バイロケーション (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.61
  • (25)
  • (60)
  • (63)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 399
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943876

作品紹介・あらすじ

画家を志す忍は、自分と同じ人間が現れる奇妙な事態に遭遇。同じ境遇で悩む人々は、それをバイロケーションと呼んでいた。新たな二重存在を提示した、第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞の新感覚ホラー!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • オリジナルである自分、バイロケーションと呼ばれる自分。
    自分ではあっても自分ではない存在。
    もしもその姿を目の当たりにしてしまったら、精神的に受けるダメージは想像もできない。
    自分だったら・・・そう考えると、見なかったことにしてしまいそうだ。
    それでも実際に被害が及ぶようになったら、どんな解決方法がベストだと言えるのだろう。

    幸せな新婚生活。
    突然現れたもうひとりの自分。
    そして、少しずつ蝕まれていく精神。
    崩壊していく幸せな生活と、転落していくだけの人生。

    人生なんてちょっとした出会いや機会から変わっていくものなのかもしれない。
    そのときは気がつかなくても、人生の分岐点に立っていることがきっと何度もあるのだろう。
    バイロケーションの存在の怖さよりも、徐々にかけ離れていくオリジナルとバイロケーションの生活の違いが怖かった。
    頑なな心は、人を幸せから遠ざけてしまう。
    程度問題ではあるだろうけれど、殻に閉じこもっていては幸せはつかめないと言われているような気がした。

  • 一気読みしてしまった。

    ドッペルゲンガーと似て非なるバイロケーションという
    設定は、突っ込みどころもなくはないけど
    少なくとも作中一貫してブレずに小説の土台として
    このネタを余すところなく使いきっているので
    自分としてはこういうものだと納得して読めたのが
    読後の満足感につながっている気がする。

    こういう新設定は往々にして破綻しがちなんだけど
    最後まで「やりきった」のを素直に賞賛したい。

  • 実はホラーミステリー。
    設定がおもしろそうで購入。オチは期待外れの気もしましたが、ラストは…多少予測どおりとはいったものの、なかなかおもしろかったです。

    途中、まわりくどいとかいうか、スッキリしないというか。伏線張りきれてない感じはありましたが。

    読みどころは、この“もうひとりの自分”という現実離れした状況からの、実は奥深い衝撃的な結末。
    よくあるホラーのただ怖いということではなく、人間であるからこそ・感情があるからこそ、恐ろしいということ。
    幸福は共有できない…でも苦しみは共有してもらう。
    まぁ所詮、現実の世界ではあり得ない。なんて思っていたけれど、読み終わってふと…
    この苦しみや苛立ちの種類は、認知症とか精神病とか脳疾患を抱えている人の苦しみに近いのかもしれないと気づかされたら、私にとってはただのホラーミステリーではない特別な一冊に。

  • 手に汗を握って、というわけではないが、一気に読ませる筆力はある、この先の化け具合が楽しみな作家。
    後半でオチがなんとなく見えてしまい、驚天動地なカタルシスはなかったけれど、安易なハッピーエンドで終わらせないところに非凡を感じる。このエンディングゆえに忘れがたい作品となるのでは。

  • 「分身の恐怖」
    自分が増えると楽になると思ってる人。
    それは間違いですよ。
    不幸が二倍になるどころが、
    二乗も誇張ではない。
    自分が消されるかもしれない恐怖もあるしね。

  • 飯塚氏が胸糞。
    かつての悲劇的な結末をやり直すために主人公に犠牲を強いるのか?

  • バイロケーション
    201005読了。
    今年77冊目今月2冊目。
    #読了
    #バイロケーション
    #法条遙

    映画未視聴。
    もう一人の私、バイロケーション。
    設定面白いから、ホラーよりだけどもっとミステリに寄せられそう。

    重なる秘密に、募る違和感。
    ちゃんと読んでいれば伏線は沢山ある。

    どうにも、主人公の性格がなかなかきつい。

    映画の方が評価が高いらしい。

    途中までは傑作を疑うことなく読み進めていたが、最後に失速した感じ。

  • 設定がかなり強引な気がした。
    いろいろ都合良く決められている。
    途中、かなりこんがらがってきたけど、ちゃんと最後に謎解き(?)があって、ああ、そうなのかと納得したようなしないような。
    でも、面白かったか面白くなかったかと訊ねられたら、面白かったと答えると思う。
    続編があるみたいなので、そちらも読んでみたい。

  • バイロケーションというドッペルゲンガーの現れる一つの現象を扱ったSFホラーミステリ。特にバイロケーションの設定が面白く、全く同じ記憶を持った自分が現れることの影響や、日常生活に与える不利益などを非常に分かりやすく伝えており、ホラー特有の日常に潜む恐怖という点はクリアしている。記憶が同じ存在の差異を見つけるための策などもよく練られている。可読性も高く、淀みなく読めた。展開の予測のつかなさやテンポなどもよく、結末の理不尽な感覚も作者の持ち味が出ていて素晴らしいが、全体的に細かな設定を積み上げたせいか、やや小ぢんまりと纏まってしまったのが惜しまれる。主人公の独特の境遇も仕掛けを予期はさせるが、真相は予想外ではあった。

  • 「もうひとりの私」が存在する?「バイロケーション」という現象に巻き込まれ、困惑する彼らが集まる「会」とは?ホラーというよりは、SFミステリ。ラストにかけての真相はなかなか面白かった。西澤保彦、ただしダークなしみたいな感じかも。こういう系が好きな人なら楽しめると思います。主人公の感情はちょっと苦手だったけど、次回作にも期待。

全55件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1982年、静岡県生まれ。『バイロケーション』で第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

「2010年 『バイロケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

法条遥の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
高野 和明
貴志 祐介
貴志 祐介
貴志 祐介
貴志 祐介
有効な右矢印 無効な右矢印

バイロケーション (角川ホラー文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×