霧の塔の殺人 (角川文庫 お 60-3)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944736

作品紹介・あらすじ

岩手県・雲上峠のベンチに生首が置かれていた。被害者は年商総額三十億にのぼる会社の経営者、地元の名士を残忍なやり方で殺害したのは誰か。次の殺害予告は県選出の国会議員に及ぶ劇場型殺人へと発展する!

感想・レビュー・書評

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  • あらすじ
     岩手県太平洋岸、小さな村小金牛村の端にある雲上峠。首を切断された死体が見つかった。被害者は町の有力者。しかし、最近漁業組合から閉め出されたともいう。容疑者は漁業組合のものかと疑われたが、第2の殺人が起こる。村では、仕事を休んで帰ってきている女性に本家の息子がストーカをしている。息子は長年引きこもりだったが、とうとう両親を猟銃で殺害、国会議員に脅迫状を送りつけ、爆弾の用意もしているらしい。

     つかみどころのない作品だったなー。藤田刑事シリーズだけど、藤田刑事が一番目立っていたわけでもない。新聞記者の一方井も結構働いていたし。村での猟奇殺人、ストーカー、両親殺害、爆弾予告、政治家も絡んでいるかも?と、幅広かった。昔風の村サスペンスと見えて、現代社会のいろいろな面を映していた。

  • 「不利と思わず、弱者と思わず、ましてや虐げられていると思わず、まず今できることをやる。それしかないからね。そのうちできることも見えてくる。遠回りしてもその先に目指すものがあるって信じるのは、大切なことだと思わないか?一方井くんも、いつかどうしようもなくへこんだ時、希望は捨てるなよ。糸一本でも繋げておけ。そして夢ではなく、目標を持つんだ。」

    面白いな〜。「村」ものはやっぱ面白いな〜。

  • 240306

  • 前作に続き、地方が抱える問題に追いつめられてゆく人の姿に苦しくなる。一方井さんの軽さが救い。
    今作は怪談弱めで、藤田警部補の暴走上司や成一の神出鬼没ぶりなど現実に生きてる人間の方が恐ろしかった。

  • 入り組んでたけど、きちんと解決されててさっぱりしました。一方井さん可愛いな(笑)。一ページあたりの文字数が多くて読み応えがありました。

  • ネタバレにならないように簡単に。
    序盤から中盤は物語の視点が登場人物次々と変わってめまぐるしく感じるが、終息に向かって?いくと一気呵成に読み進めてしまう、構成力と筆力を感じる。さすが横溝正史賞受賞者作品だ。

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著者プロフィール

1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。他の著作に『死墓島の殺人』『共謀』『存在しなかった男』『奇妙な遺産 村主准教授のミステリアスな講座』などがある。

「2016年 『梟首の遺宝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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