痴人の愛 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044000783

作品紹介・あらすじ

「つまりナオミは天地の間に充満して、私を取り巻き、私を苦しめ、私の呻きを聞きながら、それを笑って眺めている悪霊のようなものでした」 独り者の会
社員、譲治は日本人離れした美少女ナオミに惚れ込み、立派な女に仕立てやりたいと同居を申し出る。我儘を許され性的に奔放な娘へ変貌するナオミに失望しながら、その魔性に溺れて人生を捧げる譲治の、狂おしい愛の記録。谷崎の耽美主義が発揮された代表作。解説・島田雅彦

感想・レビュー・書評

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  • 嗚呼、変態

  • 田舎から東京に出てきた譲治は、ウエイトレスとして働いていた十五のナオミを家に引き取ることを決める。彼女に教育を施して自分好みの立派な女性に仕立て上げるーそんな想いを持ちながら、会社では「君子」と呼ばれ、稼ぎもあった譲治。確かにナオミよりも立場が上のはずだったのだが、ダンスに興じたり男たちと派手な遊びを続けたり、ついにはナオミの浮気がバレて一度は別れることになった二人だったが、ナオミは女としての美しさを武器、その妖艶な肉体を出し惜しみすることで譲治を翻弄し、ついに譲治は己の欲望に負けて、ナオミの自由な生活を保障するという約束をさせられたまま、また夫婦生活を再会させることになる。この間、母を亡くし、田舎から大金も工面して、辞職して同窓生と会社を起こすことになった譲治だが、それでも尚、ナオミに貢ぐ人生を選択する。浜田や熊谷といった日本人ではもはやなく、西洋の男たちと奔放に遊ぶようになったナオミは、皮肉にも最後には譲治よりも遙かに流暢に英語を話すようになる。
    関係が破綻していることは分かっているのに、でもその関係に固執する。理性ではない。男の下半身ゆえである。あるいは今後、今以上の女を得ることができないことが分かった上でのそれを失うことへの恐怖である。自分の出身、容姿、性格、それを自分で分かっていて、なんなら女はそれを自分以上に見抜いていて、だからこそ逆に男を利用する。第三者的な目線で見れば、馬鹿な男とずる賢い女の物語にすぎないかもしれない。でも人間は理性だけでは生きられず、肉欲で人生を破滅させてしまう。いやしかし、破滅というのもあくまで第三者的な立場からの評価であり、当の本人は幸せだったりするものだ。

  • なんでこの文スト表紙しかないんだ(笑)

    にしても好きすぎる。こういう狂気的な愛は狂おしいほど好き。ナオミちゃん(良い人かどうかは別として)魅力的。

  • 優しい人はいてもいなくてもいいらしい。
    ナオミのような女になりたい。
    美しく、奔放で、可愛らしく、我儘で、愛おしく、傲慢で、他人を惹き付けて止まない、離れたくても決して離れられない、そんな唯一の女になりたい。

  • 結局何を読まされているんだろう…
    本当に憧れる?ナオミ

    『失楽園』的な感じなのかな。

  • 「なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)」の中で主人公が紹介されていた。有名だけど読んでなかったなと思って図書館から借用。

  • ある意味で理想の関係性。

  • 中盤まで読んで、譲治もナオミも酷すぎてだいぶ読み進めるのが嫌になってきた。それなのに、気づいたらスルスルと最後まで読んでしまい、自分の中ですごい本だという評価に変わった。まさに、油絵の具を塗り込めるように描写が重なることによって、生々しく目の前に見えてくるようで、怖くて面白くて目が離せない。

  • ナオミには呆れたけれど面白かった。
    最後の方は譲治が可哀想になってくる。
    けれど譲治はナオミがいれば幸せなんだろうな。

    ナオミの言葉遣いの酷さが女として「無いな」と。
    ダンスに行き出した頃から、ナオミはもう何をしても譲治は自分を捨てられないと悟っていたんだと思う。

  • 遥か昔から女と男は実に面白い。

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著者プロフィール

1886年(明治19年)〜1965年(昭和40年)。東京・日本橋生まれ。明治末期から昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。主な作品に「刺青」「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」など、傑作を多く残している。

「2024年 『谷崎潤一郎② 春琴抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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