雪冤 (角川文庫)

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著者 : 大門剛明
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年4月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944354

雪冤 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 死刑廃止論を冤罪を絡めて物語が展開していきます。それぞれが同じレベルで論じられる問題ではないにしろ、事件の背景があまりに悲劇すぎて読んでいて息苦しさを感じたほどです。登場人物の心情が語られるたび、どうしたら心の平和が得られるのか...救いを探してしまいました。

  • 201801/横溝ミステリ大賞の作品だけど、乱歩賞っぽい印象。やたら「衝撃の結末」とうたわれてるので、穿って読んでくと途中で真相気づくと思う。このテのでいつも思うが、そこまでして庇うってことが理解できないので、すっきりしない…。そして正確には冤罪ではないので、根本的にどうなんだ?という所もあるけど、テンポよく進むので一気読みで面白かった。合唱とかメロスとか色々な要素を盛り込みすぎてる感はあるし、菜摘のキャラはいまいちだけど、八木沼父・持田のキャラはよかった。序盤で出てくる「現実という太陽を直視すると目が潰れそうになる」というワードもイイ。

  • 読みごたえのあるミステリ。「横溝正史ミステリ大賞受賞作」とのことですが納得。友人2人を殺した犯人として捕まった息子。その無罪を信じ活動する父親。活動するうちに、その事件より昔に起きた列車の人身事故の関係も浮かび上がってくる。なかなかわからない犯人。犯人がやっとわかったと思ったらラスト数ページに実は全く違う事実が明らかになって驚いた。ただ主要な登場人物全員が正義感、意志が強い。強すぎる。その点が違和感。この小説はそんな登場人物のキャラクターが軸になっていて、そうじゃなければできないストリーだと思う。

  • 中盤からの展開はかなりワクワクしたけれど、ラストはやや微妙な感じ…。動機に納得感がなく。面白かったけど、満点評価には足らず。

  • 死刑制度や冤罪といった重たいテーマ、要素を孕んだ作品で、中盤まではそれに関する長尺のセリフや文章が多くてテンポが今ひとつに感じられました。

    しかし、慎一の結末に意表を突かれ、そしてその後の起伏の激しい展開に結構引き込まれました。特にディオニスに関する真相は二転三転し、深夜になっても読むことを止められず、久々に夜更かしなどを……

    事件の真相を目にした時、慎一の命懸けの覚悟に悲しみとも呆然ともつかないため息が漏れました。非現実的にも感じられましたが、それでもその覚悟に少なからず感情を動かされたかもしれません。

    テーマの重さと慎一の覚悟、父悦史が背負った悲しみ等がズシリと心に残り、重苦しい気持ちになりましたが、良い作品だったと思っています。

  • 雪冤という言葉を初めて知る。
    主たる動機が弱い気がした。思ったより普通の終わり方で
    煽りすぎのオビ。

    途中で出てくる、弁護士時代の父が解放してしまって
    起こった犯罪の内容が酷い。そこがすごいショッキングだったため、最後の最後で、そんな理由で?となってしまいました。

    死刑にまでなる意味がないように思いました。

  • 誰かによって犯行が行われる。
    事件が発覚し、警察による捜査の結果犯人が逮捕される。
    裁判が開かれ、罪が問われ、刑は確定する。
    もしも冤罪だったとしても、有期刑ならば出所後に汚名をそそぐことも可能だろう。
    実際に、出所後に真犯人があきらかになり冤罪が晴らされた例もある。
    しかし、もし死刑判決のでた事件の犯人が冤罪だったとしたら。
    刑が執行されてしまったら取り返しがつかない。
    失われた命は二度と戻らないし、何よりも冤罪だったことを誰も認めないだろう。
    冤罪が起きたときに犠牲になるのは、間違って罪に問われた人だけではない。
    被害者遺族もまた、犠牲者だといえる。
    犯人だと信じてきた人が無罪だったとしたら、いったい本当の犯人は誰でどこにいるというのだろう。
    命をかけた固い決意を打ち砕いてしまうことになったとしても、真実は曲げるべきではない。
    いちばん最初にしてしまったボタンの掛け違いは、どこかできっちりと正されるべきだったのだ。
    遅すぎたことへの後悔も、何もしないままよりはいい。
    細部にわたってまで練りあげられ、最後まできっちりと構築された物語だった。
    掴みかけた事実。そのもっと奥に隠されていた命をかけて守り抜こうとした真実。
    そして待ち受けていた衝撃のラスト。
    読んでよかった!!と心から思えた作品だった。

  • 太宰治の『走れメロス』をモチーフに死刑制度、冤罪を題材にした傑作社会派ミステリー。

    15年前に発生した男子学生と19歳の女性の殺人事件。逮捕され、死刑囚となった息子の冤罪を信じる元弁護士の八木沼悦史は一人活動を続ける。果たして八木沼は息子の無実を証明出来るのか?

    時効目前にして真犯人のメロスが登場し、八木沼に前代未聞の要求をする。ディオニスとは一体誰なのか…

    最後の最後まで真犯人の正体は二転三転し、真実が終章で明かされる。

    例えるなら薬丸岳の作品と加茂隆康の『死刑基準』を合わせたような作品。非常に面白い。

  • 展開の仕方がすごくよく練られてて、二転三転するのが面白い。
    ちょっと説教くさいというか、死刑制度に関する部分は台詞が白々しくなる印象はあったけど、
    死刑に対する色んな視点を上手く織り交ぜて描いてると思う。
    出てくる人物が多くてたまに混乱するのが難点か。

  • 土地勘のある京都が舞台。「死刑」というと警察帽にネクタイいっちょの彼が頭によぎりますが、真逆のお話です。

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