イチゴミルク ビターデイズ (角川文庫 か 54-2)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944316

作品紹介・あらすじ

現金3千万円と紫色のちっちゃな下着をトランクに詰めて、高校時代の親友・鞠子が部屋に転がり込んできた。「人を殺したの」と言って…。その日から、普通のOL千種の悪夢が始まる、と思いきや?!腐れ縁の元カレ・都丸も巻き込んで、3人の過去に一体何があったのか。幼くも一途な恋、将来への期待と不安、そして奇妙な友情。17歳の過去と24歳の現在を交錯させながら描く、異色の青春ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • ずっと子どものままではいられないってことをしっちゃった女の子たちのお話。

    最近読んだ小説の中で一番読みやすかった。
    文章のつくりがすごくきれい。

  • なんとなく表紙買い。

    17歳の千種が鞠子の嘘にワクワクしたり、惹かれたり、
    自分にもそんな時があったかな?とちょっと過去を振り返ってみた17歳パート。

    24歳パートは今の自分と同じ歳。読んでて、自分も現実主義になったと言うかなんというか
    箸が転がっただけじゃ爆笑もしないし
    白馬の王子様が現れるなんて夢も抱かない
    千種の妙に冷めてる部分に共感したり、共感できるのが寂しくなったり?



    【馬鹿だなぁ、鞠子は。
    自分が変わってないからって、わたしまでまだ昔と同じだと思っている。わたしは大人になってしまったのに。】
    (89ページ)

  • 東京でOLとして働く主人公の千種と、不穏な言葉と共に大金を持って彼女のもとに転がり込んできた高校時代の親友の鞠子の二人の現在と過去の話。千種は昔の鞠子と変わっていないと言っているのに、どこか軽薄な印象を受ける現在と、妖しげな魅力を放つ現在の対比が面白かったです。鞠子は一緒にいると絶対疲れるだろうけど妙に憎めないです。青春の輝きとほろ苦さを感じた頃に戻れなくても明るさが伝わってくるラストが好きです。

  • この程度の出来の本が世に出回っていいのかと思われるくらい内容の浅い本だった。千種いづみと古池鞠子と都丸一志の物語。最初、古池鞠子は本当に幽霊なのかと思ったが(あまりにも古池鞠子の風貌への描写が美人を強調しすぎていて)、中盤あたりにいくとどうやらそうではないなと先読みができて、途中から古池鞠子のほら吹きっぷりが強調されだして、こいつは殺人も強盗も犯していないなと容易に察しがついた。こんなに読者に先読みされてはいけないと思うし、最後の都丸と鞠子の情事もいらない。あれで、なおさら浅い小説だと思ってしまった。14f症候群といい、この本といい、最近の壁井ユカコはただの発情期の若者を題材とした内容の浅い小説しか書けてない気がする。ほとんど一つ星にしてやりたいくらいの出来の本だが、今後への壁井ユカコへの期待をかけて二つ星にしておく。内容は本当に陳腐なものだった。

  • おもしろかったです!
    二人の友情、恋愛…。
    続きが見てみたくなります。

  • 可愛い女の子に振り回されるお話ってなんか良い。

  • ハードカバーで出て読んでみたいなぁと思ってたやつが文庫化ってことで購入。
    壁井さん作にしては設定的に難しいところもなくするっと読める系のお話。
    ただ、好みは分かれると思う。

  • 突然部屋に転がり込んできた地元の同級生が言った。人殺してきたの。思いもよらない闖入者のせいで普通のOLだった千種の生活は激変する……日常→非日常→日常という作品。鞠子ちゃんが終始フェアリーなイメージでした。

  • 07年にメディアワークスから刊行された作品に
    加筆、修正した文庫化作品。基本的にライトノベルや
    ジュブナイル作品が多い壁井さんですが、今作は
    (本人的には)異例の大人向けな青春小説かつ、
    恋愛小説です。
    主人公の「千種」の17歳の女子高校生時代の過去と、
    その7年後の24歳、OL生活の現代が交互に展開されます。

    17歳の頃が敢えて、イチゴミルクだとするならば、現在は
    大人になって何かを置いてきたビターな日々なのかも
    しれません。でも、そんなビターな日々でも苦みしかない
    訳ではなく、甘く、キラキラした日々があっての苦みなんだと。
    大人になる事は寂しいけれど、甘いだけのコーティングされた
    日常では味わう事の出来ない良さってのもあるんです。
    なかったら...それはシンドすぎるよね。

    高校時代に親友と呼べた時期のあった「鞠子」が7年振りに
    いきなり3千万の現金を持って現れてから、「千種」の生活は
    少しづつ変わってくると共に、当時の甘いイチゴミルクな
    味は自分の舌に合わなくなっている事に気付く。
    そんな女性による青春小説。自分のようなオッサンには
    どこまでリアリティがあるのか、想像でしかないんですが
    きっと...共感する女性が多いのかな? と思われる
    郷愁と甘酸っぱさがキュンとさせる...(妄想)
    良作なんでないでしょうか??

  • あー、なんか、こう、普通の大人になっちゃった感がよくわかる。しかし、周囲の人たちのダメダメ感、好きだけど、ダメだろう・・・でも、別に普通の幸せを求めてはないからいいのかな。私は、年とって、普通は普通で楽しいよなと思えるようになったけどな。

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著者プロフィール

第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。その他の著書に、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』(電撃文庫)、『エンドロールまであと、』(小学館)など多数。

「2009年 『NO CALL NO LIFE』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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