細雪 下 (1) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2016年7月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784044001315

作品紹介・あらすじ

街に戦争の影がしのびよる中、三女・雪子に、ようやく御牧子爵の子息との結婚の話が持ち上がる。ほっと胸をなでおろした幸子だったが、そんな折に、奔放な四女・妙子の妊娠が判明するのだった。妙子の出産の予定日と雪子の婚礼の日が次第に迫り……。
戦時下、軍部の圧迫により発表禁止とされながらも、著者が書くことをやめなかった一大長編。


※カバーの絵柄は(株)かまわぬのてぬぐい柄を使用しています

みんなの感想まとめ

複雑な姉妹の絆と戦争の影が交錯する物語が描かれています。四姉妹それぞれの人生が、愛や怒り、身内贔屓といった普遍的な感情を通じて表現され、特に次女幸子と貞之助の仲睦まじい様子や、奔放な四女妙子、結婚が決...

感想・レビュー・書評

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  • 長い物語をここまで読んできて、まさかこんな終わり方になるとは思わなかった。
    でもそのおかげで、どこか心が少し軽くなった気もする。
    谷崎潤一郎という作家が、ますます好きになった。

    「元気になったら聴きたい」
    そう言っていた母の言葉が、ずっと耳に残っていて、『下』を聴き進めるのは本当に辛かった。

    それでも最後まで聴き終えて思ったのは、
    やっぱりこの物語は面白かったということ。

    「細雪は最後まで面白かったよ」
    母にそう伝えたかったな。
    Audibleにて。

  • あぁ読み終わっちゃった。次女幸子と貞之助の夫婦はその後も仲良しだったろうか?一番奔放だった四女妙子、どうにか結婚の決まった三女雪子、東京での生活に追われている長女鶴子‥戦争の影が忍び寄る中、その後の四姉妹の人生を見てみたかった。

    • kuma0504さん
      111108さん、こんばんは。
      連ドラみたいという感想に、全く食指が伸びなかったのに、読みたい気持ちがモクモク。

      「図書」8月号で斎藤真理...
      111108さん、こんばんは。
      連ドラみたいという感想に、全く食指が伸びなかったのに、読みたい気持ちがモクモク。

      「図書」8月号で斎藤真理子さんが、編み物しながら読む本の筆頭に上げていて、セーター30枚くらいは編んだだろう。と書いていました。日本語のブラッシュアップに最適なんだろうと理解しています。
      2022/08/10
    • 111108さん
      kuma0504さん、こんばんは。
      コメントありがとうございます♪

      「読みたい気持ちがモクモク」嬉しいです!
      私も全く食指が伸びなかったの...
      kuma0504さん、こんばんは。
      コメントありがとうございます♪

      「読みたい気持ちがモクモク」嬉しいです!
      私も全く食指が伸びなかったのですが、読友さんに背中を押してもらったらぐいぐい読んでしまいました。何というか‥話がどんどん派生し展開するので、読むのをやめるタイミングが難しかったです。

      kuma0504さんのレビューで、斎藤真理子さんの編み物しながら読むの所をみて、なんて器用な人かと驚いたんですけど、編み物が手元見てなくてもできるぐらい上手なら『細雪』みたいな物語はうってつけなのかもしれないですね。
      2022/08/10
  • 雪子のお見合いと妙子の恋愛関係を軸に、物語が展開されます。

    後半は四女の妙子に少し同情しました。
    家族から祝福されて子どもを産むのが幸せなのに、姉の雪子が未婚だったため、妹の妙子の妊娠は周囲に隠されます。家柄の良い妙子の結婚前の妊娠は、時代的に奔放すぎるのもわかりますが‥、出産後の出来事は悲し過ぎます。

    -------------------------------
    【本書から抜粋】
    「なまめかしいまでに美しい顔(妙子の赤子)を視詰めていると、板倉だの奥畑だのの恨みが憑いているようにも思えて、ぞっと寒気がして来るのであった。」
    -------------------------------

    三女の雪子のお見合い相手たちが個性的です。
    そのうちの1人、橋寺がハイスペック中年男性だが、あまり紳士的な人物ではありません。
    優柔不断な雪子の電話応対に対し、怒った橋寺。
    「因循姑息なお嬢さんは嫌いです。食事の誘いをしても『はい〜あのう〜』を繰り返すばかり。」と、雪子を紹介した丹生夫人に苦情を言います。
    この一件で、姉の幸子夫妻に迷惑をかけた雪子ですが、謝罪の一言もなく幸子は呆れます。
    (その後、雪子は別の家に嫁ぎますが、この性格では嫁ぎ先で苦労しそうだなと思いました。)

    仲が良さそうな四姉妹として描かれ、ドロドロした雰囲気がない不思議な作品でした。

    以下、備忘録です。
    ------------------------------------
    ◆雪子のお見合い相手①瀬越:
    瀬越の母親が遺伝するという精神病を患っているが、雪子たちに伝えずお見合いする。それを知った雪子から縁談を断る。

