アシンメトリー (角川文庫)

  • 角川書店 (2011年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784043944729

作品紹介・あらすじ

結婚に強い憧れを抱く女。結婚に理想を追求する男。結婚に縛られたくない女。結婚という形を選んだ男。非対称(アシンメトリー)なアラサー男女4人を描いた、切ない偏愛ラプソディ。

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さと結婚に対する多様な価値観を描いた物語は、登場人物たちの葛藤や成長を通じて、読者に深い感情を呼び起こします。アラサーの男女がそれぞれの理想や現実と向き合いながら、愛や友情、家族の形につ...

感想・レビュー・書評

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  • どんな人もバランスがよくない、そう言う意味のアシンメトリーかなと思った。
    人と人の出会いの中で、葛藤しながら、変わっていく物語だった。恋愛だけじゃない好きっていう感情の中で、家族になるのもいいのかなと思えた。家族だからって、いつも好きでいられないけど、親しみみたいなのは確実にあると思う。

  • 「結婚って何なんだろう?」と仲良しの男友達に訊いたことがある。

    「好きな人を公に独占できる制度かな」…彼は特別嫉妬深くもないし、私の知る限りでは寛容な性格のはずだ。

    リーガルハイでは、3人の男性と事実婚状態の美女(鈴木保奈美さん)が登場して、「浮気は許せないし、真剣恋愛の結果、結婚した。どの夫も納得してこの形をとっている。」と宣う。しかし一夫一妻制の日本では入籍不可。最終的には養子縁組で彼らは公的にも家族になった。

    堅実に生きたい朋美、十年来の友人と電撃結婚した紗雪。婚活することもなく、すんなり幸せを掴んだ紗雪に対する朋美の嫉妬や焦りには共感しつつも同族嫌悪。

    しかし、紗雪には紗雪の辛い秘密があった…。
    報われない想い、すれ違い、打算、嘘、同情。結婚や恋愛について考え込んでしまう。どうしようもなかった恋について思い返すところが多過ぎて辛かった。

  • 「価値観」、「常識」、「普通」。生きていて、仕事、生活、人付き合い、恋愛などひとりひとりにそれぞれに「普通」はこうするという「普通」が存在します。しかし、みんな微妙にその普通は異なっているのに異なっていると自覚していないからこそ、眉をひそめる出来事にであったりするのだと思います。上部だけの普通をすり合わせて付き合う関係も間違っていないと思いますが、本当に大切にしたいと思う人は自分の普通と相手の普通に折り合いをつける必要がえると思いました。


    驚いたのはこの本が発行されたのは平成23年だったことです。この当時はまだ子どもだったのであまり記憶にありませんが、この時代にセクシャルマイノリティの恋愛について書いた小説はあまりなかったのではないでしょうか。今でこそ度々話題になるセクシャルマイノリティの人物を当時の時代に小説に登場させるのはあまりなかったのではないでしょうか。

  •  著者2作目だが、飛鳥井さん作家読みしようかな。先が気になり、なかなか読むのを止められなかった。主要登場人物全員がリアルで、単なる良い人・嫌な人というカテゴリ分類ではなく、それぞれの良い部分・悪い部分が入り交じり、最終的には4人とも憎めない存在になっている。テーマはLGBTQです、と前面に主張するのでもなく、さらっと取り入れているところもスマート。
     大人になると仲がこじれると言いたいことを言わず、そのまま疎遠になることが多いけれど、朋美と紗雪はちゃんと向き合って仲直りしていて微笑ましく、羨ましかった。

  • それぞれの視点でストーリーが進んでいくからこそ、どちらの気持ちも分かって、人間関係ですれ違ってしまう瞬間が垣間見える。
    藤田香織さんの解説も、思うことを見事に言い当てていて、非常に印象深かった。

