アシンメトリー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944729

作品紹介・あらすじ

結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に魅かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった…。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ。

感想・レビュー・書評

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  • 友だちを嫌いって思って意地悪な気持ちで、意地悪な笑顔で、嬉しいとかありがとうとかいう場面が、とてもリアルだった。
    そして、自分の常識がガラガラに崩れることが起きて、お互いに意地悪をしたということを認め合って、また心を通わせていく女同士の関係がとてもいいなと思った。

  • 秋本朋美
    二十四の時から母親と二人暮らし。父親が会社の部下と付き合っていて、彼女が妊娠し、責任を取って結婚するために母親と離婚した。母親と東京に引っ越す。派遣会社に登録し、アパレル系の商社で働く。

    辻紗雪
    インテリアコーディネーターの資格を取って、インテリアと雑貨の店で働いている。朋美の一つ年上。東京生まれの東京育ち。

    藤原治樹
    カフェバーの雇われ店長。紗雪の結婚相手。紗雪とは中学校と高校が一緒で一つ年上。

    夏川貴人
    紗雪と治樹の後輩。複写機や複合機のリース会社の営業。

    麻美
    朋美の地元の友達。細身で派手顔の美人で、朋美のような地味な朝タイプをバガにしていた代表格の子。

    松田
    朋美が入社したときに仕事を教えてくれたベテラン社員のおばさん。

    文也
    治樹が働くカフェバーのオーナー。バイセクシャル同士の夫婦。

    尚子
    文也の奥さん。バイセクシャル同士の夫婦。

    小春
    紗雪の二つ年下の妹。

    タカハラ
    朋美の母と結婚を前提に付き合ってる。

    祐輔
    治樹が調理師の専門学校に通っていた頃の同級生。

  • 一人を筆頭に登場人物全体が中盤でうざったい方向へ流れてしまって苦痛だった。セクシャルマイノリティがセクシャルマイノリティにしか受け入れられないなんて、傷の舐めあいに逃げ込んでる弱者以外の何物でもない。マジョリティを伝家の宝刀のように振りかざすほうがさらに嫌だけど。

  • セクシャルマイノリティの人、そしてどちらかというと古風な考えと思われる人、スピリチュアルに傾倒しつつある人、それぞれにキャラが濃いけれど、少し取り繕っている時よりも、全てを曝け出してからのほうが関わりが素敵だと思った。

  • 四人とも拗らせている。
    朋美の本人無自覚な上から目線(そのくせ常に【自分なんて】、と卑屈だし)と親の離婚に関する悲劇のヒロイン気分にイライラ。
    貴人は一番危ない人。
    ヒーリングとか、パワースポットとか、自分が信じるのは勝手だけど、それで人に色々意見するのは違うでしょ。
    プロポーズはダメになっちゃったけど、これがきっかけで朋美はいい意味で変われたよね。
    治樹も優しいようで、元彼と浮気したわけだし、最低だわ。
    紗雪は紗雪で、強くて割り切っているように見せているけど神経質。

  • 最後の【解説】にもあったように、恋愛小説ではあるがキュンキュンは全くしない。
    それぞれの恋愛観が違いすぎて、食い違いにドキドキハラハラする。
    自分の恋愛観と同じ恋愛観を持つ登場人物に共感したり、逆に理解し難い恋愛観を持った登場人物にイライラしたりもするが、読み終える頃には考え方や見方が変わっていたりする。

    現代らしい恋愛の難点をまとめたような小説であり、少し難しいかと思いきや読み応えは抜群。


  • 一人一人の内面描写が丁寧で、優しく寄り添ってくれる。
    普通 ってなんだろう。

    個性を尊重する世の中ではあるが、人と違うということにどこが抵抗がある。
    普通でありたいけど、個性も出したい。
    そんなジレンマがふとよぎった。

  • ラストまでぐっと読ませる展開が魅力。男女4人のバックグランドもしっかり掘り下げてくれて、モヤモヤ感が無い。登場人物一人一人に対する作者の優しさが伝わり、読んで良かったなと思える作品。

  •  著者2作目だが、飛鳥井さん作家読みしようかな。先が気になり、なかなか読むのを止められなかった。主要登場人物全員がリアルで、単なる良い人・嫌な人というカテゴリ分類ではなく、それぞれの良い部分・悪い部分が入り交じり、最終的には4人とも憎めない存在になっている。テーマはLGBTQです、と前面に主張するのでもなく、さらっと取り入れているところもスマート。
     大人になると仲がこじれると言いたいことを言わず、そのまま疎遠になることが多いけれど、朋美と紗雪はちゃんと向き合って仲直りしていて微笑ましく、羨ましかった。

  • どきどきザワザワしながら一気に読んだ やっぱり一周まわって好きな人と結婚したいな

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著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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