    ◆雪子のお見合い相手②野村:
    老け顔。妻と子どもは亡くなっている。雪子から縁談を断る。

    ◆雪子のお見合い相手③沢崎:
    辰雄(長女鶴子の夫)の姉と縁がある大垣在の豪農「菅野家」から沢崎を紹介される。
    早大卒、45歳。前妻が亡くなっており、子どもが2人。前妻は華族。沢崎家から縁談を断られる。

    ◆雪子のお見合い相手④素封家三枝(さいぐさ):
    「田舎紳士臭く、知的なところがない」と雪子から縁談を断る。お見合いから10数年後、たまたま電車内(弁天島あたり)で雪子と三枝は遭遇。三枝の無躾な視線で、雪子を不愉快にさせる。

    ◆雪子のお見合い相手⑤橋寺:
    前妻が亡くなっている。45歳で、娘が14歳(美人)。阪大卒の医学博士。東亜製薬の専務取締役。

    ◆雪子のお見合い相手⑥御牧:
    子爵家の庶子の45歳。学習院を出た後、東大に在学するが退学。パリで絵や料理を学ぶが長く続かず、海外を転々とする。新橋や赤坂で遊んでしまい、父からの財産が底をつく。色黒で禿げていているが、育ちの良さそうな顔。
    ------------------------------------

  • 姉妹間の
    仲は良いんだけど
    やるせない怒りとか
    でもやっぱり身内贔屓とか
    普遍的なビミョーな感情と
    これから戦争が
    ひどくなっていくんだな
    という匂わせ感

    最後が「えっ?」という
    感じであったけど
    それもまた暗示であったりして
    解釈はご自由にという
    遊び?(こだわり?)かなと読了

    ブックオフにて取り寄せ

  • すごい昔に読んだので詳細は覚えていませんが、雪や桜の花が舞ってキラキラ輝いているような小説だったことは覚えています

    I read it so long ago that I don’t remember the details, but I recall it was a novel as if snow and cherry blossoms danced and sparkled.

  • 凡そ1000ページにも及ぶ長編だが中下巻は何日かで読み通してしまった。2〜3ページに渡り段落が途切れないことさえもめずらしくないこの文章がなぜこうも読みやすいのか、『文章読本』を読んでみたい。特に、手紙における彼ら独特の持って回った物言いが、どういうわけか美しく感じる。

    上巻とは打って変わり中下巻では次から次へと様々な災難が薪岡家に降りかかる。自分としては上巻の雰囲気が好きだったが、戦争の影が濃くなってきているのが、作品に少なくない印象を付加しているように思え、それが薪岡家の趨勢にも重なる。

    かつての栄華はないにせよ浮世離れしているようにも見える薪岡家の人々にある種の共感を覚えるのは、こいさんこと妙子の存在が大きいのかもしれない。直截に言ってどうしようもない末っ子なのだが、妙子のいない薪岡家は、ただ鼻持ちならない旧家に過ぎないように思える。妙子がいてこそ、振り回される姉妹や貞之助の魅力を描けるのだろう。

    雪子が貞之助に返答を迫られた翌朝の次の叙述が妙に残る。

    「そして翌朝、ぐずぐずに納得はしてしまったものの、貞之助兄さんが一と晩で決心せえと云やはるよってに、と、またしても恨めしそうに云い、微塵も嬉しそうな顔などはせず、ましてこれまでに運んでくれた人の親切を感謝するような言葉などは、間違っても洩らすことではなかった。」(p.346)

    雪子、極まれりという一文だが、それでもどこか雪子への理解が伝わってくる。

    薪岡家をめぐる人々や大阪を中心とした情景が、時局にと共にありありと浮かぶ、名作である。

  • 先に読んでた上中巻と比べて、この下巻は格段に面白かったし、怒涛の展開で一気に読んだ。
    しかもここぞというタイミングで、物語が大きく動く出来事を差し込んでくるあたりはさすが谷崎という感じ。絶妙のタイミングだし、安心しきってたところにだ感想もあるだろうし、人によっては今までの流れからやっぱり!って思う人もいるはず。いずれにせよ、谷崎は物語を動かし読者を引き込む天才!
    毎回本当に雪子がかわいそう。幸子も貞之助も優しすぎるゆえにお気の毒。でも妙子の奔放さも嫌いではない。
    登場人物全てに好感が持てるのが救い。
    そして下巻は完全にホラー化、そしてまさかのバッドエンド、、なのか?!
    私的には幸子夫婦みたいになってほしい。
    往復書簡が多数出てくるけれど、男性女性日本人、海外の人たち、どの手紙をとっても谷崎の人物を映し出す筆致は素晴らしいの一言。

  • 雪子あんたほんとにそれでええのんか?

