不思議の扉 午後の教室 (角川文庫)

制作 : 大森 望  カスヤ ナガト 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 687
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944682

感想・レビュー・書評

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  • 前半は面白くスラスラ読めたけれど、後半は私向きじゃない(--;) 不思議な話は好きだが、ほのぼの系が良い

  • 表紙の雰囲気から、自分は想定読者からほど遠いと思い、このシリーズは未読だった。でも本作はモリミーが載ってるし、やっぱり気になるので、娘が読むからと言い訳しつつ(誰に?何故?)購入。

    まず驚いたのが最初の湊かなえ「インコ先生」。こんなのも書くんだ。一連のベストセラーは苦手だけれど、これはあざやか!こういうアンソロジーの巻頭作にぴったりだと思った。

    一番良かったのは小松左京「お召し」。半世紀近く前の作品なのに、そしてアイディアは古典的なものなのに、全く古くさくないのがなんともすごい。SFならではの感動があって胸が震えた。小松作品はあまり読んでこなかったが、こういうのがあるなら読んでみなければ。

    古橋秀之「三時間目のまどか」も爽やかな読後感で好感度大。モリミーはご愛敬、ということで。とりあえずこのシリーズは最初から読むことにしましょう。

  • 森見登美彦「迷走恋の裏路地」、有川浩「S理論」は書籍初収録

  • ジョー・ヒル作品が読みたかったので、借りてみた。ホラーを期待してたら、全編通して甘酸っぱい作品でした。

  • 2017年4月12日読了。不思議SFアンソロジーシリーズ第4弾、「午後の教室で何かが起こる」というシチュエーションを集めた本。昭和文豪の時代から現代にいたるまで「教室」という状況は共通体験として通過してきているわけで、その時点ですでに「時空を超えている」という気がする。芥川龍之介作品はさすがに現代とは感覚が違うが、小松左京作品などは普通に「同時代に書かれた面白い小説」として読めるのが凄い。古橋秀之作品(これを読んでみたかったのがきっかけ)は確かにライトノベルなのだが、目の付け所や話の展開の自然さ、オチの爽快感など非常にレベルが高く楽しめた。

  • 学校を舞台にした、どこか不思議な設定の話が集まったアンソロジー。平山夢明「テロルの創世」、小松左京「お召し」が、基本的な設定ながらとても面白かった。

    ・インコ先生/湊かなえ
    保健室に鳥かご持参で赴任した先生。その先生の元へ、一人の女子生徒が「心霊写真が撮れた」と深刻そうな顔をしてやってくる。
    先生は「その写真に映った幽霊は悪霊ではなく守護霊だから心配するな」という。
    保健室での会話は、先生と女子生徒、そしてシュウという三人の会話のように思えるが、このシュウは実はインコ。そして6年前に死んだ修司の霊が乗り移った存在だった。
    写真に映ったのは修司の霊。

    ・三時間目のまどか/古橋秀之
    主人公のいる教室の窓に一瞬映る女子生徒。やがてその光景は別の場所だということに気づく。
    筆談で会話をして仲良くなる主人公と窓少女。しかしやがて、その光景が場所ではなく「時間」がズレているのだという事実が判明。
    窓少女は、主人公の次元では既に死んでいた。主人公は彼女が死なないように、筆談でメッセージを伝えようとする。
    『君の名は。』と同じモチーフの話です。

    ・恋迷路の裏路地/森見登美彦
    恋する彼女に「偶然を装って」接触するために、図書館警察から彼女に関する情報を買う主人公。
    情報を買うために苦労して金策に走る。
    その結果、彼は丁度良いタイミングで彼女と会えた。彼女は主人公に微笑みながら「あれ、偶然!」と言った。
    うまい。

    ・S理論/有川浩
    「この世で最も恐ろしいとされている話」。牛の首の都市伝説みたいな。
    SはスズキのS……じゃなくてスズキのすごい理論、のS。

    ・お召し/小松左京
    文明の発達したある都市で、古い日記が見つかる。
    少年の手記のようなその紙片には「12歳以上の人が突然消えた」という内容が書かれていた。
    大人がいなくなってしまった中で、子供たちは何とか生き延びようと画策する。
    12歳になると消えてしまうという。まるで何かに導かれるように。
    そんな物語めいた内容を、文明人たちは信じられない思いで読んでいた。彼らの頭の中には古代遺跡から見つかった「巨人族の骨」があったるあの骨は何なのか。そして自分たちにやがて訪れる「お召し」の意味は。
    最後は声変わりの描写ですね。
    突然子供たちだけになるって、漂流教室っぽい感じ。

