ボクら星屑のダンス (角川文庫 さ 58-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944590

作品紹介・あらすじ

借金で浜名湖に入水しようとしていた浅井久平は、同じく自殺を図る不思議な子どもヒカリと出会った。ヒカリは最先端科学センターから逃げ出してきた天才だという。半身半疑ながらも一緒に逃避行を始めた久平。一方、内閣官房から指令を受けた警察はヒカリの捜索を開始。だが、ヒカリはネットを駆使して逆にみずから誘拐を装い、100億円を要求した。果たしてヒカリたちは現金を奪取し、偽装誘拐を完遂できるのか?第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 浜松が舞台ということで、買ってみました。

    天才少女ヒカリと偶然出会った久平の、偽装誘拐事件。
    身代金の要求の仕方や、最後、身代金の受け渡しの場面は、
    意表をついていて面白かったです。

    天才ヒカリの宇宙の話は、正直半分も理解できないけど、
    地球も人間も、星が爆発して出来たゴミで出来ている。だから、宇宙も人間も海も月もみんなゴミで、みんな規則的に動いてる。。。だから、僕たちもゴミのような存在だけど、踊ろう~(ちょっと違ったかなぁ)僕ら星屑のダンス・・・楽しければいい。みたいなダンスのシーン、ずごく好きでした。

    そして、日々の自分の悩みもちっぽけだな~って思うことが出来て、いいタイミングでこの本に出会えたなって思いました。
    読んで良かったです。

  • 前回、「蜜蜂と遠雷」 を読了し、音楽療法関係の知り合いと、これについて話してた時、浜松に関係する本だったら、こんなのも有るよと紹介してもらった本。

    著者の佐倉純一氏は浜松に住んでて、精神科の先生でもあり、音楽療法と関係があって知り合いなんだそうだ。

    これは第30回横溝正史ミステリ大賞でテレビ東京賞を受賞し、テレビ東京でドラマ化もされている。
    へぇ~、ぜんぜん知らんかった。
    てのも、私はミステリ / サスペンス系の本って、ほとんど読まないからなぁ。
    それに、テレビ東京となると地上波では、ここ浜松は見られないし、私の家はケーブルTVなのでテレビ愛知は見られるけど、ドラマは知らなかった。

    で、内容は最初から舞台が浜松で、浜松人だったら、あぁあそこね、と場所が思い浮かばれるようなところばかりなのだ。
    内容もそこそこ面白いので、読んでみる事をお勧めします。
    Youtubeで検索すると、全部 公開されちゃってるようなので、そっちでもイイかもね。
    ドラマ、見てないから原作とどれだけ乖離してるのか知らないけど。

  • おもしろかったけど、いらない。

  • ジャケ買い。
    宇宙規模でみれば地球も人間もただの星屑のカス。
    世界に絶望した天才少女と
    人生に絶望したダメ人間が出会い、
    話してるうちに利害一致→同意のうえ誘拐→
    逃避行の過程で少しずつ心を通わせて成長していく話。
    最後きれいにまとまる感じがいい。

  • 16/03/25
    ヒカリの出生の秘密とかすぐにこんなんだろうなっていう想像はつくし、なんでも都合良く行きすぎなストーリーだったけど、身代金オークションや100億円を配達でばらまく発想がおもしろかった。感動はしませんが。

    P32
    ユイはさ、数字の中で何が一番綺麗だと思う?(中略)ボクは2と6が綺麗だと思うよ。2は黄色、6は青に見えて、この二つが並ぶととても綺麗だ。しかも62は、31の2倍なんだ。ほら、31って素数の中でも特に綺麗でしょ?その31が二つ集まって62。だから、すごく特別な数だと思うんだけど、ユイはどうかな?

  • 自分はくずだと思ってる、少年とおっさん?が逃避行してみる話。

    前はないと思ってるときに、ちょっとの感動というか心の動きが大きく先を左右する。話だと思う。

    きれいな満月を見ると明日やる気になるのと同じだよね?

  • 楽しい誘拐の物語。と言ってもヒカリの境遇は特殊で辛いものなのだろうが。 
    身代金をどうやって奪取するのか、後半が特に楽しい。

  • 第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作。
     
     月明かりの夜、借金を苦に入水自殺を図ろうとしていた浅井久平の前に、同じことをしようとする小さな影があった。ヒカリと名乗るその少年(のちに少女だと判明)は、言葉遣いも考え方も知能指数も他の子どもとは大きく異なるようだった。なんとか自殺をやめさせたい久平は、「自分も自殺を諦めるからお前も諦めろ」と約束。そして、最先端科学センターから逃げてきたというヒカリは、久平の自殺したくなる原因を解決するため、自らを誘拐したことにして10億の身代金を要求する計画を提案する。

     天才的な頭脳を持って産まれてながらも、自分の価値が見いだせず、何のために生きているのか何のために生まれてきたのかを悩み続けるわずか10歳のヒカリ。それをほおっておけない久平らとのやりとりは優しく、そして誘拐計画は規模が大きく突飛。オークションを使っての身代金要求はどう動いていくのかわくわくしたが、ヒカリが元気を取り戻す星屑ダンスの描写がそこまで響いてこなかったため、自分はこの本の良さ堪能できていない気がしてならない。巻末の選評ではみんな、そこを褒めてるんだけどなぁ。

  • 「お前はいい子だよ。天才だとか遺伝子がどうのとか、そんなの関係なく、かわいい、いい子だ。」
    星屑のダンスをするシーンがとても印象的で好き。久平とヒカリの関係性がいい。

  • ミステリーだけど、借金で自殺を考えていた40代のおじさんと天才すぎて孤独な子供の二人の心の交流に重点をおいたハートフルな物語。
    あまりミステリー部分は詳しくはなかったけど、発想は十分面白かったし何より悪人らしい悪人がいなくて救われる明るさが後味もよくしてます。

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著者プロフィール

1964年生まれ。静岡県浜松市出身。大阪大学大学院(博士課程)修了。2010年、『ボクら星屑のダンス』で第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞を受賞。他著作に『明日』がある。

「2018年 『学校ジャック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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