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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784043944811
作品紹介・あらすじ
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きりこは「ぶす」な女の子。小学校の体育館裏で、人の言葉がわかる、とても賢い黒猫をひろった。美しいってどういうこと? 生きるってつらいこと? きりこがみつけた世の中でいちばん大切なこと。
感想・レビュー・書評
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なんか好みの作品ではなかったかな…
でも共感持てたのが…自分は動物好きなんですが今はインコやハムスター…メダカ 。以前は2匹猫がいました(21年生きた)
自分のペットを溺愛し、こねくり回してるが…ふと…【動物、同種同士で見たら家の子実は不細工だったりして…】と何回か考えてました。
見た目ねぇ…もちろん人間は最初の情報は視覚になると思うので「見た目は関係ありません」とは言えないですが
他人の容姿をとやかく言う権利は誰にもないし
見た目、性格、価値観、信用性、ずっと一緒にいられるか…など
トータルで合う人と一緒になれば良いだけ…どれかに片寄ったらダメだと思う
自分は男ですが、性的な物は潔癖で、硬派なわけでなく
だらしないのは嫌…
【女房で我慢!女房も我慢】のWin-Winな感じで…なんか最低と最高な間な感じが…(冷静と情熱の間みたいになってんな…)
とりあえず自分は折角人間だから
自分の体を遺伝子の乗り物にしたくないので
そこはしっかりしてる!!
してるはず!!
してるつもり!!
あるいは…
※だから結局俺が何が言いたいかって言うと…
【今朝出勤中に公園の桜の下にポツンと段ボールが…猫か?子猫か?しょうがないなぁ…認知してやるか…とハザードつけて覗きに行ったら……中身は「花より男子全巻」入ってて…なんでだよ!!ってなったよ】って事!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私はぶすが嫌いだ。なぜかと言うと、自分が小学生の頃デブスと揶揄われていたからだ。そこから死ぬ物狂いで努力した私は可愛くなった。そして、ぶすのまま努力もせずに生きているぶすを嫌いになった。
そんな泥水で固められたような私の心に、美しい天然水がさーっと入り込んできた。それがわたしのこの作品を読んだ感想だ。
私は最近悩んでいた。外見に努力してきたにも関わらず、急激に激太りした挙句に年齢を重ねて今まで好きだった服が似合わなくなってきたからだ。なんだ、私ってちっとも中身と向き合ってないやないの!入れ物ばかりに気を取られて27年生きてきてしまった。私は、私だ。
もっと自分を愛し大切にしてあげたい。もっと周りの人間の中身を知りたい。
私の心の中に、きりこはいる。
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「きりこは、ぶすである。」
冒頭からいきなりこのぎょっとする一文
頭をガツンとやられたようで気がついたら物語のなか。
コメディなのかと思いきや中盤からは大真面目
猫ときりこの視点で語られるところとか、どこか『吾輩は猫である』を彷彿させるような設定も面白い!
表紙の猫がブサカワで何とも愛嬌のある顔なのも好きだ。(文庫版)
前半はきりこがいかにぶすであるかの力説。
しかもぶすの字が太字のフォントでぶすを強調している。
だけど独特の文章表現なので全く嫌な感じはしないのが不思議。
思わず声に出して笑ってしまうほど。
猫目線や表現、描写がホント何もかも面白い。
また猫の名前が昔のエジプトの王様というのも笑える。
ただ、きりこは、両親の溺愛のせいで自分が「とんでもないぶす」ということが分かっていない。むしろ自分が凄いかわいいと思っているところが痛ましさが増してかわいそうになってくる。
中盤からはきりこが自分は世間で言う「ぶす」である事に気付いてしまう。
小中高生の時に人は見た目じゃないよ、中身だよといっても無理だよね。
テレビや雑誌を見ても周りは美男美女だらけだし、学校でもかわいい子はちやほやされたり、扱いが違うからどうしても意識してしまうのはしょうがない。
誰だって可愛く、カッコいいほうがいいに決まっている。
いつの時代になってもルッキズム(外見至上主義)の問題って難しいテーマ。
いじめにも繋がったりと大きな社会問題でもあると思う。
きりこが一日中、鏡を見ている姿、かわいそうでかわいそうでみてられない。
大丈夫だよと肩を叩いてあげたくなる。
そう、中盤はきりこが自分自身と向き合う時間
後半はきりこが、ぶすの呪縛から解放され立ち直っていく。
「自分のしたいことを、かなえてあげるんは、自分しかおらん。」
人は外見じゃない、誰かの真似をしたり、他人の目は気にせず自分は自分のままでいいんだ、自分の生き方、大切さを教えてくれるそんな一冊です。
「世界は肉球より丸い。」そんな世界になってほしい!
