正徹物語 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫 A 317-1)

  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001100

作品紹介・あらすじ

正徹は室町時代で最高の評価を得た歌人で、一万首を超える厖大な和歌を遺した。藤原定家に心酔し、兼好を絶賛した慧眼の持ち主であり、『徒然草』現存最古の写本もその筆になる。晩年の聞き書き風の歌論書『正徹物語』は、自作の解説、歌人の逸話、幽玄や妖艶といった歌体の説明など多岐にわたり、実作者ならではの内容に魅了される。章段分けを見直し面目を一新した本文に、新見に富む脚注、現代語訳、解説、主要歌書解説、索引を付した決定版。

感想・レビュー・書評

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  • ・定家推しの歌論書。「春の夜の夢の浮橋とだえして嶺に別るるよこ雲の空」は、鎌倉後期には低評価だったのが現在は定家の代表作とされている、その高評価の源流が本書。
    ・理想とする歌は幽玄体、だが、具体的にどういうものか説明できないところが幽玄体のポイントらしい。評論の書きぶりからして、本人はかなり作り込んでひねった歌風なのかなと感じる。
    ・取り上げられる人物や文言など、校注で誤りを指摘されている箇所が結構ある。おいおい、と思う。しかしそれは丁寧に校注を添えて印刷された本を読める現代の自分だから見えることで、当時の人は文献の参照も検索もいまよりよほど困難だった訳だ。そう考えると凄い。昔の記憶力も、今の技術の進歩も。
    ・並行して読みかけていた「応仁の乱」と、リンクする組織名や家名がまれに出てくる。政治のごちゃごちゃした駆け引きと、歌詠みの世界が実は密接に繋がっているのだと実感。

  • ドナルド・キーン「百代の過客」から。

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