新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
- KADOKAWA/角川学芸出版 (2015年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044001186
感想・レビュー・書評
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「奥山に猫またといふものありて、人を食らふなる」という話がある。噂を恐れて臆病になり過ぎることを戒める話である。これは「夜更くるまで連歌して、ただひとり帰りける」時に起きた。このため、学生時代は夜遅くまで遊んで帰るから駄目であるという教訓話にも使われた。
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アバタロー氏
20230302 斎藤孝「使える徒然草」読了
1331年鎌倉時代の末期の不安定な時期に書かれた
日本三大随筆の一つ、枕草子、方丈記と並ぶ名作
「方丈記」の鴨長明が失意で筆を取ったことと違って、隠居生活で退屈しのぎに自分の思いや考え、自慢話や体験を自由に書いたもので非常に親しみやすい
テーマが仕事、死生観など幅広く243記事
著者の本名は卜部兼好うらべかねよし
吉田神社の神官の家に生まれ、宮中の役人を経て出家
旅をして小さな家に移り住んで暮らしたと言われている
《内容》
〇人生観、人生にとって大切な4つのこと
・時間の浪費をしてはいけない
食べ物、衣服、家が大事
医療の備えは忘れない、薬も大事に加える
4つ満たされているのならば十分豊かである
4つ以上のことを追求することは贅沢と考える
・名誉や欲望にとらわれ苦しみ続ける人生で本当によいのか
誰のために対して名誉を望む必要があるというのだ、役に立たない
〇死生観
・死期は心が整わないうちからやってくる
心にとめておかないと、人生の優先順位を間違えたり、日常の中にある小さな幸せを見落とす可能性がある -
Kindleのジャンプ機能で原文と現代語訳、補注を行ったり来たりしながらサクサク読み進められた。
初めて徒然草を読んでみたが、話題になっているジャンルは広い。仏道や無常感が多いのかと思いきや、鎌倉時代の人々の息遣いが聴こえるような生活の様、怪異、有職故実、生き様、恋愛など。中国の故実がかなり教養として引用されてたり、東国を小バカにしていたりと言った視点もなかなかに面白い。