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H29.7.2 読了。
・「きりこはブスである。」で始まるこの作品。とても楽しく読ませてもらいました。
・「うちは容れ物も、中身も込みで、うち、なんやな。」「今まで、うちが経験してきたうちの人生すべてで、うち、なんやな。」は、きりこが言った名言ですね。人生を達観した人のセリフですね。 -
いやあ面白かった
自己肯定感がしっかり育ったきりこが良い。
ちせちゃんもかっこいい。
昨今話題の、性的同意とかルッキズムといった概念が語られているように感じた。
そんなに堅苦しくなくて、わーっと、読み切ってしまった。
そのひとはそのひとのまま、自分が心地良いようにするのは自分、それで良いのに。
なんだか生きづらい感じがあったが、そういうの要らないなあと思わせてくれた。 -
自分がブスだと気づかずに育った女の子は?
ユニークで面白い。
きりこはぶすである、と断言されて始まる話。
見た目もけっこう良い両親に愛情たっぷりに、「かわいい、かわいい」と言われて育ったため、自信満々。
まわりの子供もその自信に引きずられ、何となく納得?きりこ中心で遊んでいたという。
「子供というのは11歳ぐらいまでキョトンとしている」というのが面白い。
ちょっと素敵な男の子こうた君に告白して見事に振られ、初めて、「ぶす」と言われたきりこ。
どういうのがブスなのかもよくわからなかったのだが‥
ひきこもりになってしまう。
きりこが幼い時に拾った賢い黒猫ラムセス2世は、きりこの味方。
しだいに人の言葉が話せるようにまでなるのでした。
もともと猫は長く生きていて、知能指数が人間より遥かに高いという。
猫達にとっては、きりこの外見もうっとりするほど魅力的だったりと、不思議で楽しい展開。
クラスメートがそれぞれに成長していく中、きりこも外見の意味を少しずつ理解していく、その過程もまた、印象に残りました。
派手な中学生だったちせちゃんがさらに経験豊富になっていったある日、事件が。
それと察したきりこが駆け付けます。
もとからパワフルなきりこは、ひきこもりと猫との暮らしで、勘が鋭くなっていた?
ちせちゃんが男性に不本意な目に遭わされたことを訴えに行ったところ、相談所でも女性から思わぬ偏見を向けられてしまう。
‥う~ん、あるかもしれないねえ。
若い女の子と猫達のたくましいネットワークに、元気が出ます。
鋭い指摘もたびたびで、ニヤッとさせられたり。
‥偏見は、自分にもまったくないわけではないな、とちょっとドキッとしたりもしますが。
生きが良くて、ぐいぐい読まされました。
面白かった! -
個性的な出だしで始まるけれども、最後に明かされる、実は・・・もなるほど、そうきたか、という展開。
人生、容れ物に入って始まり、その中で終えるわけだけれども、容れ物に左右されるところも多い。容れ物って何だろう、と改めて考えさせられます。綺麗って? 不公平って? 一目ぼれっていうのもあるし。
中身が容れ物に影響を与えているところもありますよね。
でも、そんなことをいいたい本ではなかったかな?
よくわからなくなってきました。 -
西加奈子さんの「きりこについて」読了。
ちょっと前に、西加奈子さんの「くもをさがす」というエッセイ闘病記を読んで面白かったので、ちゃんと作品を読んでみようと思っていたところ、知り合いから「きりこについて」が面白かったよ、という情報をいただきまして、読むことにしました。
「きりこはぶすである」(「ぶす」は太字!)
