自閉症の僕が跳びはねる理由 (2) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 365
感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001513

作品紹介・あらすじ

考えてもみて下さい。生まれて一度も人に本当の言葉を伝えたことのない人間が、どんなに不安を抱えながら自分の言葉を伝えているのかを――。
皆が自閉症者に感じる「なぜ?」について当時者の気持ちをQ&Aで綴り、大反響を呼んだ前著『自閉症の僕が跳びはねる理由』。
高校生編となる本書では、会話ができず苦しみ、もがく中で気づいた喜びや希望が活き活きと綴られる。
文庫化にあたり16歳当時の貴重な日記を初公開! 瑞々しい感性とリアルな心の声が胸を打つ。

感想・レビュー・書評

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  • 自分で自分を奮い立たせるってことある。
    最後の文中にもある。13歳の時に書いた前作よりも、ひとつひとつの文章が長くなった。それは、自分自身を励ますため。胸の内をありのままに語ることで、明日を生きるために、自分を奮い立たせたかったからです、と。
    誰かに聞いてほしい時ってある。答えがほしいわけではなく、共感、慰めでなく、話す相手がほしい時。ありのまま話せばどこかで心繋がった、と思う嬉しい勇気が出る瞬間。
    そんな一筋の訴えを感じました。

    文章の所々、心に残る表現があります。

    ・この社会は、たくさんの人々で構成されています。その中で自閉症の人も生きているのです。

    ・もし、みんなが自閉症の僕たちのことを、かわいそうな人たちとだけ思うなら、僕たちは何のために生きているのかわからない。

    ・家族が僕のために頑張ってくれている姿を見て、僕も自分にできることを探して生きていかねばならない、と思うようになった。
    (自分にできることを探す、私も未だに考えています)

    限られた表現の術のなか、その中から外の世界を見る視点は感性が研ぎ澄まされていると思いました。

    春色のリボン
    春色のリボンをきれいに結ぼう
    少しおめかしして でも恥ずかしがらずに
    色は空色がいい どこまでもすみきったライトブルー
    僕の心は 春の草原 かわいらしい花々が咲き誇る
    誰かに贈れなくても 
    リボンがうまく結べなくても構わない
    自分のためにリボンを結んだら 僕はもう 春の蝶

  • 前著から3年...16歳になった著者の成長記録。対処スタイルが少しずつ身についていく様に感動。と同時に自身に問いかける。差別、蔑視する考えがちょっとでもないか?自信を持って“YES”と言える自分であるか...。まだまだ定期的なメンテナンスが必要なのが現実。それでも良いと言える社会の寛容さが共生社会を実現するはじめの一歩であるし、最終的にはそんな言葉が不要な社会になることが求められているように実感した一冊。

  •  自分でもよく分からない、記憶できない、前例のないこころのゆらぎを、よく言葉にできたなぁと感心する。しかしながら、私の想像を遥かに超える困難さなのだろう。
     前作に比べ語彙は豊富になり、実感した言葉を顕しているように感じた。
     繰り返し出てくる「僕の場合は」という単語。著者は自閉症にもいろいろなケースを把握し、その中で社会の一員として生きている実感を得ているのではないだろうか。

     なんというか、圧倒された。
     気持ちを言葉にすることに、伝えることに難しさを感じる人に薦めたい。

  • みんな自分と向き合う時間が必要で、少しずつ成長していってるんだなぁ。自分と向き合うって凄く難しいことなのに、こんなにしっかり自分のことを知って向き合えてる東田さんは凄い。

  • 自閉症の男性が書いた彼の世界の見え方を紹介する本。
     
    福祉施設で働いていて、自閉症の方もいらっしゃるので勉強になった。
    自分で自分をコントロールできないことに対してそんなに自尊心を損ねていることを初めて知った。
    さまざまな描写が利用者さんと重なって同じような気持ちだったのかなぁと想像した。人それぞれな部分もあるが、どのように関わっていくかを考えさせられた。

    コミニュケーションが上手く取れない自閉症の方にやきもきすることもあったけど、もっとおおらかに構えて不安や恐怖を与えない環境づくりをするべきかもしれない。それから、成功体験がたくさん積める場を作りたい。

  • 知らない世界だった。
    共感しようとする姿勢が大事だと感じた。

  • 重度の自閉症である著者が自らの世界の見え方、体験などを語る。時間の観念や、刺激にどう反応するとか、僕の世界と全然違う。自閉症の子と接する機会があるなら是非読んで欲しい。相手を知ること、理解しようと努める時に良い関係が生まれると思う。

  • 前作よりも文章がさらに分かりやすく、言葉を大切にしてこられたのが伝わってくる。どういう時にどういう気持ちなのか、自分にとっての記憶はどういうものなのか。自分の基準がいかに狭い視野に押し込められていたかを自覚した。

  • ●内容
    ・前回と同じく一問一答式
    ・物語はないが、合間に詩が書かれている

    ●学び
    ・話をする相手は風景にくっついているもの
    →場所が変わると誰か分からない事が多い、何度も会えば覚えていく
    ・声に対して反応できない、人の声だからと意識を向けられない
    ・声は向こうからやってくるもの、自分から探す事はできない
    ・見ながら聞くことは難しい、見る時間と聞く時間を分けて欲しい
    ・ウォークマンを聴く事で安心できる、雑多な音は不快
    ・乗り物に乗って流れる景色を見るのが好き
    ・なんでも口に入れてしまうのは安心するから、悔しい時も気持ちを落ち着ける
    ・時間の流れが分からず不安、開始時間と終了時間で時間のけじめが欲しい
    ・こだわりは好きでやっている事ではない
    ・じっとしている事は難しい、そうしたいけれどできない
    ・情報収集して問題を解決する事は困難
    ・大騒ぎしている時は、少し離れて見守って欲しい
     治まったら気持ちを聴いて共感(代弁)する
    ・問題行動を無視する事は、本人の心に与える影響のバランスが大事
    →なんでもかんでも無視は心が傷つくので、「これだけは」の時だけにする

    されて嫌な事
    ・何も分かってないと思われ、無視されたり自分の事を話されたりすること
    ・自分がいる前で、親や兄弟が大変だと話をされること
    ・こうするのが本人の為だと勝手に思われ、意見されること
    ・奇声、こだわりなど迷惑をかける行動をやりたがっていると思われること

    援助して欲しいこと
    ・笑顔で接する
    ・分かりやすく、はっきりした口調で話す
    ・指示は1回に1つだけ
    ・危ない時や悪い行動はそうする前に注意して止めて欲しい
    ・自分の言いなりにはならないで欲しい

    ●感想
    ・全てが著者の言葉であるなら、本当にすごい事だと思う
    ・そうでなくとも、自閉症児と接する機会のある身として参考になる事は
     多々あった
     特に、声を掛けても反応がない事の多かった理由が分かり、合点がいった

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著者プロフィール

1992年生まれ。重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングによりコミュニケーションが可能。著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』が現在30か国以上で翻訳され、世界的ベストセラーに。

「2020年 『世界は思考で変えられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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