ファントム・ピークス (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.23
  • (51)
  • (218)
  • (369)
  • (106)
  • (18)
本棚登録 : 1571
レビュー : 311
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944026

作品紹介・あらすじ

長野県安曇野。半年前に山で行方不明となった妻の頭蓋骨が見つかった。三井周平は悲嘆に暮れながらも、遭難場所から遠く離れた場所で発見されたことに疑問を持つ。あれほど用心深かった妻に何があったのか?数週間後、沢で写真を撮っていた女子大生が行方不明に。捜索を行う周平たちをあざ笑うかのように第三の事件が起こる。山には、一体何が潜んでいるのか!?稀有の才能が遺した、超一級のパニック・エンタテインメント。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 長野県安曇野市を舞台に発生した行方不明事件の真相を妻を亡くした主人公が追う、というミステリ風の始まり。
    ストーリーはシンプルで、結局は獣害(ヒグマ)という結論に落ち着く。
    この小説の中で「ツキノワグマが人間を食害するわけがない。ヒグマの仕業だ」という流れになるのだが、ご存知のように2016年に複数のツキノワグマが人を食害する「十和利山熊襲撃事件」が起きるわけで、事実は小説より奇なりを地でいってしまった。
    話のオチからして、てっきり12年の「秋田八幡平クマ牧場」事故から着想を得た小説かと思ったが、小説の発表はそれよりも前の2007年で驚いた。
    こと熊の恐怖に関しては、小説はとうてい現実にはかなわないのかもしれない。

  • 気配の作り方は じつに うまい。
    いったい 何が 危険の中心なのか
    そのことが、うまく抑えながら
    正体 をあらわすと その凶暴さが 過激なほど。

    周平 という淡々とした オトコ。
    たぶん 主人公は 
    著者のイメージしている自分の姿なのだろう。

    森の近くにある 田舎で 仲むつまじく 生活していた
    夫婦に 突然やってきた不幸。
    失踪 そして 発見。
    でも なぜ そうなったのか?
    そのことが、つねに アタマの中にある。
    そして 森林をめぐる。

    動物学者の 凛子 と森で出会い・・・・
    すこしづつ 正体に せまっていく。
    フィールドワーク そして 豊富な知識。
    自然と人間との共生。
    動物たちの生活圏が どんどん狭くなっていく。

    そこで起こる 悲劇。
    人間の無責任な 行動が・・・悲劇を拡大する。

    過去に実際にあった題材を 
    いかにして 物語に 編集するのかという意味では 優れていた。
    緊張したシーンは じつに 表現力の豊かさがあり感服した。
    おもしろかったし、映像が浮かぶような描写も うまい。

    いやー。スリル満点でした。

  • 盛り上げ方がうまく、あきさせないつくりのパニック小説。
    作者が映画関係者だったせいか、場面場面が目にうかぶよう。
    熊谷達也のヒグマの小説とちょっと似ているところもあるが、
    こちらのほうが設定に無理がなく、臨場感あふれているように感じた。
    初めての小説とは思えない。
    残念ながら、次の作品を書いている途中で癌になり、お亡くなりになったらしく、ほかの作品がもう読めないのが残念。
    吉村昭の「羆嵐」にも触れていて、こちらも読みたい。早く入手しよう。
    今、ちょっと調べたら、積読している「デンデラ」もヒグマが出てくるの?
    姥捨て小説だと思ってたのですが。とりあえず、デンデラから読むかな・・・

  • 2018#32

  • いくつもの謎に引っ張られて一気読みしてしまった。
    犯人は猿?熊?まさか人間?もしかして化け物?
    犯人が分かった後でもなぜ、それがそこにいるのかとまたも謎。
    それと平行して人間を完膚なきまでに蹂躙し破壊し翻弄させていくシーンには手に汗にぎる。


    不服があるとすれば未解決な事を残されたこと。
    それは余分だと思うのだが。

  • 一時期どの書店で見ても平積みだったので、ちょっと期待しすぎた。なんてことないパニック小説というか、パニックという程でもないというか。心理描写が薄くて、ただ事実を羅列してくだけなら、別に小説じゃなくて良くない?それなら映像で良くない?と思った。

  • 非常に読み易い上にキャラの立て方が上手くて前半はすごく良い。緊張感のあるいい文章に引き込まれます。ただし、後半どうしても動物被害モノだけにオチが見えてしまうのが残念なところ・・・熊の出自や原因説明のあたりが少々弱い気がしてしらけたのが残念…

  • 古本で購入。

    初夏の長野県安曇野。
    半年以上前に山で行方不明になった女性の頭蓋骨が発見された。それも車や遺留品が残された地点から遥かに離れた場所で。
    妻の死の真相を追い求める三井周平だったが、山では第二、第三の女性行方不明事件が起きていた―

    エンタメ小説が読みたかったので、知らない作家ではあったけど読んでみた。
    圧倒的なカタルシスがある作品ではないものの、山中で起きている異変やジワジワと迫る「それ」の存在感と恐怖感の「見せ方」はうまいと思う。

    ただ、オビの
    「宮部みゆき氏 絶賛!」
    「超一級のパニック・エンタテインメント!」
    っていう売り文句はちょっとハードル上げすぎなんじゃないかなぁ。(まぁオビってそういうものだけど)
    知らず上げられた期待値を、「大満足」というところまでは持って行ってくれなかった。

    実在する地名・自治体・施設の中に架空のものが挟み込みこまれているからリアリティがある。こういう世界観づくりは好み。
    作者は既に亡くなっているそうだけど、別の作品も読んでみたい。

  • 一言で言うと、『こわっっ!!』
    本当にこの本を恐ろしく楽しみたい人は、このレビューを読む前に本を読んだ方がいいです。


    実際野生のクマなんていないとされる九州人なあたしには、正直、ヒグマもツキノワグマも違いは全くわからないし、正直動物園で見る以外は、『○○で、クマに襲われました』っていうニュースしか聞かないからどっちも恐ろしい生き物ってカテゴリーでくくられてたんだけど、ヒグマってそんなに違うんだ…。
    ついこないだ熊牧場で、クマが逃げ出し飼育員が亡くなったってことがあったから、併せて余計にありそうな話でめっちゃくちゃ恐ろしかった。
    サファリでライオンに襲われて…とか、飼育員がトラに襲われて…とか聞くたびに、『生きたまま、動物に喰い殺されるって、生き物の摂理としては当たり前のことなのかもしれないけど、現代の人間としては1番悲惨な死に方なんじゃないか』と思ってただけに、しかも、食物としてじゃなく、ただ弄ぶように襲われたとしたら、一撃で仕留めたりしてくれないだろうし…。
    あぁ、ほんっと、ありそうで怖い話で、ネットでヒグマの事件を検索して、更に恐ろしい現実の事件を読んじゃったよ。

    怖くて、でもハラハラドキドキで一気に読んでしまいました。

  • 最初は何が相手なのか、すごくワクワクドキドキしたけれど、私的には「ヒグマって…ヒグマなのか…なんだ」と思ってしまった。
    そして、異常に成長した熊・本来いるべきではない所にいる熊・冬眠しない熊と来れば、「流れ星銀」を思い出すしかない。銀!リキ!赤目!ジョン!ベン!

    途中で少しがっかり感はあるけれど、それは多分私の好みの問題だと思われる。何も考えずに読むにはいい話。

全311件中 1 - 10件を表示

ファントム・ピークス (角川文庫)のその他の作品

北林一光の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
伊坂 幸太郎
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

ファントム・ピークス (角川文庫)に関連するまとめ

ファントム・ピークス (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする