貞観政要 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001742

作品紹介・あらすじ

全リーダー必読の書! 中国史に残る天下泰平の時代をつくった政治訓とは?
中国四千年の歴史で最も安定した時代「貞観の治」を成した名君が、上司と部下の関係や、組織運営の妙を説く。現代のビジネスリーダーにも愛読者の多い、中国の叡智を記した名著の、決定的入門書!

【目次】
はじめに
凡例

一、明君の条件
君たるの道はまず身を正す
明君と暗君の違い
十思九徳を保つ
謙虚にその道の達人に問う
後の人から笑われぬ王となる
災害と人君の徳
迷信よりも哀れみの心

二、創業か守成か
創業と守成はどちらが難しいか
終わりを全うする
天下を守り続ける難しさ
国の統治は病の治療のように

三、諫める臣下、聞き入れる君主
諫諍の大切さ
君臣の道
明君と忠臣は魚と水
諫諍を納れる
情を尽くして極諫する
諫諍の難しさ
兆しを諫める
逆鱗に触れるのを恐れない
皇后の諫め

四、かけがえのない人材
忠誠を尽くし諫諍する臣下
三つの鏡
義兵を起こす
虞世南の五絶

五、前轍を踏むな
樹木を植えるように
長城よりも賢良の士
隋の煬帝に直言できない臣下
虞世基は煬帝と死ぬべきだった

六、後継者をどう養成するか
皇太子と諸王の分限
太子の教育係
胎教だけが太子教育ではない
諷諫と犯諫
狩猟の礼

七、人を選ぶ
時代の中から人を選ぶ
身の丈に合った職務を
自薦は信用しない

八、儒学を尊ぶ
今の政治の劣る原因
仁義を本とする政治
武器よりも仁義
儒学の振興
孔子廟への配享
五経正義の成立

九、言葉と行動に責任を持つ
言葉の大切さ
讒言は聞き入れない
読書の大切さ
後悔しないための読書
実録にはありのままを書く

関係略年表
テキスト解説
主要登場人物解説
あとがき
主要語句索引

感想・レビュー・書評

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  • 職場のトップに「貞観政要」を読むように言われた。全巻読破しろということではなく、ポストに相応しい行動・思考をするようにとの意味だろうということで、要約版でお手軽だが、本書を読んでみた。
    唐の2代皇帝の太宗の言葉やエピソードなので、随所に商(殷)、周などの故事や孔子の言葉が出てくる。
    要するに、上に立つ者は自らを厳しく律するとともに、部下の進言や特に諫言によく耳を傾けるべしということと受け留めた。

  • リーダー即ち人の上に立つ人間は、諫言を受け入れる懐の深さがなければ務まらない。
    私が感銘を受けたのは、「言葉の大切さ」のところです。人君たるものは、太陽や月のようだ…のところです。原理原則は昔も今も変わらないということを改めて認識しました。

  • 私はリーダーではないけれど、自分の小ささを恥じずにはいれなくなった。

    特に、「(臣下が君主に対して)諫言しても聞き入れてもらえないからしなかったのだ。」という主張を、「ならばどうして職を辞めなかったのか、ただ自分の職に留まって飯を食っていくことにしがみついている言い訳だ。」とある部分は、しばらく記憶に残ると思う。

  • リーダーシップ論として、日本の経営者にも愛読者が多い中国古典。いつかは読まねばといいつつ、先送りしてきたが、とりあえずビギナーズ・クラッシックの抄訳・解説版で読んでみた。

    なるほど、と思うところも多いし、リーダーとして、謙虚であること、部下の意見、ときにはそれが厳しい言葉であっても、じっくり傾聴するというのは、今でも大事なことだと思う。

    一方、この頃は、まだ世の中の変化がゆっくりとしていて、また何が正しくて、何が間違っているのか、しっかりと学問をおさめた人には、わかる、つまり、なんらかの絶対的な真理があるという前提に立ったものとも言える。

    残念ながら、わたしには今ひとつしっくりこない本。しかし、徳川家康をはじめ、この本を大切にしたリーダーは日本にたくさんいる。

    日本の経営者やリーダーは、この本からなにを学んでいるのだろう?とわたしの関心はそちらのほうに向かった。

  • ・まず身を正す
    身を滅ぼす者は、決して外圧ではなくみな自らの欲望によってその禍根を作ってしまうのだ。

    ・善をなす者は幸福を長く受けることができ、悪をなす者は寿命が短い

    ・他人からの諫め(いさめ)を受け入れることができないのであれば、どうして他人を諌めることができるのか

    ・兆しを諫める
    兆しの段階で諌めるのが肝心で、欲望は肥大していく。そうなってからでは手遅れ

  • 帝王学の入門に簡単に触れることができるのでオススメ

  • 帝王学の最高傑作「貞観政要」の現代における要点をコンパクトにまとめた本書。この中国古典を気負わずに読める内容になっているので、入門書として大変読みやすい。古典といえども現代に通じることは多数ある。この本を足掛かりにして、いくつか「貞観政要」についての本を読んでみたいと思う。

  • 貞観の治を実現した唐の二代目皇帝太宗李世民と家臣達による問答集。
    項目ごとに分けられた守成の極意というべき本。
    本書はダイジェスト版みたいな薄さなので読みやすいが、もっと読まないと良さが分からない気がする。
    結局息子が駄目野郎だったところが悲しい。

  • 『100分で名著』も合わせた感想ですが、、リーダーは部下を適材適所に配置するとか少数であっても能力のある人材を起用するなど・・。その能力に自信がないので少し辛いなと感じる部分もあった。

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著者プロフィール

大阪大学大学院文学研究科教授

「2016年 『増補改訂版 懐徳堂事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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