  • ついに雪子に子爵の子息との結婚の話が持ち上がる。その前の製薬会社の男性はもったいなかったかも…。最後は下痢で終わるんかーい。

  • 貞之助(次女の夫)が一番頑張っていたな。いい人だったな。

  • 衝撃の締め方
    面白すぎる

  • 同性愛やマゾヒズムを扱った倒錯的作品の印象の強い代表作の中で本作は「らしくない」と感じる人も多いだろうが、その芸術性の高さでは『春琴抄』と一二を争う作品と思う。戦況の悪くなる一方の暗い情勢の中でよくそれを微塵も感じさせない耽美的作品を書いたものだ。

  • 本線から逸れても長くても優雅におかしく読んでいられる。郷愁、風光明媚。朝ドラでやってほしい!
    無理矢理の見合いをさせる「女ギャング」、コマシャクレなど今風のおかしな表現が面白い。
    タイトルから雪子が主人公を予想するが、ほぼ終始幸子の目線で語られ、夫婦共々妹想い、東京の本家は少し遠く疎み感じられる。と思ったら、幸子は谷崎の松子夫人、幸子妙子はその三姉妹がモデルらしい!(貞之助は谷崎となる)
    関西の地名がたくさん出てくるので雰囲気も伝わり、谷崎が土地を愛していたことが分かる。
    妙子の回復に亡くなった場合の世間体だけ気にした鶴子の手紙も酷いが、妙子の好き勝手も大概酷い。

    大垣での上階級との見合い、蛍狩、断られ破談、妙子と奥畑の復縁、本家からの反対による妙子の一人暮らし、雪子の再度の見合い、無愛想による破談、妙子の赤痢、妙子が奥畑を唆し金だけ使わせている、別に三好というバーテンの男、妙子の回復、貞之助幸子の奈良富士の旅行、井谷のアメリカ行きに伴う雪子の華族との見合い、妙子の三好との妊娠発覚、ロシア人ドイツ人の近況、貞之助の尽力による雪子の結婚、妙子の死産(板倉や奥畑の呪い?)、まさかの雪子の下痢終わり!

  • 面白い!熱中して読めたよ。
    雪子の婿探しと妙子の波乱万丈な出来事、それらを取り巻く環境の変化。。。
    どのような結末にするのかと思い巡らせながら読み進めた。が、結局後はご想像にお任せします!だったよ。
    文学作品は完結しないのが常なのかなぁ???
    え〜〜なんでそうなるの?という批判を避けるためかなぁ。。。最近のTVドラマも最終回はパッとしないのが多いから、これが正解なのか^^;

  • 紆余曲折を経た雪子の縁談が功を奏す。大戦の気配を暗に感じながら、当時の上流階級の生活や価値観が文学性高い筆致で描かれている。全編通して緩い関西弁のやり取りが、良い世界観を作り上げていて飽きずに読み進められました。

  • 長かった。今となっては消え去ってしまった日本文化の記録なのかな。悪くはないけど…

  • 図書館で。
    谷崎と言えば…というような有名な作品だし読んでみるか、と借りてみました。ちょうど映画化でもされた時に出版されたらしく、表紙が女優さんの写真だった。

    確かに関西独特の文化って面白い。言葉もそうだし慣習も文化も違うからその辺りを呑みこんでないと大変そう…と雪子さんのお見合いの話を読んでいて思いました。なるほどねぇ、これは旧家というかある程度のレベルで固まるんだろうな、とも思ったり。

    なんだか昼ドラみたいな展開だなぁと思う所あり、毎日何かしらの出来事があった日々が過ぎていく…という感じはいつまでも続きそうな話だな、なんて思いました。
    個人的にはそんな頑なに三女の次が四女の結婚なんて決めつけないで先に妙子さんを結婚させちゃえば良かったんじゃないのかなぁなんて思ったりしました。

    それにしても雪子さんってコワイ女性だなぁ。大人しそうに見えるけどお腹の中で何を考えているかわからないって一番怖いタイプ。雪子さんもだけど妙子さんも長女が大阪を出るときに多少の無理はしても縁付けてしまえばよかっただろうけどまあそう簡単には行かないのが世の常なのか。それにしても仕事もしないで家に居るだけで年だけは取ってくお嬢さん…ある意味可哀想だなぁ。下二人の悲劇は変に次女が理解があって甘やかしたからなのかもしれないなぁなんて思いました。

    華やかそうに見えるけど結構ドロドロでこの後は戦争も待っているし中々大変そう。ああ、普通に女性が仕事に就けて暮らしていける時代って素晴らしいな、なんて思いましたよ。

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著者プロフィール

1886年(明治19年)〜1965年(昭和40年)。東京・日本橋生まれ。明治末期から昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。主な作品に「刺青」「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」など、傑作を多く残している。

「2024年 『谷崎潤一郎 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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