円空と木喰 (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2016年11月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784044001537

作品紹介・あらすじ

修験道の厳しい修行に身をおいた円空。旅を棲家とした木喰。二人の「ひじり」の作った仏像には、極めて大きな違いがある。孤高にして厳しく知的に冴えた刀痕と清潔にして火のように激しい意志的な造型の円空仏。日本の仏像彫刻で忘れさられた完全な一本彫りを試み、自刻像をはじめ飄逸な作品を多く残した木喰。日本人の精神構造と庶民文化の本質を表す造形を持ち、強烈なエネルギーを放つ仏像の謎に仏教民俗学の泰斗が迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 円空と木喰
    角川ソフィア文庫 J 106 8
    著:五来 重
    出版社:KADOKAWA

    江戸時代を生きた、二人の仏師の物語

    円空仏と、修験道

    ・仏や菩薩が衆生を救済するために、神の姿を借りてこの世に現れることを本地垂迹といい、その本体を本地という
    ・天照大神の本地は、雨宝童子、毘沙門天である
    ・十一面観音は、白山の主神、イザナミの本地である。
    ・山王とは、猿の姿の山の神、馬に乗った猿、馬を曳く猿
    ・五百羅漢 肉親の顔があるという、他界信仰

    木喰 日本の六十六ヵ国の国分寺に、大乗妙典を奉納して、六十六部になることを、廻国という

    ・大山阿夫利神社の不動明王の山伏は妻帯僧
    ・木喰は、半僧半俗の聖であり、廻国と、勧進という聖の職能を果たす

    六部、行者、山伏のような聖たちは、さかんに仏像をつくりながら、遍歴をくり返した。

    芭蕉の漂泊の思いも、こうした、聖たちの放浪に駆り立てられたのかもしれない

    目次

    円空佛 境涯と作品

    序 章

    第一章
     1 洞爺湖にうかぶ円空仏
     2 帆越岬の鷹
     3 北海の来迎観音

    第二章
     1 恐山の千体地蔵
     2 津軽野の円空仏
     3 なまはげの山

    第三章
     1 二荒山の不動たち
     2 武蔵野の荒れ寺
     3 木曽路の足跡

    第四章
     1 志段味の丘の馬頭観音
     2 尾張野の木端仏
     3 伊吹山と大峯山

    第五章
     1 美濃の奥山
     2 飛騨の宿儺
     3 入定塚の藤―結び―

    微笑佛 木喰の境涯

    序 章
     1 あたらしい波
     2 無心の美
     3 微笑仏

    第一章
     1 甲斐の山里
     2 聖と木食

    第二章
     1 東国廻国
     2 蝦夷地渡り
     3 佐渡の荒海

    第三章
     1 西国遍歴
     2 駿遠の山路
     3 越路の大悲像
     4 丹摂の自刻像

    ISBN:9784044001537
    出版社:KADOKAWA
    判型:文庫
    ページ数:320ページ
    定価:1080円(本体)
    2016年11月25日初版発行

  • 2016.12―読了

    円空が遺したさまざまな「善財童子」像の多くは自刻像であろうとされている。所謂、木彫による自画像という訳だ。その円空の自刻像について、五来重は
    「自画像や自刻像をつくる芸術家は少なくない。しかし山伏修験、あるいは遊行聖の自刻像は、芸術家のそれとまったく異質な動機から出ている。それは自己顕示のためではなく、衆生救済の誓願のために作るのである。
    禅宗では一休のように自画像を描くこともあるが、多くは授法のために、自分の肖像画を頂相-ちんぞう-として、画家または画僧に描かせる。これも仏相単伝の禅を人格として表現するのである。
    山伏修験は自己を大日如来と同体化して、即身成仏を表現する。また自らの誓願を具象化するために、自刻像を残すのである。この自刻像を自分の肉体そのもので作ったのが、羽黒山に多い「即身仏」、すなわちミイラである。
    それは自己を拝する者には諸願をかなえ、諸病を癒そう、との誓願を具象化したものである。円空はミイラを残さずに自刻像を残したのであり、「入定」によって誓願を果たそうとした。円空の自刻像は「入定」とまったくひとつづきの信仰であった。飛騨の千光寺の円空自刻像が、「おびんづるさん」として、撫でた部位の病を癒すと信じられたのも、このような信仰から理解されるのである。」と。

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著者プロフィール

五来重(ごらい・しげる)
1908‐93年。茨城県生まれ。東京帝国大学文学部印度哲学科を卒業後、京都帝国大学文学部史学科国史学専攻卒業。高野山大学教授を経て、大谷大学文学部教授、同名誉教授。専門、日本民俗学、宗教史。著書に、『五来重宗教民俗集成』(全8巻)『五来重著作集』(全12巻・別巻)の他、『仏教と民俗』『高野聖』『熊野詣』『山の宗教』『日本の庶民仏教』『四国遍路の寺 (上・下)』『円空と木喰』『日本人の地獄と極楽』など多数。

「2021年 『修験道入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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