悪果 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.56
  • (36)
  • (78)
  • (92)
  • (15)
  • (4)
本棚登録 : 743
感想 : 73
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943814

作品紹介・あらすじ

大阪府警今里署のマル暴担当刑事・堀内は、相棒の伊達とともに賭博の現場に突入。逮捕者の取調べから明らかになった金の流れをネタに客を強請り始める。かつてなくリアルに描かれる、警察小説の最高傑作!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 黒川博行さんの疫病神シリーズ以外が読んでみたくて買った一冊。

    読み終わり、なんだろう?ただ悪徳刑事のだらしない行動を読まされたって感じだった。

    刑事がヤクザに襲われてからは面白かったが、それまでがなんだかだるかった。

    シリーズ物だから続きは読むつもりだか、次があんまり期待できない小説でした。

  • 大阪弁での会話がテンポよく進むので読みやすかった。
    シリーズものみたいなので、次も読んでみようかな?

  • 最強で最恐の堀内・伊達シリーズの第一弾。
    先にシリーズ最新の第四作を読み終えてからの読書。
    第四作単独でも十分に楽しめたが、コチラを読むことで深みが増します。
    私史上最強のアクションヒーローの出発点!

  • 人間の業が剥き出しで描かれている。金、女、暴力。大阪府内の土地勘があると、よりこの話の設定を堪能できる。
    地域性を押し出しながら矮小化せずに、読み物として機能させているところが、海外のハードボイルド的だ。
    黒川作品は、大阪を世界に売る方法のひとつになりえるのではないだろうか。

  • 読み終えて…なんか。。気分が悪くなる本。実際に、警察の不祥事って確かにある…でも、実態は良く分からないところがあるが…この本を読むとあるのだろうと確信できる。
    ただ犯罪者を取り締まるには、正攻法だけでは取り締まる事も出来ない事も理解できる。
    反社会組織には、目には目をなんだろうけど反社会組織より、ある意味タチが悪い腐った組織なのが理解できる。
    不祥事が多い大阪府警を舞台にしてるのがリアリティ溢れ、賭博もかなり詳しく描かれてノンフィクションの様に話しが進む。前半ダラダラ進むけど後半は一気に読み込んで行ける。
    中々、興味深く読んだ。ただ、一般市民から言えば実態を知ってしまうと気分が悪い…隠蔽だらけなんだろうな。。

  • 大阪府警の暴力団担当刑事、堀内。彼とその相棒、伊達は正義感あふれ、悪を許さないありがちなイメージの刑事像とはほど遠い。出世のためには裏社会の情報は欠かせない。情報のためには金と汚い付き合いも欠かせない。というのが彼らの理論。

    そんな2人が賭博場開催の情報を掴み、大勢の現行犯逮捕。事件は一件落着、署内での2人の評価は大幅アップ。となるはずだが、堀内は新たなカネのなる木を見つけ出す。

    凄まじくカネに執着する悪徳刑事2人。チームワークも正義もあったもんじゃない。彼らの行動原理は犯人逮捕ではなく、安い給料以外のシノギを得ること。そこに同情すべきところはない。が、それでも彼らを憎めないのは大阪弁のトークのおかげか。やっぱり大阪弁は最高や。

    落ちるところまで落ちていく2人には爽快感すら覚える。そして、正義ではメシを食えないことにも納得。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    大阪府警今里署のマル暴担当刑事・堀内は、淇道会が賭場を開くという情報を拇み、開帳日当日、相棒の伊達らとともに現場に突入し、27名を現行犯逮捕した。取調べから明らかになった金の流れをネタに、業界誌編集長・坂辺を使って捕まった客を強請り始める。だが直後に坂辺が車にはねられ死亡。堀内の周辺には見知らぬヤクザがうろつき始める…。黒川博行のハードボイルドが結実した、警察小説の最高傑作。

  • 黒川作品の真骨頂を見させていただいた。雑なようでいて筋書きがとても緻密で「ここで繋がるのね」と思わされることが多く楽しめた。文庫だと思って甘く見てたが思ったよりページ数が多くちと疲れた。今の警察もこんな風に裏金作ってるのかな。

  •  やはり黒川博行、面白い。しかも私の好きなノワールもの。悪徳警官がやらかしてくれます。
     大阪府警のマル暴担当の堀内と伊達のコンビは、高級クラブでは毎晩のように5000円ぽっきりで飲み食いをし、それぞれ自分のシノギを持っていて稼いでいる。
     そんな彼らの元に、大きなネタが転がり込んでくる。そのネタとは、カラオケボックスでヤクザが賭場を開帳するというものだった。上にあげると手柄を横取りされてしまうマル暴組織。そこでコンビは独自に調査を始める。上手く一斉検挙まで持ち込んだ。
     その賭場がらみから大きなシノギの匂いを嗅ぎ取った堀内は、自分のネタ元の編集長を使って捕まった客に強請りをかけさせるが、その後編集長は車にひかれ死亡。間もなく堀内もヤクザに殴られ、警察手帳を奪われる。やがて監察からも目を付けられ退職を迫られ、絶体絶命のピンチを切り抜けられるのか。
     毎度思うことなのだが、この作家はかなりしっかりとした取材をしているのだろうということだ。なので、読んでいてしらじらしくもないし、全てがありえそうなことばかり。また、関西弁が効いてテンポが良い。確か、前に『後妻業』を読んでこんなこともあり得るのだろうなと思っていたところ、程なくして後妻業をしていた女が逮捕された事件があった。あの時はあまりのタイムリーさに驚いた。
     さてさて、この『悪果』は『繚乱』に続くわけだが、マル暴を退職した堀内と、愛人の男に刺された伊達がどんな暴れっぷりを見せてくれるのか楽しみだ。

  • 警察といえば、警視庁的な感じで小説を読んでいた。流れで大阪府警とか神奈川県警はでてくるんだけど、(でも神奈川県警は結構登場してるなぁ。)ドラマもそんな感じかな(昔大阪の刑事ドラマはあった気がする。)どっこい大阪府警のしかもマル暴刑事。仕事は仕事でちゃんとシノギで稼いでいる。しかし、見事に悪人だらけの登場人物。ただあまり嫌な感じもなく一気に読み切った。小説だけじゃなく大阪府警にはこんな刑事がいっぱいいるような気がして怖い。初めて読んだ「黒川 博行」、今後もアリだな。

全73件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒川博行の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
黒川 博行
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×