バイロケーション (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943876

感想・レビュー・書評

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  • オリジナルである自分、バイロケーションと呼ばれる自分。
    自分ではあっても自分ではない存在。
    もしもその姿を目の当たりにしてしまったら、精神的に受けるダメージは想像もできない。
    自分だったら・・・そう考えると、見なかったことにしてしまいそうだ。
    それでも実際に被害が及ぶようになったら、どんな解決方法がベストだと言えるのだろう。

    幸せな新婚生活。
    突然現れたもうひとりの自分。
    そして、少しずつ蝕まれていく精神。
    崩壊していく幸せな生活と、転落していくだけの人生。

    人生なんてちょっとした出会いや機会から変わっていくものなのかもしれない。
    そのときは気がつかなくても、人生の分岐点に立っていることがきっと何度もあるのだろう。
    バイロケーションの存在の怖さよりも、徐々にかけ離れていくオリジナルとバイロケーションの生活の違いが怖かった。
    頑なな心は、人を幸せから遠ざけてしまう。
    程度問題ではあるだろうけれど、殻に閉じこもっていては幸せはつかめないと言われているような気がした。

  • 一気読みしてしまった。

    ドッペルゲンガーと似て非なるバイロケーションという
    設定は、突っ込みどころもなくはないけど
    少なくとも作中一貫してブレずに小説の土台として
    このネタを余すところなく使いきっているので
    自分としてはこういうものだと納得して読めたのが
    読後の満足感につながっている気がする。

    こういう新設定は往々にして破綻しがちなんだけど
    最後まで「やりきった」のを素直に賞賛したい。

  • 実はホラーミステリー。
    設定がおもしろそうで購入。オチは期待外れの気もしましたが、ラストは…多少予測どおりとはいったものの、なかなかおもしろかったです。

    途中、まわりくどいとかいうか、スッキリしないというか。伏線張りきれてない感じはありましたが。

    読みどころは、この“もうひとりの自分”という現実離れした状況からの、実は奥深い衝撃的な結末。
    よくあるホラーのただ怖いということではなく、人間であるからこそ・感情があるからこそ、恐ろしいということ。
    幸福は共有できない…でも苦しみは共有してもらう。
    まぁ所詮、現実の世界ではあり得ない。なんて思っていたけれど、読み終わってふと…
    この苦しみや苛立ちの種類は、認知症とか精神病とか脳疾患を抱えている人の苦しみに近いのかもしれないと気づかされたら、私にとってはただのホラーミステリーではない特別な一冊に。

  • 手に汗を握って、というわけではないが、一気に読ませる筆力はある、この先の化け具合が楽しみな作家。
    後半でオチがなんとなく見えてしまい、驚天動地なカタルシスはなかったけれど、安易なハッピーエンドで終わらせないところに非凡を感じる。このエンディングゆえに忘れがたい作品となるのでは。

  • 「分身の恐怖」
    自分が増えると楽になると思ってる人。
    それは間違いですよ。
    不幸が二倍になるどころが、
    二乗も誇張ではない。
    自分が消されるかもしれない恐怖もあるしね。

  • ジャンルはミステリ寄りのホラーだけど別に怖くはない。実際にバイロケーションが出たら恐ろしいとは思うが、うまく共生できれば二馬力になるかも…と思ったり。
    結局バイロケってなんなのかとか、警察はどうなったのかとか、飯塚の立場とかよくわからないまま終わった部分も多い。オチの展開も早々に読めてしまう。加納が殺された辺りが盛り上がりのピークだった。飯塚に護衛をつけられた辺りの忍は、見張られているというストレスはわかるものの、守ってもらって?もいるのに不満ばかりで、自分ではなにもしないくせに当たり散らして見ていていらっとしてしまった。最後まで本物の忍はいいとこなしだったし。

  • 設定とか面白いと思うし、読んでるときの違和感はなるほどこーゆーことだったのかと思えるし続きも気になり一気に読んだのだけど、なんか浅いんだなぁ。作者の力量のせいか。

  • SF的アイデアと結末の意外性は面白いと思うけど、作者の筆力が追いつかないのか、どこか物語が白々しく感じた。

  • ある日突然,自分にそっくりなバイロケーション(ドッペルゲンガみたいなもの)が現れることで,生活が一変してしまう話。
    登場人物の設定が結構無茶だが,それでも全体としてはよかった。ホラー作品では久々のアタリ。
    ヘンに正体解明とか対決に走らず,切ないラストに持っていったのがよい。

  • 2014.8.8読了。
    この人の作品はリライトを読もうと思って、なかなか読めなくて、リライトには続き(リビジョン?)があると知って、とりあえずじゃあ続きがあるかは知らないがこれを読もうとなった。
    内容は面白かったが、素人が読むと頭がこんがらがりそうになって、消化不良とまではいかないまでも、ストンと腑に落ちてすっきりとしない感じがする。一度最後まで読んでから、全容をざっくり把握してもう一度最初から読むと、より楽しめるのではないかと思う、というか実際にしてみようと思う。
    やっぱり最初にバイロケーションを見たアンリスでの場面が、最初ということもあって一番インパクトがあり面白かった。

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