般若心経を読みとく 二六二文字の仏教入門 (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2017年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784044001957

作品紹介・あらすじ

大乗仏教のエッセンスを262字に凝縮した『般若心経』。
日本人に最も親しまれてきた仏典であるものの、
ほとんどすべてが専門用語によってうめつくされ、
その最深部の理解には仏教学の基礎知識を欠くことができない。
空とは何か。自己とは何か。
そして、わだかまりを離れ、
ただ生きてただ死ぬ、本当に自由な境地とは――?
言葉のひとつひとつをていねいに味わい、
「一切皆苦」の現実を生き抜く智慧を浮かび上がらせる仏教入門。

感想・レビュー・書評

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  • 般若心経を読みとく 二六二文字の仏教入門
    一般文庫版
    著:竹村 牧男
    角川ソフィア文庫 H124 1

    内容はわりとわかりやすかった。ABCである。Aとは……、Bとは……、Cとは……と言った書き方をしていただいて、ロジックの教科書通りと感じました。

    また、加えて、本書は、英語の長文読解の教科書のような印象でした
    Line by line 1行ずつ理解する
    般若心経を1文1文に分割して、分からない単語を調べて、1文を訳す
    単語がわからなければ、その解説や背後にある意味を調べていく
    ある段落を訳し終わったら、全体を見直して、その段落が何をいいたいかを見直す
    複雑な概念を理解するために、たとえ話や、引用が記載されていて、その内容を合わせて参照する
    これを繰り返して、全体を理解する という印象です。

    このために、262文字の般若心経を、解説するに、300頁を要す

    本書は全体から入る

    仏教の目的は、一切皆苦という苦しみから、衆生を救うというもの、そのための方法論を記述したのが、経典である

    一切の苦から、逃れる道は、成仏すること、煩悩があれば、死んでも輪廻転生して、六道を無限に廻らなければならない。

    仏教には、小乗仏教と、大乗仏教の2つがあって、小乗仏教とは、自分が修行をして、成仏する方法を説く。自分が成仏するための方法論です。
    大乗仏教とは、全ての衆生をすべて成仏されることを目的としている

    般若心経とは、大乗仏教の経典であり、600巻に及ぶ、般若経典のエッセンシャルを1つの経典にまとめ上げた、偉大な経典である

    般若心経は、小乗仏教で良しとされた内容を否定し、大乗仏教の目的である、全ての人を救済するための方法を説く

    摩訶般若波羅蜜多とは、偉大な智慧を意味し、大乗仏教の核心を表します

    冒頭にある観自在菩薩とは、33通りに変化する観音であり、衆生の成仏を扶ける菩薩です

    波羅蜜多とは、到彼岸、既に彼岸に行けることを約束された修行をいいます
    般若波羅蜜多とは、智慧の完成をさします

    人間のこだわりには、我執と法執とがあり、我執を断つと、生死輪廻は止み、涅槃にはいることができます
    でも、それではただの静寂なだけで、何の活動もないということになります。これは小乗仏教の世界です

    涅槃に入るだけでは、智慧は完成していないので、衆生を救うことができないといっています。
    このためには、法へのこだわりである、法執を断って初めて智慧が完成するといいます。これを、大乗仏教では、菩提を完成するといいます。

    般若心経は、この菩提を完成するために必要な智慧を与えるテキストになります。

    色即是空空即是色

    色とは、五蘊の中にある色であって、普通の色彩の色ではありません
    色とは物質的な世界のことですが、それが空と異ならないというは、各々がそのものとしての自体、本体を持つものではないことを言っています。これを色即是空といっています。

    空とは、ある事物にそのものとしての実体がないことを意味していて、何も存在しないということではないようです。空であるから、そこには、実体がない。現象としての色はあるといっています。これを空即是色といっています。

    色と、空とが何であるかは、般若心経には語られていず、仏教の前提を知らなければ意味がわからないようです。何度読んでも、ここはイメージができませんでした。

    般若心経は、こうした、仏教用語が各所に展開されていて、その相互関係や意味は当たり前のように前提となっています。

    小乗仏教で語られている、五蘊、十二処、十八界の否定、そして、十二縁起の否定
    次々に、捨てて行ってのこったものが、わだかまりのない境地、この上なく正しい覚り、阿耨多羅三藐三菩提といっています。

    最後に、真言で重要視されている、呪文、羯諦、羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶、で般若心経は終わっています。

    目次

    はじめに
    原漢文
    訓読
    現代語訳
    第一章 般若心経とは何か
    第二章 観音さまの見たもの
    第三章 生死は仏のおん命なり
    第四章 不生で調いまする
    第五章 一切法を空と説く
    第六章 輪廻の迷いを超えて
    第七章 心の中を見つめれば
    第八章 本来の自己に目覚める
    第九章 究極の真実の世界
    第十章 よく一切の苦を除く
    終 章 「般若心経」の思想
    おわりに

    ISBN:9784044001957
    出版社:KADOKAWA
    判型:文庫
    ページ数:304ページ
    定価:920円(本体)
    2017年07月25日初版発行

  • 般若心経に関する本は何冊か読んだが、基礎をしっかりと理解するにはこの本が一番良いと感じた。他人の文書をただ単に引用するだけでなく、般若心経の文書一つ一つに対して作者がどのように解釈をしているのかをきちんと説明がしてある。

    7章に「心」に関する説明があるが、ここだけ異様に細かく説明がしてある。何か意図があるのだと思うが、同じような単語がたくさん並んでいて、十分に理解しきれていない。

    何度も読み込んで、しっかりと内容を理解していきたいと思う。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授、東洋大学名誉教授。1948 年東京生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。文化庁宗務課専門職員、三重大学助教授、筑波大学教授、東洋大学教授を経て、東洋大学学長。2020 年 3 月に退職。専攻は仏教学・宗教哲学。唯識思想研究で博士(文学)。著書多数。
2015 年には「NHKこころの時代~宗教・人生~」で、『日本仏教のあゆみ 信と行こころの時代』講師を務めた。

「2023年 『NHK宗教の時間 鈴木大拙 願行に生きる 上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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