リンドバーグ第二次大戦日記 下 (2) (角川ソフィア文庫)
- KADOKAWA (2016年7月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784044001667
作品紹介・あらすじ
「ドイツ人がヨーロッパでユダヤ人になしたと同じようなことを、われわれは太平洋で日本人に行ってきたのである」
開戦後、陸軍パイロットとして南太平洋に派遣されたリンドバーグ。
ラバウルでの壮絶な空爆戦、零戦との一騎打ち――
そこで目にしたのは米兵による日本軍捕虜への蛮行であった。
戦争がもたらす残虐行為の連鎖、アメリカの自由と民主主義とは、人間が目指した文明化とは何なのか。
未来への警句は、今なお重く響く。
感想・レビュー・書評
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太平洋の戦場に関して、リンドバーグは「“技術員”、“観測員”という資格で、現場では将校(士官)として処遇」ということで身を置いていた。“軍人”に対して“民間人”である。それ故に「冷静な観察者」として、戦場の「異様な雰囲気」を静かに見詰め、その見聞を淡々と綴りながらも「本当に善いのか?!」と疑問を呈している…結局、戦争という行為そのものは、戦後に非難されている敗れた側ばかりではなく、関わった全ての陣営に在って「人間の尊厳を貶めるような」結果をもたらしてしまっていたことを忘れるべきではないとしている…
人の可能性を拓く航空界の発展や科学技術の振興に心を砕き、夢を求めたリンドバーグ…他方で科学技術が産み出した“威力”で、凄惨さの度合いを増していった戦争の中にも身を置いたリンドバーグ…色々と考えさせられる。
そういう要素の他、年老いても教師の仕事を真面目に続ける母へ向けられる息子としての目線や、少しずつ成長して行く子ども達へ向けられる父親としての目線や、著述家の仕事に取組んだり出産をしたりという妻への夫としての目線や、家族と共に在った愛犬への目線というようなものが滲む随所に見受けられる記述も印象的だ…
リンドバーグは、若き日に自身の操縦の腕や運と勘とを恃みに「無謀?」とも言われた冒険を成し遂げた経過を有する人物だが…自由に大空を行くように、飽くまでも「心の自由」を護って、信じるところに従って、在りたい様に生きたかった…そういう人物だったのであろうと、本書を読んで強く思うに至った…
なかなか読み応えも在る、やや厚めな文庫本で2冊の本書だが、大変に価値が在る。広くお薦めしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「THE WARTIME JOURNALS OF CHARLES A.LINDBERGH」の翻訳。
著者プロフィール
新庄哲夫の作品
