死者の書 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 39
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002046

作品紹介・あらすじ

「した した した」
水の音と共に闇の中で目覚めた死者、滋賀津彦(大津皇子)。
一方、藤原南家豊成の娘・郎女は写経中のある日、二上山に見た俤に誘われ女人禁制の万法蔵院に足を踏み入れる。
罪を贖う間、山に葬られた滋賀津彦と彼が恋う耳面刀自の物語を聞かされた郎女の元に、
「つた つた つた」
滋賀津彦の亡霊が訪れ――。
ふたつの魂の神秘的な交感を描く、折口の代表的小説。

本書は折口信夫の弟子で折口学の研究者として著名な故・池田弥三郎氏による詳細な補注、
さらには作品執筆のきっかけとなった『山越阿弥陀図』および『當麻曼陀羅』をカラー口絵に収録。
『死者の書』の決定版といえる。

解説・持田叙子

感想・レビュー・書評

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  • 平安時代よりもさらに遡った奈良時代が舞台の小説で、最初は何が書いてあるのかさっぱり分からないなりに、所々の文書に惹かれて読み通し、2度目になんとか筋がわかってきたという(笑)。国文学者であり民俗学者であった作者の文章は、貴さとか美しさとか賢さが奈良時代の物の考え方や言葉遣いを反映した文章で表現されていて印象的で新鮮。説明という漢字にことわけというフリガナがふってあったり、大体がこんな感じでなんというか、二重に楽しめる感覚がある。

  • 巡り巡ってやっとこの本の順番に至った
    そんで、見たぞ、景色を
    自分の生半な知識ではあえて描きたくなかった景色を、折口信夫を頼って見たぞ
    松岡正剛が、僕の中に蟠っただけのことを、千歩くらい先回りして見事に言葉に言ってくれてるので、そこはパス
    日本の古代が、ヌーベルバーグのように描かれる
    これを混乱と読むか、あるべくままと読むか

  • 民俗学者である折口信夫の文学作品としての代表作。
    奈良の二上山に伝わる大津皇子、中将姫伝説を下敷きとした、奈良時代を舞台とした幻想小説。
    非業の死を遂げた大津皇子が墓の中で目覚めるところから物語は始まる。
    同じくして、中将姫は當麻寺に導かれる。
    意図的に時系列を前後させているため、しばらく物語の輪郭は掴めない。
    蒙昧とした死者の意識が、次第に明らかになるように物語は進む。

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著者プロフィール

民俗学者・国文学者

「2019年 『折口信夫 山のことぶれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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