から始まる不思議な小説。主人公である「きりこ」が飼っている猫(ラムセス2世)が執筆したという設定の物語。「体は容れ物に過ぎない」んだから、みんな思うように生きたらいいんだよ、というのが主題? それにしても、なんだか、ちょっと現実ばなれした、不思議な魅力のある話でした。
ってか、エッセイとおんなじ勢いで書かれている「小説」に、なんだかびっくりしました。登場人物たちはみんな関西弁で喋っていて、え?そんな設定?と最初は思うことがたくさん出てくるのに、読んでいるうちに、それが「当たり前」のことに思えてくる自信満々の流れに、主人公「きりこ」と同じ勢いを感じました。西加奈子さんという人は、「きりこ」と同じオーラを纏っているのかもしれない。
いやー、すごい。
がぜん、西加奈子さんという作家に興味が湧いてきました。
他の本も読んでみよう。 -
確かに「容れ物」としてのきりこは、ぶすなのかも知れない。
それでも、圧倒的に羨ましい。
きりこが持っているものすべてが羨ましい。
自分への肯定。
「容れ物」「中身」への理解。
「ただそこにいること」ができていること。
パァパ、マァマからの絶対的な愛情。
そして何より、ラムセス2世と出会えたこと。
西加奈子さん、人間のことも深く読ませてもらえますが
ラムセス2世という猫を通じて
猫の世界のことも突っこんで感じることができました。
猫って、やっぱり私の先生なんだわ!!
自己否定がより強く出てしまった時に、
再読しようと思う一冊です。
人間って愚かですね。
最後に出てくる、動物が出てくることわざ。
あれは圧倒的に人は他の動物に負けていると
わかっていて、あえて負け惜しみで作ったとしか
私には思えません。
私の相棒猫も先生として
どこからか派遣されたのかもしれませんね。
寝てばかりいますが、起きているときに
これからもせっせと教えてもらうとしましょう。
きりこが好きであったように、
私も相棒猫のぐるぐるぐるという
世界一好きな音に酔いしれながら…。-
こんばんは~!杜のうさこです。
いつもはなまるありがとうございます!
『きりこについて』なにぬねのんさんのレビューに感動して読んだのです...こんばんは~!杜のうさこです。
いつもはなまるありがとうございます!
『きりこについて』なにぬねのんさんのレビューに感動して読んだのですが、最高に良かったです。実は西加奈子さんは2作品、途中下車したことがあって相性が良くないって思い込んでいました。なにぬねのんさんのおかげでこの本を読むことができて、本当にうれしいです。ありがとうございました。
ラムセス2世が、きりこの口のなかを見ながら目をらんらんと輝かせている表情とか、幸せの音ぐるぐるぐるとかね、たまらなく懐かしくて愛おしかったです。
なにぬねのんさんの”猫は先生”ってよくわかります。猫ちゃんの我慢強さだけをとってみても、すぐ弱音を吐いてしまう自分を情けなく思うことしばしば。
大切なことをたくさん教えていってくれた子達に恥ずかしくない生き方をしなくちゃ!って思ってます。
猫ちゃんのことになるとつい理性を失ってしまう猫おばかの私ですがこれからもよろしくおねがいしますね♪2015/04/25 -
杜のうさこさん、こんばんは。
またまたコメント有難うございます!!
(はなまるもありがとうございます。)
それも、こんな拙い私のレ...杜のうさこさん、こんばんは。
またまたコメント有難うございます!!
(はなまるもありがとうございます。)
それも、こんな拙い私のレビューで、この本を読んでくださったなんて☆
こんなに嬉しいことはありません。有難うございます。
『きりこについて』いい話ですよね。
全てを受け入れ、ただそこにいること。
死ぬまで生きるということ。
猫たちはいともたやすくやってのけているのに、
私は愚かで、まだまだヒントも掴めません。
先日西さんが直木賞を受賞した『サラバ!』を読みました。
『きりこについて』を進化させたような内容で、とってもおススメです。
猫はあまり出てこないのですが…
よかったら手に取ってみてください。
西加奈子さん、前世は猫だったのかもしれませんよね。感性が猫そのものの気がします。2015/04/26
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現代社会の課題
自分の気持ち自分の身体に正直に生きるヒントが書かれているようなお話。
猫が語っていく
考えさせられる…
著者プロフィール
西加奈子の作品





