保元物語 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

制作 : 日下 力 
  • KADOKAWA/角川学芸出版 (2015年9月24日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001216

作品紹介

鳥羽法皇の崩御をきっかけに起こる崇徳院と後白河天皇との皇位継承争い、藤原忠通・頼長の摂関家の対立、源氏・平家の権力争いを描く。原典本文、現代語訳、脚注、校訂注を付した保元物語の決定版!

保元物語 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2017年の読みおさめを、『保元物語』と『平治物語』にしようと思い立つ。
    どちらも日下力氏が訳注されていて、以前に二冊ほど読ませていただいていたので、ワクワク。

    とりあえず現代語訳のみを読み終えた感想。
    鳥羽院が崇徳天皇の後継者として、弟君である後白河天皇を立て、崇徳院(新院)の子が天皇とならなかったことを発端として、各々が武士を伴わせた乱に発展する。

    源為義パパの子沢山ぶり(最終的に男子66人を夢見るって、どんな……)にも関わらず、生まれた子のやらかし具合。
    六男為朝が強すぎる。色んな意味で。
    戦では一番の見どころです。
    この人が生き残ってたら、源氏の勢力図はきっと変わっていただろう。
    為義パパの位が剥奪されるくらいのやらかしぶりは、最後まで衰えず。鬼ヶ島、無理やり改名。
    しかし、『椿説弓張月』の為朝と同一人物とは思えない。。。

    それから後白河院もよっぽどだが、崇徳院もやはり同じ血筋、怨霊化怖すぎる。
    十善を積んだと言われど配流され、そのエネルギーを一気に悪に傾け注ぎ込む、凄まじさ……。

    清盛と義朝も、それぞれ「らしい」立ち位置。
    現代語訳、スルスル読めました。


    「保元の乱にこそ、親の首を切りける子もあれ、叔父が首切る甥もあれ、兄を流す弟(おとと)もあれ、思ひに身を投ぐる女性(にょしょう)もあれ、これこそ日本の不思議なりし事どもなり。」

  • 軍記物語を読みきったのはこれが初めて。保元の乱を扱う此書は上中下巻と分かれ、戦闘を描く中巻を挟んで、乱の背景たる崇徳院が怨恨の原因を記す上巻、戦後処理及び参戦者たちの帰趨を示す下巻とから成る。無論、筆の勢いは自ずから中巻に強い(とりわけ強弓為朝の英雄ぶり)が、親を斬り兄弟を斬る業の重さと綸言の重さとの狭間における懊悩、死なんずる人々の死に様などは心に響く。つぶさに書かれてはいないが、正清、波多野ら義朝の部下も魅力的。官軍賊軍いずれも人間である。清盛は詰まらぬ。脚注が親切で、愚管抄の引用は理解を助くべし。

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