哲学は資本主義を変えられるか ヘーゲル哲学再考 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001360

作品紹介・あらすじ

大量生産、大量消費、大量廃棄を特徴とする現行の資本主義は、格差の拡大、資源と環境の限界を生んだ。この矛盾を克服する手がかりは、近代社会の根本理念を作った、ホッブス、ルソー、ヘーゲルの近代哲学にある。国家=権力の廃絶ではなく、人民権力=市民国家を成立させることで、万人の人間的「自由」を実現する。今、これをいかに国家間へ、世界大の原理へと拡大できるか、哲学的観点からわかりやすく考察する。近代哲学、とりわけヘーゲルは「自由の相互承認」という重要概念を示した。こうした観点から、誤解にさらされてきた近代社会の本質を明らかにし、巨大な矛盾を生む現代資本主義をどう修正すべきか、その原理を探る。ちくま新書『人間の未来  ヘーゲル哲学と現代資本主義』を改題。

感想・レビュー・書評

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  • 昨日は、岩盤浴でこの本に夢中になっていました。

    ホッブス
    「人間ほっといたら戦争する生き物や
    だから、それを抑え込むために、暴力を抱えこむ国家が必要や」

    つまり、国家があるから、戦争があったり貧富の格差や身分が生じるのではなく、
    普遍闘争自体こそが、統治支配や階級支配の原因。

    ヘーゲル
    「人間は動物と違って、承認されたいがために戦争をする。
    自由のために生命を賭けた戦いをするのが人間や。

    暴力を持たず、お互いがお互いの自由を相互に承認していく市民社会がそのうちできる。

    しかしこの自由も野放しにされると、放埒となり資本主義という厄介な怪物を生み出す。

    それゆえ、「人倫」としての国家が、自由をより高度な次元で統合していかなあかん」

    マルクス
    「↑いやいや、理論的にはそうかもやけど、現実をみたら、国家が諸悪の根源や!
    国家とは階級支配の正当化のための欺瞞。共同幻想や。

    そもそももともと私的所有なんて人間社会に存在せえへんかった。
    分業体制が始まることによってそれが始まった。

    私的所有を廃止したら、支配階級の道具としての国家は廃絶されるやろ。

    国家の廃絶なしに真の自由の国は実現せえへんよ!」

    「あと、資本主義。

    お金がお金をどんどん増やしていき、貧しい者と富むものの差が開き続けるシステムや。
    最終的には、ぶっ壊れてひっくり返るはずや」


    国家が人民から「収奪」する理由。

    権力者が過酷というよりも、構造的にそう。
    どんな国家でも、ほかの国家との競合関係に置かれている限りは、軍事力と統治力を最優先しないことには国家の存続が危ぶまれる。

    覇権の原理は、権力者の欲望というよりも、そもそも基礎的な財の希少性がそうさせる。


    近代社会の核心は「完全ルールゲーム」。

    暴力の制御と自由の確保として行き着くところがそこ。
    社会から暴力原理を完全に排除させ、完全なるルールゲームにする。
    しかしそれを担保するのは、上位の実力。

    必要なのは、暴力の公的制御。

    あらゆる国家は暴力を統治形成権力の源泉とする。
    そうでない国はほとんど存在しない。

    あらゆるルールは暴力によってのみ可能となり存在しうる。
    フランス革命をはじめ、社会体制の大きな変革の場面においては暴力は必要かつ必然。

    ハンナ・アーレント
    「アメリカ革命とフランス革命の違いは、
    全員の合意で社会契約を果たし権力の掌握をめぐる「実力のゲーム」に収束させられたか否か。
    フランス革命では、覇権の原理が貫かれたが、その理念がいかに自由の革命であろうと、
    自由の創設は決して実現しえない。

    暴力に反対するのは非暴力ではない。

    権力と暴力は対立する。
    暴力は権力を破壊するが、権力を創造することはできない。

    人民の暴力は、専制権力を破壊することはできるが、
    その暴力が市民的な制御のもとに置かれなければ、それは自由の権力とはなりえない。」

  • 今、機能している哲学的要素を冷静に再評価しつつ、原稿システムをどうやってよりよいものにしていくかの力強い提案だと思う。問いなおすことと組み立てることを公正さを保ちながら語られていてたいへん勉強になる。

  • 竹田青嗣氏のある意味での、今までの思想遍歴の総括的著書か?じっくり読みこんで、単なる理解だけでなく、自分の意見もまとめて、語れるぐらいに持ってゆきたい。 以下別途

  • 近代原理の再確定はわかる。マルクス主義ごのポスモ思想まで、反国家、反資本が近代超克の視座であるが、これらは無駄な無い物ねだり。そんなことしてる間に資源の限界がくる。生産力と普遍的な交換と普遍的な消費では歴史上資本主義が優れている。これを修正し資源の限界に向けた協議を世界規模で始めなければならない。
    資本主義肯定を断定的に述べるが、その根拠がよく分からない。

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著者プロフィール

1947年、大阪府生まれ。哲学者。早稲田大学名誉教授。著書に『哲学とは何か』『欲望論(全2巻)』『超解読!はじめてのフッサール『現象学の理念』』『自分を知るための哲学入門』『現象学入門』など多数。

「2020年 『現象学とは何か 哲学と学問を刷新する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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