Kadokawa Art Selection レンブラント 光と影のリアリティ (角川文庫)

  • 角川書店 (2011年2月25日発売)
3.89
  • (1)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784043944125

作品紹介・あらすじ

早熟な天才としてのデビュー、画家としての成功による経済的繁栄、そして没落、破産、孤独な死……文字通り波乱に満ちた生涯を生きた「光と陰影」の画家の生涯を作品と共に綴る、大好評カラー版アートガイド。

みんなの感想まとめ

光と影の表現に秀でた画家の生涯を、豊富なカラー図版と共に紹介する一冊です。予備知識がなくても楽しめるこの書籍では、レンブラントの革新的な絵画制作や、彼が追求したリアリティの高さについて深く学ぶことがで...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 影の中に差す光を巧みに操り、ただの絵の具に命を吹き込んだと言われるレンブラントさん。本書は予備知識無しでも楽しめて、レンブラントさんの凄さがしっかりと学べる良書。彼の本名はRembrandt Harmenszoon Van Rijnという。(調べてみるとVanはオランダの名字の特徴らしい。Vincent Van Goghもオランダ出身だった。)

    レンブラントさんはただ既存の絵の真似をするのではなく、先人たちの絵画表現を踏まえながら、より革新性を持つ絵画制作を若い頃から行っていた。例えば歴史画だと既出のものをそのまま真似るのではなく、その歴史画で最も表現したい内容にふさわしいシーンを選び出して絵にするのだ。また、絵の中にちりばめられた様々な工夫点などから彼なりの先人へのリスペクトが感じられる。このような描き方は歴史と絵画の知識が深くなければできなかったはず。さらに頭の柔軟性も相当高かったに違いない。彼の写実性の高さには世間も驚いた。当時の風潮に倣って裸婦を理想的なプロポーションに修正して描くのではなく、短い足や突き出た腹部など、見たままを忠実に描いたことで批判を受けてしまう。このことから、レンブラントさんがいかにリアリティを追求し、それが彼にとって譲れないものの一つであることが伺える。

    彼は油絵だけでなく、銅版画でも国内・国外ともに高く評価されていた。線を使って光と影を巧妙に表現し、版画コレクターの中で「100フルテン版画(版画刷りにもかかわらず1枚100フルテンの高値がついた)」として有名だった。緻密に描き込まれた箇所もあれば、必要最低限の線だけであえて白く残し、余白すら美しく表現された箇所もあったりと、見ていてまったく飽きがこない。

    そんなレンブラントさんも、転落の後生といわれる1650年以降は、ラフな様式へと変化してゆく。それもまた計算されたラフさで絵の中で完璧な佇まいを見せている。私は全盛期のリアルな絵画を見てレンブラントさんの作品に興味を持ち始めたが、後生のラフな様式も好きであり、銅版画にも感銘を受けた。本書を読むことでレンブラントさんの作品をもっと楽しめるようになり、大変満足である。

  • 祖父も好きな画家だった。大好きな画家だけれど、作品以外のことはあまり知らないと思い、手に取る。ざっと知るには手ごろな一冊。
    女には苦労したのかなぁ。
    このシリーズのほかの画家のも読んでみようか。

  • レンブラントの絵画と彼自身の歴史を書いた本。最近の研究に基づく記述が多いので、今まで私が思っていたレンブラント像とはまた違ったそれを読む事が出来て、興味深かった。
    レンブラントが好きな方は読まれても損は無いと思います。

  • レンブラントは偉大な画家であり、歴史的にも5本の指に数えられる画家だと思う。
    その才能ゆえ、順風満帆の人生と思いきや、彼にも落とし穴があった。
    後半の人生は、破産宣告を受けるまでに、落ちぶれてしまうのだ。
    ただ彼の絵に対する評価は依然として高いのである。

  • レンブラントのキャリアを簡潔に俯瞰するのに有用な書物。様々な影響関係や晩年に至るまでの画風の変遷が分かりやすく描かれている。小さいもののカラー図版が比較的多くあるのも嬉しい。

全5件中 1 - 5件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

東京藝術大学大学美術館准教授。東京藝術大学美術研究科修士課程修了。東京藝術大学大学美術館常勤助手/助教、武蔵野音楽大学音楽学部音楽環境運営学科をへて、2017年4月より現職。オランダを中心とした西洋美術史、博物館学を専門とし、日本国内外の美術展覧会企画にかかわる。主な担当/監修展覧会としては「線の巨匠たち――アムステルダム歴史博物館所蔵素描・版画展」(2008年、東京藝術大学大学美術館他)、「Japans Liebe zum Impressionismus(日本が愛した印象派)」展(2015年、ドイツ連邦共和国美術展示館)、「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」(2017年、東京都美術館他)など。著書に『レンブラント 光と影のリアリティ』(角川書店 2011年)、『脳から見るミュージアム アートは人を耕す』(中野信子と共著、講談社現代新書 2020年)、訳書に『ヒエロニムス・ボスの世界』、『ブリューゲルの世界』(小社 2019年、2020年)など。

「2022年 『フェルメールの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

熊澤弘の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×