貞観政要 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 126
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001742

作品紹介・あらすじ

全リーダー必読の書! 中国史に残る天下泰平の時代をつくった政治訓とは?
中国四千年の歴史で最も安定した時代「貞観の治」を成した名君が、上司と部下の関係や、組織運営の妙を説く。現代のビジネスリーダーにも愛読者の多い、中国の叡智を記した名著の、決定的入門書!

【目次】
はじめに
凡例

一、明君の条件
君たるの道はまず身を正す
明君と暗君の違い
十思九徳を保つ
謙虚にその道の達人に問う
後の人から笑われぬ王となる
災害と人君の徳
迷信よりも哀れみの心

二、創業か守成か
創業と守成はどちらが難しいか
終わりを全うする
天下を守り続ける難しさ
国の統治は病の治療のように

三、諫める臣下、聞き入れる君主
諫諍の大切さ
君臣の道
明君と忠臣は魚と水
諫諍を納れる
情を尽くして極諫する
諫諍の難しさ
兆しを諫める
逆鱗に触れるのを恐れない
皇后の諫め

四、かけがえのない人材
忠誠を尽くし諫諍する臣下
三つの鏡
義兵を起こす
虞世南の五絶

五、前轍を踏むな
樹木を植えるように
長城よりも賢良の士
隋の煬帝に直言できない臣下
虞世基は煬帝と死ぬべきだった

六、後継者をどう養成するか
皇太子と諸王の分限
太子の教育係
胎教だけが太子教育ではない
諷諫と犯諫
狩猟の礼

七、人を選ぶ
時代の中から人を選ぶ
身の丈に合った職務を
自薦は信用しない

八、儒学を尊ぶ
今の政治の劣る原因
仁義を本とする政治
武器よりも仁義
儒学の振興
孔子廟への配享
五経正義の成立

九、言葉と行動に責任を持つ
言葉の大切さ
讒言は聞き入れない
読書の大切さ
後悔しないための読書
実録にはありのままを書く

関係略年表
テキスト解説
主要登場人物解説
あとがき
主要語句索引

感想・レビュー・書評

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  • 職場のトップに「貞観政要」を読むように言われた。全巻読破しろということではなく、ポストに相応しい行動・思考をするようにとの意味だろうということで、要約版でお手軽だが、本書を読んでみた。
    唐の2代皇帝の太宗の言葉やエピソードなので、随所に商(殷)、周などの故事や孔子の言葉が出てくる。
    要するに、上に立つ者は自らを厳しく律するとともに、部下の進言や特に諫言によく耳を傾けるべしということと受け留めた。

  • 悪政を行った隋の煬帝は、2代目皇帝にして、在任後わずか14年で隋を崩壊させてしまった。戦国七雄の争いに勝ち抜いた秦の始皇帝も、わずか15年という短さで、せっかく中華全土を統一した秦を崩壊させている。

    煬帝の場合も始皇帝の場合も、崩壊の直接的な原因は過度な富国強兵政策にあった。(秦:法家商鞅による過酷なインフラ整備政策、隋:運河や宮殿の急速な建設、高句麗遠征)

    このように唐以前の中国史を振り返ると、中華統一がいかに難しいかがよくわかる。


    唐の2代目皇帝太宗(李世民)は、諫諍(かんそう、相手の悪い点を諌めること)を何よりも重視した。

    自分が誤った選択をしていないか、民の声に耳を傾けているか、常に自分を疑う気持ちを忘れなかった。

    例えば各省のトップには、皇帝に対して遠慮なく諫諍を行う事を彼らの責任として定め、寧ろ皇帝の顔色を伺って諫諍を躊躇うような家臣を処罰した。

    また太宗は、些細な出来事や感情に任せて人を処罰してしまうと諫諍が機能しなくなることをよく知っていたため、国のトップに立つものには度量が大切だと伝え続けた。


    何よりも印象的だったのは、異なる意見は異なるバックグラウンドから生じる、という事を太宗はよく理解していた点だ。封建的な中国社会の、しかも宮廷の中のトップというこの世の全てを思うがままに出来る存在でありながら、家臣の過去の経験にまで思考を巡らせ、意見が対立する原因を冷静に突き止め、どちらも正しいとした。

    リベラルアーツを会得していて、国のトップでありながら常に他人の批判を受け入れそれに応え続け、世のため人のためとあれば長男さえ躊躇なく討つ。
    中華全土を統一しながら、のちに貞観の治と呼ばれた太宗の治世は、繊細さと剛毅さを併せ持った太宗の人間性の賜物だ。


