化身 (角川ホラー文庫 み 4-1)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043944767
作品紹介・あらすじ
日常に厭きた男が南の島へ旅に出た。密林へ入った彼は池に落ち、出られなくなってしまう。必死で生き延びようとして……緻密な構成と丹精な文章で幻想的な世界を紡ぐ第16回日本ホラー小説大賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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懐かしい出た時に読んだ記憶がある。
ファンタジックな短編集。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本ホラー小説大賞の受賞作を含む、三篇からなる作品集です。
表題作は異色ホラー。池に落ちた主人公が死の恐怖と闘いながら生き延びるために変身、いや変態していくというもの。
あり得ない設定はホラーよりファンタジー色が強いが、美しい世界観にひきこまれ、どっぷりと浸りました。個人的には「雷魚」が一番好きかな。
子供らしさの残る“少年”は、不思議なモノと相性がいいですよね。忘れられない夏休み、ひと夏の不思議な経験、こういう話、結構好きだな。 -
第16回日本ホラー小説大賞受賞、3篇の小説すべてに共通するが、怖いというよりも不思議なお話しである。『幸せという名のインコ』のラストにはぞっとさせられた。都市伝説風な小説である。
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面白かったー。かなり自分好みな作品。
「化身」「雷魚」「幸せという名のインコ」3作品の短篇集。
特に「化身」はイメージしていた意味合いが異なっていて、それが新鮮に楽しめた。
あと「幸せという名のインコ」、ある一言でゾクッーーーーってして、かなり衝撃的な作品だった。
自分とはすごく相性のいい作品で久々に楽しめたかな。 -
池に落ちた人間の進化なんて、誰も経験しない。なのに、生々しいって感じる。さすがホラー大賞。
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第16回日本ホラー小説大賞大賞受賞作『化身』!その他に『雷魚』『幸せという名のインコ』収録!『化身』が面白かった!個人的には『雷魚』は微妙だった!『幸せという名のインコ』は後半ゾクッとする感じが良かった!全体的に面白い本!
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自分が化身していく過程が、どちらかと言えば平坦なリアリティとともに語られる表題作を読んでも筆力はあると思うが、不条理こそ恐怖と信じているので、理に落ちて終わるこの3話の中篇からホラー臭は全く感じない。
ホラー小説大賞受賞作なのだが、選考委員の選出の尺度が知りたいと思う一冊。 -
表題作の「化身」はなかなかの傑作だと思う。
セリフを一切使わずに、淡々と、冷静に分析しつつ進んで行く物語に、
ホラーとは違う、一種のドキュメンタリー的な要素があって引き込まれた。
ただ、他の2作は正直なところ微妙。
表題が秀作すぎたためか、
後の2作の肩すかし感が・・・。
表題作だけなら五つ星だった。