初恋ソムリエ (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944552

作品紹介・あらすじ

廃部寸前の弱小吹奏楽部を立て直し、普門館を目指す高校2年生の穂村チカと上条ハルタ。吹奏楽経験者たちに起きた謎を解決し入部させることに成功していた2人だったが、音楽エリートの芹澤直子には断られ続けていた。ある時、芹澤の伯母が高校にやって来た。「初恋研究会」なる部に招待されたのだという。やがて伯母の初恋に秘められた、40年前のある事件が浮かび上がり…(表題作より)。『退出ゲーム』に続く"ハルチカ"シリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 吹奏楽部を舞台にした、青春系日常ミステリー、第2弾。
    2年生になったハルとチカ、“三角関係”も相変わらず。

    で、なんとも濃い面子が集まるのも、相変わらず。
    なんとなく『らんま1/2』を思い出すような、出さないような。

    今回は全てで4編、個人的に印象に残ったのは「初恋ソムリエ」、
    なるほどな、そういうアプローチできましたか、と。

    確かに記憶は“五感”と結びついている方が、
    より鮮明に残っているのかもしれません、、なんて。

    前回はベトナム戦争、今回は左翼の内ゲバといった、
    微妙に“社会派”的なエッセンスが入っているのも、面白く。

    この先、硬軟のギャップはどうなっていきますか、なんて。

  • 今回もチカちゃんもハルタも違う方面でキレッキレに才能を発揮してます!笑

    今回一番素敵だなぁ~って思ったのは、『周波数は77.4MHz』の中にある部分(引用あり)


    見た方さえ変えれば、必要としてくれる人がいるし、
    自分が必要とされていることもわかる。

    でも悩んでる時って閉じこもってしまうから
    大事な時にそれを忘れてしまう。

    それを思い出させてくれたり、
    自分をふっと抜け出してくれたりするのは
    身近な人たちだけじゃない。赤の他人ってこともある。

    それを知って、本当にすごく心配していた身近な人は
    悲しむかもしれない。

    だって、救いたい/助けてあげたいって
    あんなに思ってたのに、赤の他人のおかげで
    その人は元気になってしまったから。

    でも本当にあなたにとって身近な人は
    その現実を受け止めて、
    元気になったあなたを支え続けてくれる。



    う~ん…文章力の無さのおかげで 笑
    なんだか意味不明な感想文になってしまいましたが

    とにかくいいお話でした!

  • ハルチカシリーズの第2弾。今回はスムーズに初めからお話に入り込めた。文章に慣れてきたのかしら。個性的な面々がどんどん増えてきて賑やかな吹奏楽部になってきた。私的には地学部のヘルメット美少女麻生美里ちゃんがすき。鉱物の話やエスペラント語など個人的に興味ある分野が出てきたのでおお!っとなった。お話はやっぱり『退出ゲーム』のときから思ってたけど、現代社会の隙間や生きにくさ、苦い過去など考えさせられる出来事が謎のきっかけとなっている。でもラストは高校生らしく希望に満ちているので、安心して読み終えることが出来た。

  • 『退出ゲーム』の続編となる高校二年生に進級したハルチカコンビの活躍を描く連作短編ミステリ。

     最近の学園ミステリやライトミステリ、もしくは日常の謎にちょっと飽きてきたかも、という人にこそぜひとも読んでもしい作品です。(登場人物のキャラや立ち位置をつかむために前作『退出ゲーム』から読むことをおススメします)

     変人だらけの登場人物やハルチカコンビの掛け合いの面白さは折り紙つき。それだけでは他のライト・学園ミステリとどこが違うの、という話になりそうですが、
    この小説の真骨頂は、ライトな日常の謎が真相が明らかになるにしたがってシリアスで、時に社会性の強い背景があることが明らかになっていくところです。

     そうした意外性はデビュー作以降、ファンタジーとミステリー、そして社会派を越境するような作品を書いてきた初野さんだからこそ書けるものだと思います。

     特に表題作「初恋ソムリエ」は40年前の初恋の様子がファンタジックに語られ、謎が解けるにしたがい思わぬ方向に話が転がっていく、初野さんにしか書きえない作品だと思います。

     前作『退出ゲーム』の解説でミステリ評論家の千街晶之さんが『初野晴がついに本気を出した』と評されていたのですが、それが素人の自分にもわかる、「この作家さん何かつかんだのかも」というのが読んでいてなんとなく分かる作品でした。

  • 学園探偵ものの王道という側面がある一方で、謎を解き明かす過程で披露される蘊蓄が大人でも読める作品に仕立て上げている。
    解説にも書かれていますが、高校生たちの知恵で全て解決せず、世の中の難しさを知っていく成長譚であるとこともいいですね。
    1作目よりも本書の方がキャラクターがこなれてきて、かつ内容の深さも増しており、面白くなってきていると思います。

