アメリカの鏡・日本 完全版 (角川ソフィア文庫)

制作 : 伊藤 延司 
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 77
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044000042

作品紹介・あらすじ

GHQ労働諮問委員会の一員として来日したミアーズ。中立な立場で日本を研究してきた彼女にとって、「軍事大国日本」は西欧列強が自ら作り上げた誇張であった。ペリーによる開国を境に平和主義であった日本がどう変化し、戦争への道を突き進んだのか。日本を西欧文明の鏡と捉え、満州事変を軸に中国・韓国との関係を分析しながら、アメリカが変えんとするその未来に警笛を鳴らす。マッカーサーが邦訳を禁じた日本論の名著。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史の評価には慎重でなければならない。日本が無謀な戦争に踏み込んだのは確かではあるが、あらゆる面からみて悪であったのか?アメリカはあらゆる面で正しかったのか?そして、そこから我々がくみ取るべきものは何か?戦前の日本には受け継ぐべきものは何もないのか?改めて考え直す必要があるだろう。

  • きっとたまに読み返すだろうな。
    敗戦国日本は口をつぐむしかないし、日本人は後から何か言うことを言い訳と考えるから。。。
    公平なアメリカ人がいたんですね。

  • マッカーサーがこの本の日本語での出版を禁じたという説明文に惹かれて手にとった。

    日本と欧米列強、アジア情勢との複雑な相互関係を、ペリー来日以来から第二次世界大戦の敗戦、占領までひとつの流れとして分析したというのがとてもすばらしい。

    日本が不平等条約で西洋列強の半植民地にされてから、必死に西洋に学び西洋式軍事大国を作り上げてきて、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦と順調に「教育課程」を修了し、「大人」の仲間入りをした、という著者の比喩がツボにはいった。

    (ちなみに日本が他のアジア諸国の直接の「植民地」にされなかったのは、日本があまりにも小さすぎて大国が満足行くように分割できなかったから、あとたぶん資源もないから、というのが運がよかったのか悪かったのかわからない話。)

    第一次世界大戦時、日本は戦争を初める前から兵力物資すべての点において負けていた。

    日本は1945年3月辺りから降伏をしようとソ連に打診したりしていたのに、それを無視したあげく、ポルダム宣言から11日しか待たないで原爆を投下したのは、すでにズタボロの日本に対してではなく、ソ連の参戦の前に降伏を急がせようとしてのことだった。(でもソ連はギリギリで参戦して北方領土持ってった)

    のあたりは知らなかったので興味深かった。

    日本の終戦間際、占領時の様子が統計的な数字で淡々と説明されているのだが、感傷が混じらず数字だけで見ても日本の様子があまりにも悲惨で、涙目になりそうだった。

    中国、韓国、東南アジア、すべてのアジア地域は西洋列強の都合で搾取され、戦争の舞台にされ、蹂躙されつづけてきたのだなというのが印象に残った。そして日本も西洋列強に翻弄され、政治的に利用され、最後にボロボロにされたので、日本だけが植民地にならなかったとかは実際にはあんまり関係ないなと思った。

    日本を欧米の都合で軍事大国にしておいて、都合が悪くなったら力で完膚なきまでにぶっ潰すというのでは、アメリカに正義はないというのが著者の主張で、これをアメリカ人である著者が1948年に書いたというのがすごい。

  • 私は打ちのめされた。アメリカに敗れた真の理由を忽然と悟った。アメリカにはミアーズがいたが、日本にミアーズはいなかった。近代以降の日本は「アメリカの鏡」であった。遅れて帝国主義の列に連なった日本は帝国主義の甘い汁を吸う前に叩き落とされた。本書を超える書籍が日本人の手によって書かれない限り、戦後レジームからの脱却は困難であろう。
    http://sessendo.blogspot.jp/2016/09/blog-post_7.html

  • 著者のヘレンミアーズと言う人は何と聡明な人だろう。アメリカ人にしてここまで正確、かつ客観的に近現代日本史を理解し、極めて高いバランス感覚を持っている。稀有の存在だと思う。
    題名にある『鏡』の意味は訳者あとがきに書かれてある通りだが、もう一つの意味を読み取ることもできる。つまり戦前の日本為政者の考え方は、当の日本人にはそれぞれの主義・思想のフィルターがかかって却って真実が見えにくいものだが、客観的視点を持つ外国人研究者の目に反映させることによって、当時の国際情勢を踏まえた正確な、色のつかない事実を見ることが可能になる。『鏡』がなければ自分の正確な姿は決して見えないのだ。
    この本は全ての日本人必読の書であるが、何とも皮肉なことは、この手の本を読もうとする人は読む必要のない人たちであり、本当に読むべき人は決して手に取ることがないことである。誰かマンガかドラマにでもしてくれないだろうか。

  • P195

  • これはともかく日本人必読と言っておく

  • 原題:Mirror for Americans: JAPAN (Houghton, Mifflin 1948)
    著者:Helen Mears(1900-1989)

    日本では何度か翻訳書が刊行されては絶版になっているようだ。


    【簡易目次】
    第一章 爆撃機から見たアメリカの政策
    第二章 懲罰と拘束
    第三章 世界的脅威の正体
    第四章 伝統的侵略性
    第五章 改革と再教育
    第六章 最初の教科 「合法的に行動すること」
    第七章 鵞鳥のソース
    第八章 第五の自由
    第九章 誰のための共栄圏か
    第十章 教育者たちの資質

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