシーンで、バナージがようやく色々なことに向き合うこととなる場面。そして、ジンネマンという人間を知ることもでき、敵対してたはずの相手もまた人だということがわかる。

    しかし、物語は悲しい方向へと向かう。
    ロニ達、ドバイの末裔はラプラスの箱を開けるためとしながら、自分達のこれまでの恨みを晴らすためにダカールを破壊する。

    作戦をわかっていたジンネマンとバナージが、またも衝突するが、この場面ではお互いがお互いのことをわかったうえで衝突するため、見ていても遺恨が残らない。

    ロニの乗るモビルアーマーを破壊する戦闘シーンではOVAの方が色々表現されているので、そっちの方が好きかも。
    ラストは黒いユニコーン、バンシーがユニコーンを確保し、七巻へと続くこととなる。

  • カーディアス、ダグザ、ジンネマン。

    バナージが大人に成っていく様がページを進ませた!。

    登場人物も一通り出揃い、アニメとは異なる描写が小説ならではで非常に楽しめた。

  • 望むと望まざるとに拘らず地球に降り、大人たちの都合・秩序・手管に翻弄される若者たち。それに抗いながらも呑まれる者、身を委ねる者、抗うことを諦めた者、それぞれの苦悩が胸を突く

  • 私にとっては
    がんばって読んでるって感じです。

    今回結構残酷な話だったですが
    ジンネマンの夜の会話のシーン
    よかったです。

    人を想って流せる涙って素敵だなと
    想ったね。

  • 敵と接してその人柄を知って戦えなくなる。それがガンダムの見せ場の一つだと思う。

  •  パプテマス・シロッコ、ではない。

     舞台は地球へ。工業コロニーから衛星軌道、大気圏に突入してアフリカ、そしてダカールへ。まるで一年戦争とグリプス戦役とをないまぜにして追体験しながら、バナージは成長していく。《ネェル・アーガマ》と《ガランシェール》。連邦とネオ・ジオン。敵と味方、善と悪ではなく、ただ「哀しくなくする」ために。
     もちろん簡単なことではない、それでも――

     そして砂漠と云えばやはり! ロートルMSが彩りを加えてくれる。楽しくないひとには全然楽しくないだろうけれどね!
     《デザート・ザク》やら《ドワッジ》やら《ザクタンク》が重機扱いされている画に、寂寥感をおぼえるお年頃である。福井さんの海底戦描写で《アクアジム》とか、燃えないわけがない。
     もちろん、ダカールという連邦の中枢に物語が及んだことによって、最新MSも随所に登場する。《ジムⅢ》、《ジェスタ》はもちろん、名称はまだ出てこないけれどアッシマーの発展期《アンクシャ》、…このあたりの、所謂MS-V的な機体も、「いかにもありそう」でわくわくするところ、である。OVA版ではもっと椀飯振舞していたね、そういえば。

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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