    ・テロルの創世/平山夢明
    クローンとしても本物のサブとして、昭和めいた作られた都市で育てられていた主人公たち。
    「わたしを離さないで」の設定と同じですが、それより前に描かれています。
    印象的なのはラストシーン。オリジナルとして生きるために本物を殺そうと企むも、最後はその「本物」こそが、罪悪感と行かされ続ける辛さに耐えられず、自ら命を絶つ。

    ・ポップ・アート/ジョー・ヒル
    生きている風船人形・アートと、主人公の友情。
    傷ついてボロボロになったアートは、最後、たくさんの風船とともに空に舞い上がっていく。切ない別れのシーンでした。

    ・保吉の手帳から/芥川龍之介
    英語教師の保吉の手記。
    「或る空想」という段が、カフカの「変身」みたいな感じの奇妙さ。

  • インコ先生 湊かなえ
    三時間目のまどか 古橋秀之
    迷走恋の裏路地 森見登美彦
    S理論 有川浩
    お召し 小松左京
    テロルの創世 平山夢明
    ポップ・アート ジョー・ヒル(大森望 訳)
    保吉の手帳から 芥川龍之介
    解説:学園ワンダーランドへようこそ 大森望

    再読しようと思ったら売ってしまっていたらしく、再購入。
    平山夢明先生の「テロルの創世」は、デュアル文庫の「少年の時間」にも収録。
    病気の為に使えなくなった臓器を取り替える用のクローンを育てる人々の話。
    12歳になった人間から消えていく、小松左京先生の「お召し」も面白い。

  • もともと芥川龍之介の短編がなぜか大森望監修のSF短編集に所収されている違和感で手に取ったのである。しかしながら、芥川龍之介のその短編「保吉の手帳から」は5つのエピソードからなっているが、いずれも解説が必要なほどピンと来るものがなかった。大森望の解説を読んだら思ったとおり、この中の「午休み」というエピソードが幻想的というか怪談的というか、精神疾患者の妄想のようなエピソードなのが所収の理由であった。
    芥川龍之介の作品はともかく、その他の作品にも魅力は大いに感じた。さすが大森望である、ぼくの趣味をよく理解している。
    冒頭の湊かなえのショートショートは先程の芥川龍之介の作品にも通じるファンタジーが込められていておもしろいし、有川浩もラブコメではなかったが短めのミステリーながらおもしろい。
    またスティーブン・キングの息子ジョー・ヒルの作品もいろいろ考えさせられる内容になっていて、さすがというしかない。
    さらには平山夢明の作品もここ最近よくあるクローン技術によって産み出された生命の意味を問う内容となっていて感慨深い。
    一番気になったのは古橋秀之と小松左京のそれぞれの作品だ。古橋秀之のライトノベル的な文体と小松左京のひと昔前のジュブナイル的な文体が対比されていておもしろい。それにつけても小松左京の作品はいま読んでもおもしろい。「星を継ぐもの」を読んだ直後なので尚更感慨深い。
    あ!忘れてた。森見登美彦の作品。「夜は短し歩けよ乙女」のサブストーリーだったが、いろいろ思い出してしまって本編が途中だったのでまた読み返している次第である。

  • 好きな作家さんが何名かいたので読んでみたものの、SFが多くてちょっと苦手でした。

  • 学校には不思議な話がつまっています。教室の窓から決まった時間にだけ見える女子高校生、大人たちの消えた世界を生きる小学生たち、風船少年との交流―。いつもの日常がぐにゃりと曲がって見える、そんな不思議な読書体験が待っています。古今東西人気作家たちの書籍初収録作や不朽の名作を集めた、短編小説アンソロジー第4弾。

    どの作品もはずれが無かったです。
    どれも面白かった。それぞれの色があってこういうオムニバス小説の良さを感じ取れる一冊だと思う。
    中でも迷走恋の裏路地とテロルの創世はお気に入りです。
    迷走恋は夜は短しのあのテンションを思い出したし、
    テロルは続きが無いのが残念。

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