  • 長らく積んでいた本。

    セクシャルマジョリティ、マイノリティについて。
    普通とは、普通でないとは何なのか。
    いや、本当に何なんでしょうね。

    私は恋愛対象も性対象も男性(異性)ですが、
    そうではない人たちがいても何ら不自然ではないと思います。
    聖書でも同性愛について書かれていますが、
    神様がそう創られたんですもの。不自然ではない。

    登場人物の朋美が『同性愛者って本当にいるのね。信じられない』と発言したシーンではかなり怒りを覚えました。
    自分の世界だけが全てだと思っていて、知ろうとする気がないのなら否定なんてするもんじゃない。
    と、かなりムカムカときていました。

    最終的に彼女は“知った”事によって変わっていくのだけれど。

    やはり“知らない”事を頭から否定してしまうのは罪だと私は思う。
    理解する、しないは取りあえず置いておいて、
    まずは知らなければね。
    もちろん自分自身にも言える事だけれど。

  • *結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に魅かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった…。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ*

    これは・・・予想を裏切る展開でした!もちろん、良い意味ですが。LGBT絡みかな、とは思っていたけど、更にその裏があったり、「普通」に対する概念の違いや、それぞれの持つ歪みも見事にあぶり出され、面白過ぎて一気読み。歪みは歪みのままで収集したラストも好き。

  • 読み終わって元気になれる本が好きです♪
    その意味では、まさにぴったり。
    特に結婚前の恋愛中の女性に読んで欲しいな。

    途中で何度も「これってドラマになったっけ?」と思ったり。映画でも良いけど。

    とにかく、終わり良ければ全て良し的なラストが心地好かった、辛口恋愛小説。

  • 等身大な話で面白かった。
    みんなどこか欠けてたり多かったりして、「普通」なんてないんだとありきたりだけど思わされた。

    朋美の「私は、勝っている」って描写が、まんま私でゾッとした笑

  • 四人とも拗らせている。
    朋美の本人無自覚な上から目線(そのくせ常に【自分なんて】、と卑屈だし)と親の離婚に関する悲劇のヒロイン気分にイライラ。
    貴人は一番危ない人。
    ヒーリングとか、パワースポットとか、自分が信じるのは勝手だけど、それで人に色々意見するのは違うでしょ。
    プロポーズはダメになっちゃったけど、これがきっかけで朋美はいい意味で変われたよね。
    治樹も優しいようで、元彼と浮気したわけだし、最低だわ。
    紗雪は紗雪で、強くて割り切っているように見せているけど神経質。

  • 最後の【解説】にもあったように、恋愛小説ではあるがキュンキュンは全くしない。
    それぞれの恋愛観が違いすぎて、食い違いにドキドキハラハラする。
    自分の恋愛観と同じ恋愛観を持つ登場人物に共感したり、逆に理解し難い恋愛観を持った登場人物にイライラしたりもするが、読み終える頃には考え方や見方が変わっていたりする。

    現代らしい恋愛の難点をまとめたような小説であり、少し難しいかと思いきや読み応えは抜群。

  • ざらっとした感情。ままならない感情。
    それぞれの『普通』『基準』が邪魔をして、会話に行動に心の裡にざらっとした感情が、入り乱れる。

    生まれながらにもっているもの、知ってほしいもの、触れられたくないもの、習慣、癖、病気など、育った環境、考え方などみんな違うのに、それぞれの『普通』が、邪魔をして、苦しくなる。
    『普通』が幅をきかせて、いつまでも『オンリーワン』は、ほど遠い。
    人は比べるし、縛るし、苦しめる。
    物語に出てくる人物皆、理解してほしいと思いながらも、相手を貶したり、傷つけたり、受け止めてほしいと思っても、諦めてしまいそうになったり。
    勝つ、負ける、あの人よりはやく結婚する、しない、できない。
    自分が好きなものをただ好きだといいたいだけなのに、うまくいかない。
    自分の人生なのに、比べてしまう、諦めてしまう、外野がうるさかったり。