  • 楽しかった!
    ハルタが純粋な男の子だったらなぁ・・・。

  • タイトルの話はなんとなく覚えてるけど、少し時間がたったら忘れてしまった。

  • 周波数は77.4MHz が良かった

  • 「ハルチカ」シリーズ二作目です。
    弱小吹奏楽部に即戦力になる仲間が次々と加わっています。
    でも、もっと仲間が欲しい!!!
    当作でも、ハルチカは仲間集めに奔走します。
    そして、変態共にも遭遇します。

    あまり気にしないで買っていましたが、「ハルチカ」シリーズの文庫版の表紙は2verあるのね。
    私の場合、「退出ゲーム」が丹地陽子さん、「初恋ソムリエ」が山中ヒコさんでした。
    丹地verが好みだなあ。

    ◆スプリングラフィ
    冒頭では、必死に部員集めに奔走する文化部が生活指導部の先生に説教されています。
    相変わらず、赤フン状態の名越(笑)
    チカちゃんに至っては「男が欲しい」発言ですからね。
    吹奏楽部は、今もメンバーが不足しています。

    ハルタ・マレン・成島は、個人練習中にアンサンブルをすることがあった。
    そこに最近、クラリネットが参入するようになったらしい。
    奏者は芹澤で、小さい頃から音楽の英才教育を受けていた。
    プロ志向であり、アンチ吹奏楽部とのこと。

    即戦力になるので、「是が非でも芹澤さんを仲間にしたい」と思います。
    チカちゃんは本人に会うと、すぐさま「入部して」と言います。
    芹澤さんはチカちゃんのことを悪く思っていないようです。
    チカちゃんは、既にパンで飼い慣らされていたのね。

    芹澤は、音楽準備室で探し物をしていた。
    その正体は補聴器で、彼女の耳は殆ど聞こえない状態だった。
    プロ志望の芹澤にとっては致命的な障害である。

    芹澤さんは普門館に行く為のアドバイスをしてくれますが、現段階では入部しません。
    何故ならば、かなりのツンデレだから。

    技術はあるけど「吹奏楽が好き」と言ってくれた成島さんとマレンに抱き着くチカちゃんが可愛かったです。

    片桐部長と芹澤さんの確執が気になります。
    片桐部長はいがみ合っていても、芹澤さんを放っておけないという感じです。
    前作「退出ゲーム」ではモブに近い存在だった部長ですが、当作以降は結構頼りになるのよね。

    ◆周波数は77.4MHz
    愛しの草壁先生からのお達しで、チカは部活だけではなく勉強にも励む。
    最近は息抜きで、ローカルFMを聞くことが習慣になっていた。

    DJカイユは若い男性で、彼の他に七人の老人も参加している。
    リスナーの質問に老人達が答えるコーナーがあった。
    レギュラーはお年寄りなので、放送事故が頻繁に起こる。
    それをカイユが上手くフォローしていた。

    この番組はハルタも聞いていて、老人達に恋の相談をしていた。
    ラジオを聞くうちに、チカを蹴落とす為に、「勉強にも励むべき」と草壁先生に進言していたことを知る。

    日野原会長が吹奏楽部に訪れて、予算を教えてくれます。
    ここのやり取りが面白いです。
    うなだれる片桐部長に、会長にケリを入れる朱里。

    日野原部長は吹奏楽部の為にアドバイスをした後、「地学研究会が辞退した二十万を吹奏楽部に移してもいい」と言ってきます。
    但し、地学研究会の部長を捕まえてくることを条件に出されます。
    当然ながら、チカちゃんが担当することに。

    地学研究会の活動は宝石採掘だった。
    実績がある上、引きこもりだった生徒を部活に誘って登校させている。
    とある男子生徒を勧誘したが失敗し、留年したようだ。

    地学研究会の今年の採掘予定だった宝石はブルートパーズだった。
    調査して見つけるが、何故か断念してしまう。
    地学研究会に協力していた大学側は、断念した理由を知りたくて日野原会長にコンタクトを取っていた。

    ブルートパーズのある場所は、無許可の老人介護施設だった。
    古寺の墓石にブルートパーズが使われていた。
    寺の息子がカイユで、地学研究会の麻生さんが勧誘に失敗した男子生徒だった。

    麻生さんはラジオを聞いていたからこそ、「古寺の場所を知られたくない」と思ったらしい。
    カイユが学校に行けなくなったのは、老人達の世話を父親と一緒にしていたからだ。

    受け入れ先を探すのは大変そうです。
    どこの施設も満杯だろうし、ボケているジイさんもいますから。
    最終的には全員を預ける手配が出来たのならば、もっと早く誰かに相談すれば良かったのに。
    お父さんとカイユはコミュ力があるのにね。