    1400年前の中国と比較して今の日本は…と悲観したくなるが、逆に貞観の治によって希望を感じる、という見方もある。
    封建社会の中で、煬帝の悪政の影響をもろに受けながら、太宗は人徳のみで、しかも1代で世直しを遂げたのだ。
    どんなに腐敗した社会でも、逆に封建社会だからこそ、トップに立つ人間の人徳ひとつでいつでも変われるのだ。


    途中、大切にしていた駿馬を失った時に世話役を殺そうとしたのはツッコミどころかと思えたが、太宗にも「人を殺す」という選択肢は常にあり、諫諍によってこれを思い留めて来たものとうかがえる。

    人権や生存権という近代の概念が登場した現代社会では、太宗ほどストレートな組織改造は出来ないにしても、諫諍を取り入れる程度の前向きな意欲くらいは見せて欲しいものである。

  • 貞観の治を実現した唐の二代目皇帝太宗李世民と家臣達による問答集。
    項目ごとに分けられた守成の極意というべき本。
    本書はダイジェスト版みたいな薄さなので読みやすいが、もっと読まないと良さが分からない気がする。
    結局息子が駄目野郎だったところが悲しい。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/528136

  • 『100分で名著』も合わせた感想ですが、、リーダーは部下を適材適所に配置するとか少数であっても能力のある人材を起用するなど・・。その能力に自信がないので少し辛いなと感じる部分もあった。

  • 1.この本を一言で表すと?
    貞観政要の内容をコンパクトにまとめた本。

    2.よかった点を3~5つ
    ・明君の条件 謙虚にその道の達人に問う(p32)
    →謙虚な姿勢が必要だと言うことだと思う。

    ・創業か守成か 国の統治は病の治療のように(p55)
    →油断してはいけないと言うことが大事だと思う。

    ・諫める臣下、聞き入れる君主 諫諍の難しさ(p75)
    →諫諍しないのが罪だと言うのが面白い。

    ・かけがえのない人材 忠誠を尽くし諫諍する臣下(p87)
    →優秀な人材を登用するには上に立つ者の器が必要だと思う。

    ・人を選ぶ 自薦は信用しない(p141)
    →自分自身を知る事は難しいというのはその通りだと思う。

    ・言葉と行動に責任を持つ 読書の大切さ(p168)
    →あるべき姿を勉強するには読書が1番いいと思う。

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・内容がコンパクトにまとまりすぎて内容が物足りなく感じた。
    ・九、言葉と行動に責任を持つ の章はタイトルと内容が合ってない部分が多いと感じた。

    3.実践してみようとおもうこと
    ・諫諍をしないのは罪だと認識し積極的に意見を言っていこうと思う。

    5.全体の感想・その他
    ・本当の貞観政要からどれぐらいカットされた内容なのかがよくわからなかった。
    ・貞観政要のポイントだけを理解するには良い本だと思った。

  • 中国古典にあまり詳しくない初心者でも大変分かりやすく、しかも今流行りの中国古典をビジネスに活かすノウハウ本特有のこじつけもない良書。
    本書は昔から帝王学のテキストとして有名で、天皇陛下がご進講を受けられるなど、あまり一般庶民には馴染みがなく、中国古典の中ではあまり知名度の高くない部類に入るけれど、一般庶民でもとても参考になる。過去の悪い例として隋の煬帝始め、漢の武帝の失敗など、様々な反省も随分盛り込まれているけれど、残念ながらここで挙げられる事例のうち、現代日本の大組織で当てはまりそうな話は少なく、改めて組織と個人との関係の有り様を深く考えさせるものになっている。

  • 東2法経図・開架 222.04A/Y96j//K

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著者プロフィール

1957年島根県生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。大阪大学大学院教授。専攻は中国思想史。著書に、『孫子・三十六計』『菜根譚』(ビギナーズ・クラシックス中国の古典 角川ソフィア文庫)、『孫子の兵法入門』(角川選書)、『故事成語の誕生と変容』(角川叢書)、『入門 老荘思想』(ちくま新書)、『菜根譚』『論語』『諸子百家』(以上、中公新書)、『竹簡学─中国古代思想の探究』『墨の道 印の宇宙』(以上、大阪大学出版会)、『戦いの神─中国古代兵学の展開─』(研文出版)などがある。

「2020年 『人生に効く『菜根譚』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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