ファントム・ピークス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.26
  • (64)
  • (250)
  • (407)
  • (118)
  • (18)
本棚登録 : 1952
レビュー : 349
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944026

作品紹介・あらすじ

長野県安曇野。半年前に山で行方不明となった妻の頭蓋骨が見つかった。三井周平は悲嘆に暮れながらも、遭難場所から遠く離れた場所で発見されたことに疑問を持つ。あれほど用心深かった妻に何があったのか?数週間後、沢で写真を撮っていた女子大生が行方不明に。捜索を行う周平たちをあざ笑うかのように第三の事件が起こる。山には、一体何が潜んでいるのか!?稀有の才能が遺した、超一級のパニック・エンタテインメント。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ファントム・ピークス」北村一光(著)

    2007 11 単行本発行

    H22 12/25 文庫初版発行 (株)角川書店
    H23 8/25 九版発行

    R2 7/25 読了

    先月行われた「第7回wakayama読書部」にて
    選ばれたプレゼン大賞作品です。

    すでに故人となられている作者の本書は
    友人たちの手によって書籍化されたということです。

    序盤は西村寿行や半村良を思わせる伝記ミステリー

    ちょっと登場人物の描き込み不足を感じますが
    事件の真相が分かるにつれて加速度的に
    濃密さを増していく筆。

    章の区切り方や情景の描き方が上手いのは
    映画のお仕事に携わっていたからだと後に納得。

    第8回wakayama読書部はこの7/30(木)に開催されます。

    どんな本に出会えるのか今から楽しみ。

    本作中に登場する「羆嵐」吉村昭(著)を再読しようと本屋に行ってきましたよ。

  • 宮部みゆきさんが、絶賛してた!ってあったので読んでみた。
    ほほ、予備知識なしで読んだんで、ミステリーかと思ってたけど、アニマルパニックもんやった。
    でも、面白い!迫力ある!
    まぁ、惨殺シーンはやはりエグいので、R指定にしときます!
    作者が、映画関係の仕事してた事もあるのか、映画を観てるみたいやった。
    こんなん読んだら、山歩きとか、山でキャンプとか、怖くて出来ん!
    ちなみに、私はインドア派なんで、そういう危険は、既に回避してる^_^

    蛇足:
    そういえば、昔、「グリズリー」って映画があったなぁ…「ジョーズ」の二番煎じと言われたB級映画。

  • 私も田舎のやや山育ちのため、山、川の知識がある。
    自然の恐ろしさは幼少から身についているから、都会から
    キャンプ、登山にくる人の安易さに危惧している。
    この作品は山に関わる人への警鐘ともいえる作品かもしれない。
    自然災害は単なる異常気象だけでなく、昔からのウイークポイントであることが伝承されていないのである。
    海でもそうだが、遊泳禁止は必ず、死と隣り合わせという危機感をもっているのか?毎年、残念なニュースを目にする。

    決して自然は侮っていはいけないということだと思う。

  • 解説が黒沢清監督。著者は元・映画宣伝会社のプロデューサーで、「カリスマ」「地獄の警備員」を通じて交流があったとのこと。

    読みながら吉村昭さんの「羆嵐」を思い出してぞっとした。(「羆嵐」に比べれば全然怖くない)

  • 信州を舞台に山中で消息をたった女性の頭蓋骨が発見されたことに端を発し、同様の事件が数件が立て続けに起こっていく。まるでホラーのような展開だが、実際にはその事件の背景には山深くに潜む想像を絶する生き物がおり、その生き物との対決を描いた作品である。
    ストーリーはパニック映画のようで、読者を飽きさせることなく終盤まで一気に展開していく。しかし、単なる絶叫型エンターテイメントの作品ではなく、生き物との対決の描写の文章も長けており、鮮明で詳しく映画を見ているように画像が浮かんでくる。
    また、人間の自然を侮る行為に対して警鐘を鳴らしていると感じた。全くの想像の世界の出来事ではなく、実際にあり得るのではないかと考えさせられる作品である。

  • 帯…というか、表紙買い。装丁の上に『「ファン・ピー」を知っていますか?』という表紙がもう1枚重ねられており、「宮部みゆき氏絶賛!!」に踊らされ手に取った。
    パニックスリラーというのはこういう感じかな?
    洋画によくある、正体は分からないけど、人々が見えない何かに追い詰められていき、恐怖の和が広がっていくヤツ←語彙力ww
    映画ではこういうパターンのは、ハラハラしすぎて苦手だけど、小説ならいける。
    けど、血なまぐさい描写がリアルでつい、想像しすぎると、読んでいて顔が歪む。
    読みやすかった。

  • 妻が突然山で消息をたった。同様の事件が続き、神隠しと例えられたが、それは恐るべき惨劇の始まりだった。

  • 確かに「幻の山」より「ファントム・ピークス」の方がこの物語に合っていますね。
    もっと読んでみたかった作家さんです。

  • 長野県安曇野市を舞台に発生した行方不明事件の真相を妻を亡くした主人公が追う、というミステリ風の始まり。
    ストーリーはシンプルで、結局は獣害(ヒグマ)という結論に落ち着く。
    この小説の中で「ツキノワグマが人間を食害するわけがない。ヒグマの仕業だ」という流れになるのだが、ご存知のように2016年に複数のツキノワグマが人を食害する「十和利山熊襲撃事件」が起きるわけで、事実は小説より奇なりを地でいってしまった。
    話のオチからして、てっきり12年の「秋田八幡平クマ牧場」事故から着想を得た小説かと思ったが、小説の発表はそれよりも前の2007年で驚いた。
    こと熊の恐怖に関しては、小説はとうてい現実にはかなわないのかもしれない。

  • 気配の作り方は じつに うまい。
    いったい 何が 危険の中心なのか
    そのことが、うまく抑えながら
    正体 をあらわすと その凶暴さが 過激なほど。

    周平 という淡々とした オトコ。
    たぶん 主人公は 
    著者のイメージしている自分の姿なのだろう。

    森の近くにある 田舎で 仲むつまじく 生活していた
    夫婦に 突然やってきた不幸。
    失踪 そして 発見。
    でも なぜ そうなったのか?
    そのことが、つねに アタマの中にある。
    そして 森林をめぐる。

    動物学者の 凛子 と森で出会い・・・・
    すこしづつ 正体に せまっていく。
    フィールドワーク そして 豊富な知識。
    自然と人間との共生。
    動物たちの生活圏が どんどん狭くなっていく。

    そこで起こる 悲劇。
    人間の無責任な 行動が・・・悲劇を拡大する。

    過去に実際にあった題材を 
    いかにして 物語に 編集するのかという意味では 優れていた。
    緊張したシーンは じつに 表現力の豊かさがあり感服した。
    おもしろかったし、映像が浮かぶような描写も うまい。

    いやー。スリル満点でした。

全349件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

長野県生まれ。映画の宣伝プロデューサーを経て、執筆活動に入る。第12回松本清張賞の最終選考に残るも、癌を発症。惜しまれつつ他界。本作は前作「ファントム・ピークス」(角川文庫)に続く、最期の作品。

「2011年 『サイレント・ブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北林一光の作品

ファントム・ピークス (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×