    読むのが大変だった。




  • 2016/5/9

    ふー。読み終わって大きなため息をひとつ。
    4人の男女目線で語られる群像劇。ひとり目「一生懸命真面目に頑張っているのに報われないわたし」な朋美の目線がイライラして仕方なかったのだけれど、だんだんこんなにイライラしてるわたしってどうなの?人のこと言えるの?と思ってくる。
    人間関係って一筋縄じゃいかない。

  • めずらしくちょっと重い印象の、飛鳥井千砂作品。
    女同士の僻み・妬みが少々くどかった。

    でもやっぱり読みやすく、分かりやすく、そして人間らしい感じで、飛鳥井作品は本当に好きだなと思わせてくれた一冊。

  • 飛鳥井さんは本当にうまいなあ…。

    自分の心の中に生まれる、相手に対する違和感や苛立ちを押し隠し続けるうちにこじれて収拾がつかなくなる人たち。その人たちが、ある一つのきっかけで本音を相手にぶつけられるようになり、互いの違和感を隠して仲良さそうに振舞っていた頃よりも、もっとシンプルで軽やかで、なのに決して切れることはないだろうと思える強さで絆を取り戻していく。

    どの作品からも感じられて、類型的と言われればそうかもしれない。でも私もそんな人間関係にまみれていて、自分には起こらない展開だから、正直うらやましくて。

    アシンメトリーというタイトルは秀逸。飛鳥井さんの作品に描かれる人たちは、お互いがお互いにとって大切であることに本当に気づくまで、その心のあり方はみんな非対称。自分が可愛くて、自分を守ることに必死で、相手を傷つけ、自分も壊れてゆく。不均衡で危うい人たちが、徹底的な関係崩壊すら乗り越えて、新たな関わりを見出す…出来過ぎで、あり得ないかもしれない。

    でも…そんな日が来ることを、現実では夢見ていたい私には、どのストーリーもあったかい。

    今年大好きになった作家のBest3に入りました。

  • 読み始めてから、中盤になるまで気が付かない
    普通の恋愛ストーリだと思ったが違った。
    人それぞれに個性あり、恋愛も友情もいろいろなパターンがある。

    見た目や決めつけで人を判断せず心の目を持ちたいなって思いました。

  • 人それぞれの個性
    ぱっと見じゃ分からない個性
    言葉や偏見には気を付けないといけないなと思う

    親友の語った言葉と、
    お話しに出てくる言葉がとても似ていて
    親友の気持ちや環境を前より少しだけ知れた気がした

    人のなかなか表に出さない所がよく書かれていて
    何だか為になった本でした♪

  • 飛鳥井さんの描く、普通な感じの小説にハマってしまっています。どこにでもいて、どこからでも産まれるような。この作品はタイニータイニーハッピーよりも事件性のあるお話でした。
    結婚に強い憧れを抱く女、朋美。
    結婚に理想を追求する男、貴人。
    結婚に縛られたくない女、紗雪。
    結婚という形を選んだ男、治樹。
    キーワードはアラサー男女の結婚です、タイムリーです。
    そこにマイノリティが加わり、いろいろなことがややこしく交差していく様は面白い。四人の主人公たちの細かな嫌なところをとても自然に描いている。例えば朋美が褒めて欲しくて自分を卑下する口調だとか。いるいる、どこにでもいる。それと自分もこうだなーと見つめ直せる小説。普通、をここまで読ませる筆力がすごい。面白かった。

  • 同じアラサーとして気になる内容だったので購入。結局人は他人同士であって、わかり合うことは簡単じゃない。だから人は他人と関わることで成長するんだろう。朋美の変化にちょっと戸惑ったが、みんな一歩進めてよかった。結婚はゴールじゃない、通過地点ですね。

  • 前半は読んでいて登場人物のいろいろな部分に苛々させられたけれど、後半、吹っ切っていろいろなモヤモヤたちを一気に片づけていく様はすっきり。飛鳥井さんの書く恋愛はちょっぴりビターで学ぶことが多いなあ、って。

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著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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