    話の最後に、チカちゃんとハルタはカイユのところに押し掛けたようです。
    きっと、チカちゃんはカイユに怒鳴ったに違いない。

    「変態と関わるのはゴメン」と言いつつも、麻生さんとはメルアドを交換していたのね。
    麻生さんは美少女だし、常にヘルメットを被っている点を除けばマトモだからね。

    ◆アウモデウスの視線
    草壁先生が過労で倒れます。
    教師の仕事や吹奏楽部の指導だけではなく、強豪校・藤ヶ咲高校でも指揮をしていました。
    藤ヶ咲高には堺先生という、厳しくも頼りになる指導者がいます。
    ハルタ達は「ゴリラ」と呼んでいますが。

    草壁先生がピンチヒッターになった理由は、堺先生が自宅謹慎をしていたからだ。
    謹慎の至る経緯は、誰も知らない。
    元の環境で練習に励めるようにする為、ハルチカが謎を解明することになった。

    新しくメンバーに加わったカイユは陽気というか明るいです。
    変人率の高い当シリーズでは、マトモな感性な方だと思います。
    おにぎりのセンスはかなり個性的ですが。

    藤ヶ咲高に侵入した、ハルタ・チカ・カイユ。
    事件を解く為、教育実習中の大河原先生と話すことになった。
    大河原先生は三十歳を過ぎていた。
    その為、実習の受け入れ先を探すのが厳しかったが、恩師である堺先生が協力してくれていた。

    堺先生のクラスでは、何故か短い期間で席替えが三回も行われていた。
    その謎を解明しようとするうちに、「赤外線カメラを使った盗撮が行われていたのではないか」という疑惑が浮上する。
    薄着になった生徒の下着だけではなく、大河原先生の刺青も写っていたようだ。

    堺先生は盗撮犯の生徒と話した時、切り札として「大河原先生の秘密をバラす」と脅されていた。
    大河原先生は刺青を消している途中と知った境先生は、「彼女が良い教師になるだろう」と信じて口を噤んでいたらしい。
    真相を知った大河原先生は、被害に遭った生徒と盗撮犯のコと話してから教職を諦める。

    「タトゥーの何がいけないの」と吠えていた芸能人がいますが、職業によっては他人に大きく影響を与えるんだから全面的には受け入れられないよね。

    ◆初恋ソムリエ
    表題作。
    キーアイテムは「おにぎり」です。
    チカちゃんは元気が良くて、好戦的でおバカさんなところがありますが、料理が出来るのね。

    吹奏楽部は仲が良いです。
    皆で輪になってご飯を食べています。

    カイユのおにぎりはインパクトがあり過ぎるわ。
    ミックスベジタブルを混ぜたご飯はアレンジ次第でオシャレになりそうですが、具がサバ缶というのは生臭くないか?
    それを分けて貰っているハルタもどうかと思いますが。

    ある日、芹澤に頼みごとをされる。
    芹澤の叔母が初恋研究会の部長とコンタクトを取っているようだ。

    芹澤の叔母は、初恋の相手を探していた。
    初恋研究会はハッキリ言って胡散くさいので、芹澤は心配で堪らない。
    初恋研究会の部長・朝霧も生徒会に目を付けられていた。

    丁度、芹澤の叔母が「青少年サファリパーク」にある初恋研究会で朝霧と話しているので、直接、乗り込むことになった。
    話の流れで、芹澤の叔母が比喩を混ぜながら過去の話を教えてくれる。

    芹澤の叔母はあるグループに属し、毎日おにぎりを作っていた。
    乱暴なリーダー格達に「気合いが足りない」と平手打ちをされる中、初恋の相手は芹澤の叔母に優しくしてくれた。
    リーダー格の連中が食べるおむすびは、初恋の相手が作っていた。
    ある日、芹澤の叔母が彼の作ったおむすびを口に含むと、何故か殴られてしまう。

    初恋の相手が作ったおむすびの味が忘れられなくて、朝霧に再現して貰う。
    芹澤の叔母は「味が違う」と呟く。

    芹澤さんの叔母さんが初恋の相手がいるらしい花巻に向かうようなので、巻き添えでチカちゃんとハルタ、朝霧さんも一緒に後を追います。
    芹澤さんは、随分とチカちゃんを頼りにしているなあ。
    デレ振りが半端ないです。

    初恋の相手が豹変した理由は、体に害のある成分を含んだおにぎりを芹澤さんの叔母さんが食べようとしたから。
    殴られたショックでおにぎりを吐き出していたので、叔母さんは無事でした。
    初恋の相手やリーダー格の連中は、おにぎりが原因でガンになり亡くなっています。

    この件によって、芹澤さんとチカちゃんの親交が深くなります。
    懐いてくるチカちゃんの面倒を芹澤さんが見ているような気もしますが。

  • 目次:スプリングラフィ、周波数は77.4MHz、アスモデウスの視線、初恋ソムリエ

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