左近の桜 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 99
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944576

感想・レビュー・書評

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  • 美しい日本語が並んでいて、死と生が交わるこの不思議な世界観に引き込まれてしまった。
    柾さん、すき…。

  • ものすごく久しぶりに長野まゆみを読んだ。高校以来だ。昔はあのきらきらした言葉に魅了され、ほのかな雰囲気に酔わされたがあのころと作風が変わっていると感じるのは読み手としての自分の変化だけではないように思った。事実、解説にもかつての長野まゆみと現在の長野まゆみには意識的な解離があることが記されていた。そしてこの変化は好ましかった。私も中高生のころは古いことばや漢字を多用した文章を好んで書いたが徐々にだれもが読みやすいやわらかなことばを意識的に選ぶようになった。私ごときを長野まゆみと比べては失敬にもほどがあるが親近感をいだいたことはたしかだ。
    そしてこの物語は決して直截には描かれないが明らかで艶かしい。とてもエロティックだ。これが少年ではなく青年の物語だからだろう。ほのめかされることは表現される以上に想像をかきたてる。悪くない再会だった。

  • この方の作品ははじめて読みました。
    古本屋さんで見つけて、裏表紙のあらすじに惹かれて勢いで購入。

    それを読んだ時点で想像していた設定とは結構異なり、
    「あ、ひょっとしてやっちゃった?」
    とも思ったのですが、読みすすめていくうちに、どんどん世界観に引き込まれていきました。

    文体がものすごく好みですし、すごく幻想的な雰囲気が漂っていて、魅力的でした。
    何より柾さん(主人公の父)がすごくかっこいい!
    大人の男として、ものすごく魅力的でした。
    そのほかの大人も、ものすごく素敵な人が多いです。

    幻想的な感じのものが好きな人や、かっこいい男性キャラが好きな人にオススメしたい本です!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「幻想的な感じのものが好きな人」
      ジャケ買いしちゃいそうな表紙絵。
      現在、長野まゆみを物色中(タイトルが素敵だから)。。。
      「幻想的な感じのものが好きな人」
      ジャケ買いしちゃいそうな表紙絵。
      現在、長野まゆみを物色中(タイトルが素敵だから)。。。
      2012/09/07
  • これを読んで一発で長野さんにハマった作品。
    友人に長野さん勧めるときは大体これから。
    文体が程よく読みやすいけれども、長野さんらしい独特の浮世離れした空気感が伝わって来る一冊。
    表紙もイメージに合っててとても好き。
    そしてなにより柾さんがかっこ良さすぎてもう

  • 友人から勧められて読んだものです。

    いわくありげな連れ込み宿の子である桜蔵(さくら)が、人ならざるものとの縁を結んでしまう(いろんな意味で)という短編集です。
    ほんのりとすべての物語がつながっていて、さくさく読めました。個人的には「骨箱」が好きです。オカルト系は苦手と思っていたのですが、これはそのいわゆる悠連さんたちがとても生身の人間のように書かれていたので、自然に読めました。

    全体的な描写がとってもしっとりとした雰囲気を感じさせていて、最初時代小説か?と思ってしまうほどでした。
    父親である(血のつながりはない)柾や、店の常連の浜尾などのおっちゃん(?)がいい味出しております。

    直接的な話法は無いのですが、ああ、”した”んだな。っていうのが言外に香ってきて、情緒がある感じでした。

    長野まゆみ先生の本は本屋で見かけたことはあったのですが、読んだのは初めてです。
    勧めてくれた友人曰く「好みが分かれる」とのことでしたが、自分的には嫌いではありません。

    もっと、柾や浜尾について突っ込んでくれたらなお楽しかった…とは思いました。

  • ほんとに情景描写が秀逸。言葉数は少ないのに、ぱーっと情景が目の前に現れる。相変わらず、不安定で危うい感じがするんだけど、その感覚に身を任せていたくなる笑 物語は、この世とあの世の境に住む者を知らず知らずの間に”拾って”しまい、関わりを持ってしまう桜蔵。次々と桜蔵の身に起こる不思議な出来事の物語。桜蔵を取り巻く人たちも当たり前の事のように接していて、何だか曰くありげ。一癖ある面々だけど、なかなか素敵な人達です。いろいろ伏線も張ってあるようなので、続編が楽しみ。この雰囲気にどっぷり浸かって読みたい。

  • 夢か現か――。ぬくもりだけが残ってる。

    人目を忍ぶ宿「左近」の長男・桜蔵(さくら)は、何故か不思議な体験ばかりをする。それが彼の性質だという大人の話を馬鹿馬鹿しいと思う反面、また彼は思いもよらぬ出来事に巻き込まれていく。
    久しぶりに長野ワールドに浸りたいと思い読了。描写が美しい言葉で飾られ、一気に艶っぽい世界へと引き込まれていく。長野まゆみ作品を読んだことがない人には進めにくい、同性愛的な描写もあるが、そこまで露骨に最初から最後まで書かれていないので、二作目くらいに読むのが適当かもしれない。あくまで受け取り方次第だと思うので、毛嫌いせずに少しでも多くの方に楽しんで欲しい。

  • いわゆる同性愛ものだけど、BLと括ってしまうにはちょっと違う。しっとりと妖しくて、でもどこか怖い。読み終わった後もしばらく余韻が残る不思議な感覚。

  • 美しい日本語と幻想的な雰囲気が素敵でした。
    その中で漂う妖しい官能にずぶずぶと惹き込まれる。
    特別に面白い!という訳じゃないのに目が話せなくて、いつの間にかページが物凄く進んでいたりしました。
    妖しいものは妖しいまま、完結の形で終わらないので最後までモヤモヤです。続きがあればいいのに。

  • 「あめふらし」などと似た感じの、この世ならぬものと現世の、時間と空間が“糾える縄のごとく”に交わった世界。
    BL世界は嫌いではないのですが、“この単語は好きではない”というのがある。
    それが出てくると少し嫌悪感を感じるのですが、全体的には好きな世界。

    解説にあった『柾パパは人気』という記述…
    これにも少し嫌悪を感じます。
    萌えを他者と分かち合うのは、実はそう簡単ではない。
    多数派でなければお付き合いできない、という同人的世界には、少し面倒なものを感じます。
    普通、小説はそういった読まれ方はしないのでしょうが、この作者の作品が含む男色的要素が、そういったファンを呼び寄せているのでしょうか…
    私は、自分一人で楽しむだけにとどめたいと思います。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの まゆみ)
1959年東京生まれの小説家。女子美術大学卒業。1988年『少年アリス』で文藝賞を受賞。2015年、『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞を受賞する。『新世界』『となりの姉妹』『箪笥のなか』『よろづ春夏冬中』『メルカトル』『カルトローレ』『45°』『ささみみささめ』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『左近の桜』シリーズなど著書多数。

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