源氏物語 千年の謎 (角川文庫 た 60-1)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043944392
作品紹介・あらすじ
天皇の皇子として生まれながら臣下に落とされた光源氏。だが、その類い稀な美貌の虜になった宮廷の美女たちは、源氏を惑わせてゆく。寵妃・藤壷への禁断の恋。六条御息所との燃え上がる愛。正妻・葵の上との冷えた関係。愛と嫉妬と憎悪の地獄をさまよう源氏は、ついに幽鬼のごとく作者・紫式部の前に立ち現れる。陰陽師・安倍晴明が怨霊と対峙するが…。読みはじめたら止まらない、全く新しい「源氏物語」の誕生。
感想・レビュー・書評
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今月映画が公開されるというので、原作本を読みました。
面白かったけど、『源氏物語』をまったく知らないで読むのは無理があるかも・・・
映画は、装束とか建物とかを楽しみに観に行こうと思っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
十五夜が盛り上がってたので長年の積読だったのをようやく読んだ。時代背景とかおおよそのストーリーとかが追えたので、源氏物語の入門編として満足です。次は原作の現代語訳を読みたい。
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映画の原作ということで読んでみた。
紫式部のいる現実世界と、式部が紡ぐ源氏物語の世界の入れ子式なお話。
紫式部と道長の現実世界の話の部分は結構おもしろかった。
彰子とか、詮子とか、宮中の政争のどろどろした部分であるとか、
儀式の部分はよかった。特に道長と詮子の姉弟の腹をさぐりあうところが好き。
が、肝心の『源氏物語』が改変しすぎ。
細かい部分の突っ込みどころは読み流せても、本筋を大幅に変えてしまうところはちょっと無理。
解釈どうこうという問題ではないのではなかろうか・・・。
間逆である御息所と夕顔を斬新な解釈で描いてみたのはわかるけども、
どうにも源氏物語ファンとしては受け入れるのが難しいw
結局は最後あたりの
紫式部と源氏と安倍清明が対峙する場面が書きたかっただけじゃなかろうかと思ってしまった。
確かに、今までに無い、源氏物語と紫式部、の話ではあると思う。
カオスな平安ファンタジーとしてみればおもしろい・・のかなあ。 -
源氏物語の世界と、それを書く紫式部の世界をリンクさせながら、源氏物語の新たに解釈して進んでいくお話。あまりにもセリフ、言い回しが現代語すぎて違和感を感じた(映像化が前提だったのかな?)。それに、光源氏ってよっぽど丁寧に心情を描かないてあげないとただのひどい人になっちゃうから(笑)(もちろん現代にこんな人いたら本当にただのひどい人だけど、、)、もう少しそこをきちんとしてほしかったな。。
安部清明を介して、源氏の世界と式部の世界をリンクさせていくのは面白かった。 -
苦手な歴史系だけど、楽しく読めた。
始めはなかなか進まなかったけど、最後面白くなりますよっていう、スタッフの言葉を信じて頑張って読んで良かった。 -
先に『うた恋ぃ。』を読んでしまったため藤原行成の立ち位置がしっくりこない。
いろんな人が源氏物語を自分なりに解釈していて、人の数だけ源氏がいるのだなぁと思う。
『あさきゆめみし』の源氏は「しょうがない男だなぁ(苦笑)」という感じだったのだが、
本作の源氏は「しょうがない男だなぁ!(怒)」という感じ。 -
源氏物語、というよりは源氏物語誕生秘話って感じですかね。
紫式部や道長の住む現実の世界と、光源氏が住む物語の世界を交差させ、更に安倍晴明を登場させることで、式神や鬼が飛び交う異世界を派手な演出で表現・・・
いかにも映像ありきで作られた作品ぽいです。
とはいえ、道長の絶対的支援者だと思っていた詮子に別の顔があったという解釈は、斬新でそれなりに楽しめました。
が、そこまでかなあ・・・
道長が豪胆で強気。武士のようにたくましい貴族像は時代考証を無視していませんかね。
でもそれよりもっと違和感を覚えたのは「道長」とか「光」とか名前呼びをする会話。バリバリの身分社会なのにあまりにもマンガちっく。
でも!
それ以上に納得できなかったのは「源氏物語」の物語部分の改変の仕方。
これは新しい解釈、として受け入れられる許容にない。
なんかね、源氏を大事に思ってない人が書いてるなーっていうのが伝わって興ざめ。
実は2巻があるみたいなんだけど、読もうかどうしようか悩み中です。
つまらない本でも途中でやめるのは主義じゃないんだけど、源氏に愛を感じない人が書いてるんじゃね・・・
読む方が源氏に失礼かしら。 -
源氏物語とは全く別のお話として面白かった。
原作にはない更なる裏設定を想像したくなりますね。 -
映画化された「源氏物語」ですが、途中で、安倍 晴明とか出てきて、ファンタジーちょっと入ってます。
わたしの中の安倍 晴明と紫式部の関係といえば、谷 恒生の「紀・魍魎伝説」あたりに出てきたような気が……。たしか、あの紫式部は、子どもで、晴明にだっこされていたイメージが……。*1
なんか、「ソフィーの世界」的に展開で、そこもビビリました。でも、けっこう面白かったです。
紫式部自身は、けっこう権力志向。
これは、「千年の黙」のときもちょっと感じたのだけれど、実は、男が書いた紫式部より、女の人が書いた紫式部の方が、権力志向が強い気がします
権力志向というよりも、価値のある(勝ち組の?)男に「認められたい」という思いかな。
男性が書くと、女性を理想化するので、あんまりその欲望のドロドロしたところがなくなるのかも。
しかし、夕顔の正体とかは、新解釈でビックリしたと言うよりも、笑ってしまいましたが……。 そ、それは、ないわぁ……。
まあ、安倍晴明が、道長のボディガードみたいな感じだったのは、確かみたいで、時代的にはあっているのかな?