百姓の力 江戸時代から見える日本 (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2015年12月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784044000035

作品紹介・あらすじ

江戸時代、社会の基盤をなした村とはどんな世界であり、人々はそこでどのように暮らしていたのか。「割地」や「無年季的質地請戻し」など、土地や山野の所有をめぐる独特な慣行を重視しながら、小農・豪農・村・地域社会に焦点をあて、その歴史や役割を平易に解説。年貢と搾取に耐える弱者のイメージを覆し、自立した豊かで逞しい百姓たちの姿を紹介する。私たちの祖先や故郷へとつながる「本当の歴史」が見えてくる!

みんなの感想まとめ

江戸時代の村の生活や百姓の実態を深く掘り下げた本書は、難解な概念を明快に解説し、読者に新たな視点を提供します。百姓の本質や家族の役割、土地の利用方法についての考察は、現代との対比を通じて特に興味深く描...

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代の村のあり様、百姓と庄屋と領主の関係、土地の所有に関する概念、共同体として人と村の関わりなど、かなり難しそうな概念が、とても明快に書かれてあり、わかりやすかった。

  • 2022.12.某日
    百姓とは何なのか。
    昔からよく聞く言葉だけど、その本質は何なのか知りたくて読了。

    印象に残ったこと
    ・現代の家族は生活の単位であり、生産の単位ではない。これに対して江戸時代の家は、共同で生業を営む生産の単位だった。家名、家業、家産が、ワンセット。
    家名とは、家に代々伝わる名乗り。子供は時がくれば親の名前を襲名するのは、家名を継承していくから。
    ・「土地利用の高度化」という言葉が出てきたが、ここでは「二毛作や輪作などの生産量を増やす農業的工夫」のことを指していて面白い。現代の都市計画での土地の高度利用との違いが新鮮だ。

  • 時代物を読んでいても武士か町人、商人ものが多く、登場しない農民の暮らしがどのようなものだったのか興味があり手に取りました。
    徴税はどのように行うのか、入会地のような土地の管理等々と知らないことが多く勉強になりました。
    他地域から医師や寺子屋の師を招聘したり、俳諧をたしなんだりと文化的な姿にも驚きました。

    実例として挙げられる村の多くが江戸近郊の村だったのですが土地の痩せた東北地方等ではどのような暮らしやシステムだったのだろうかと考えてしまいました。

  • 江戸の農村について初めて読んだ本。

    江戸の村は想像以上に仕組みが複雑で文化的だったようだ。
    土地所有という観点からみる共同体の仕組みは現代と違っていて興味深かった。
    一方で日本の地方に根強く残る地域性や性質みたいなものは江戸時代に形作られ、現代に続くいているのだろう。

  • <目次>
    第1章  江戸時代の村と現代社会
    第2章  なぜ村に古文書が大量に残されたのか
    第3章  村はどのように生まれたのか
    第4章  土地は誰のものだったのか
    第5章  山野は誰のものだったのか
    第6章  年貢はどのように取られたのか
    第7章  村落共同体とは何か
    第8章  領主は村とどのように関わったのか
    第9章  村と村はどのように結び合ったのか
    第10章  村人の世界はどのように広がっていったのか
    第11章  村はどのように変わっていったのか
    おわりに  近代への展望

    <内容>
    江戸時代の農民及び村落についての基本書になるだろう。教科書で無味乾燥に書かれている村のシステムや税制などを具体的な紹介を含めて説いてくれる。

  • 近年、図書館や地域の民俗資料館・博物館を中心に各地の地方文書を読むグループがふえています。私自身も河内国讃良郡の地方文書の翻刻に取り組んでいる。
    そうした翻刻作業の基礎知識として江戸時代の農村の成り立ちがよく判る書籍です。
    また、著者自身が取り組まれている村落の状況が描かれているので、自分がfieldとしてる村落との違い、共通点が判って面白い。
    同好の士にはお勧めの一冊。

  • 中世から近世にかけて百姓を視座に歴史を考える。元はフィールドワーカーに向けた指南書のようだが、農本主義の下での百姓の生活が伺い知れて興味深い。「百姓」については網野善彦氏の著書で農民だけを指す言葉ではないことは既知だが、本書を読むと農民が兼業として非農業生産に携わりながらも農業を捨てない者が大半であることが分かり、言葉の由来と現状が理解できるような思いだ。農地の所有権に限っては、明治の登記法施行によって改悪されたように感じる。

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著者プロフィール

1957年生まれ、東京都出身。東京大学大学院博士課程単位取得退学、博士(文学)。一橋大学名誉教授、松戸市立博物館長。専門は日本近世村落史。著書に『近世の村と百姓』(勉誠出版、2021年)、『川と海からみた近世』(塙書房、2022年)、『藩地域論の可能性 信濃国松代藩地域の研究Ⅶ』(岩田書院、2023年)など。

「2023年 『金原明善 日本の〈偉人〉を捉えなおす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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