忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002084

作品紹介・あらすじ

天下泰平の時代。忍者の末裔は、江戸城大奥で出納係になっていた!?

新発見の古文書には、江戸城大奥に勤める伊賀者の日常が細かに記されていた! 忍者の一家の末裔は、天下泰平の時代をどう生きたのか。江戸の下級武士の生活を細やかに記す、一級資料をとくと見よ!

【目次】
はじめに

第一章 伊賀者とは
(一)幕臣としての伊賀者
(二)武士の禄制度 ―足高上昇を目指した松下家―
(三)伊賀者の由緒
(四)松下家文書とは
(五)松下家の歴代

第二章 松下家、草創の時代
(一)家康に仕えた忍者、初代松下孫右衛門
(二)大奥に仕えた、二代目松下金左衛門
(三)別家を興した、三代目松下十郎右衛門

第三章 谷の中の伊賀者たち
(一)伊賀者の禄と生活
(二)鮫河橋谷町伊賀者屋敷の景観
(三)伊賀者拝領屋敷に住む町人たち
(四)拝借金とその返済

第四章 最初の養子、松下伊太夫
(一)松下伊太夫、養子に入る
(二)松下伊太夫の伊賀者勤務
(三)四代目松下伊太夫の子

第五章 伊賀者から大奥の事務官へ
(一)五代目松下菊蔵、家督相続
(二)若年当主、菊蔵の日々
(三)西之丸山里番
(四)西之丸大奥の事務官―西之丸大奥御広敷御用部屋書役―
(五)異動と昇進――本丸大奥御広敷御用部屋書役以降――
(六)五代目松下菊蔵の子――十次郎の生と死――

第六章 伊賀者の末裔
(一)松下家の家格上昇
(二)九代目金五郎と東禅寺事件
(三)明治時代の松下家

おわりに
参考文献

感想・レビュー・書評

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  • 忍者と言えば、伊賀忍者や甲賀忍者が有名です。伊賀忍者は伊賀国(現在の三重県)出身の者のこと。戦国の世では伊賀忍者として忍びの仕事を担った者たちは、泰平の世でどのように生きていったのでしょうか。本書に登場する伊賀者の子孫に受け継がれた『松下家文書』には、忍者ではない江戸下級武士の貴重な生活の記録が細かく記されていました。【㉕三重県】

  • 伊賀者の子孫に受け継がれた『松下家文書』に基づき、御家人の実態を詳細に読み解いています。

    伊賀、旗本、御家人など、よく耳にはしていても実態はそこまで
    詳しくは知らなかったので、非常に興味深く読みました。

    一般的にそもそも忍者の実態やイメージは誤解されがちなので、
    誤解したイメージで読むと多分期待とは違う内容だと思いますが
    歴史好きな方は読んで損はないと思います。

  • 戦国の世にあって、様々な術策を用い戦場を駆け巡り、また、ある時は敵の大名を調略するなど、大きな役割を果たした忍者。
    それは、後世の創作物ではなく、実際に存在した集団であった。
    しかも、戦国の世が終わり徳川時代に入っても、家康に従い、あるいは各国諸大名に使える形で忍者は生き残った。
    その実際の忍者、伊賀者の末裔の家から出てきた古文書を元に、主に徳川時代の伊賀者の姿、ひいては下級武士の禄、家柄、仕事の内容。さらに、伊賀者という名称が、役職ともなり、伊賀出身以外のものが伊賀者という役職に就くこともあった。
    販売を意識したせいか、好事家向けのタイトルになっているが、江戸時代の下級武士の暮らしを学ぶには良い本だと思います。

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著者プロフィール

高尾善希(たかお よしき)
1974年千葉県生まれ。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程研究指導修了満期退学。竹内誠(前江戸東京博物館館長)に師事。武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館学芸員(嘱託)、東京都公文書館専門員(非常勤)など経て三重大学准教授。著書に『忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち』(KADOKAWA)など。

「2021年 『新説の日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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