欲望会議 「超」ポリコレ宣言

  • KADOKAWA (2018年12月21日発売)
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  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002121

作品紹介・あらすじ

エロ、暴力、心の傷、ホラー、ゾーニング、変態、炎上、#MeToo、身体、無意識……
「欲望」をテーマにこの世界を読み解けば、未来の絶望と希望が見えてくる――。

「現代人は、かつての、つまり二〇世紀までの人間から、何か深いレベルでの変化を遂げつつあるのではないか、というのが本書の仮説なのです。」―「序」より

【目次】

第1章 傷つきという快楽
第2章 あらゆる人間は変態である
第3章 普通のセックスって何ですか?
第4章 失われた身体を求めて
終 章 魂の強さということ

感想・レビュー・書評

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  • ポリティカル・コレクトネス、正しさを銘打ったゾーニングが私たち人間の無意識を蝕んでいる!?
    正しさの埒外に欲望は息づいている。

  • こういう本に偶然巡り会えるから古本屋の均一棚も侮れない。個人的にそれぞれ別の文脈で接していて名前を存じ上げていた三人による鼎談ということで手に取った。"「超」ポリコレ宣言"などという扇情的(?)タイトルどおり、内容は近年性愛方面で顕著な変化にどのように抗うか、三人三様の考えが示される。最終的な一致点として、エロスにはどうしても解体できない個としての部分が残り、グローバル資本主義としての規格化の圧力と対峙する関係になっている、ということ。例えば心の傷は非常に個人的な事情と本質的に一体なのだが、「傷つき」という形でSNS等で共有されることで誰もが代弁できる普遍的な事象に変換される。逆に言えばポリコレやホワイト社会化は規格化と相性が良い。ディストピアなのかユートピアなのか、この「個」が集合的なものに解体されていく様子はA・C・クラークの『幼年期の終わり』のイメージに重なった。

  • 非常に面白かった。見せかけでも、ファッションでもない、本当のインテリの会談と言う感じ。ただ、難しい言葉もあり、自身の勉強不足を感じる。
    正しい欲望、正しいセックス は提示できない。
    ネットは人類共同の無意識。人の無意識が共同化される。
    私の傷 がSNSで安値で交換される。

  • めちゃめちゃに面白かった
    3人それぞれが違くて深い視点を持って、ポリコレについて話している

    無意識の喪失、魂の強さ、身体の喪失と主意主義と、主知主義。
    自分にもたくさん当てはまるところがあった。
    溶け出す自己ではなく、自己を知って受け入れて引きこもってその中にある無意識までわかった上で生きたらもっと生きやすいだろうな

    最近自分の思考と身体が追いついてないことが悩みだったけど、もっと身体的自分をみようと改めて思った

    新しい知識もたくさんあって、読んでよかった。

  • 【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000941117

  • 性をテーマにした討論本。
    三者三様の考え方があり、興味深かった。

  • 課題本でなかったら手に取らなかった、読み進めなかったタイプの本。読んでみると、案外納得できるところ、共感できるところもあり、一方で共感できないところ、反発を覚える箇所もあり哲学書のようだった。喰わず嫌いは良くない。普段手に取らない本、読み始めて合わないかもと思った本も、読んでみたら非常に面白いという経験をした。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000153094

  • ツイッターで絶対正義だと思われる誰かの傷を借りて誰かに怒っていた自分がとても虚しく、そしてこれを読み終わったあと、自分には傷がなく、誰かに語るような物語もないから余計虚しくなりそうだった
    でもこれから生きて、本当に傷ついて自分と向き合おうとポジティブに捉えてる

    ・否定なき肯定は危険である
    ・身体的テクスト
    ・閉じこもる

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著者プロフィール

1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他

「2019年 『談 no.115』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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