火あぶりにされたサンタクロース

制作 : 中沢 新一  中沢 新一 
  • KADOKAWA (2016年11月25日発売)
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  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002206

作品紹介・あらすじ

戦後フランスで巻き起こったサンタクロース論争を起点に、現代社会における大人と子ども、死者と生者、そして人類にとっての贈与の意味に切り込んでいく。日仏の人類学者が競演するクリスマス論の名著、新装版。

火あぶりにされたサンタクロースの感想・レビュー・書評

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  • 1952年に発表された論文。
    冬至の頃の生命エネルギーの低下、死者の力の隆盛に対して、贈与のエネルギーをもってして鎮めようして行われた祭りが古来からの連綿と続いてきた。
    その異教的パワーをそぎ落とそうとしてキリスト教はこの祭りをキリストの生誕祭、クリスマスとして吸収しようとした。
    ところがそのプリミティブパワーがアメリカさんの持ち込んだ資本主義のおかげで息を吹き返してしまった。
    それに対抗しようとした教会がサンタクロースを1951年、ディジョンの大聖堂広場で火炙りにする。
    ところが、実はその行為自体が、まさに連綿と続く贈与のパワーのシナリオを補強し、完結させることになっている皮肉。
    レヴィ=ストロースの本文は半分ほど、残りは中沢さんの解説。

  • サンタクロースは聖職者に火あぶりにされたことがある!?
    あなたはクリスマスが一体ナニモノなのか、ご存知ですか?
    この本を読むと、あなたのクリスマスのイメージが変わるかもしれません。

  • 中沢新一:序文「じつにクリスマスは、キリスト教世界の生んだ習俗の世界的ヒット作と言っていい。」と、のっけから惹かれるあおり。
    冬至は、現世の生者の世界とあの世、死者の世界のとの境界の力が薄まり、境目が弱くなるという伝承は日本でいうお盆のようなものだろうか。「死」を身近に感じつつ、それを遠ざけるため、境界の弱まる冬至に戻ってくる死者たちが、自分たちを連れていくことなく、死者の世界に機嫌よく戻ってくれるために贈り物をしたのだと、この本では紹介されている。ハロウィーンもその一つか?
    こうして死者たちが引き上げていき、冬至に最も弱まった(とされる)太陽が死に、生まれ変わり、新年となり春、夏に季節が向かっていくという考えは、世界のあちらこちらでみられるようだ。
    サンタクロースが広がることは、クリスマスの拡大を補する役割を果たすことになり、火あぶりにされる必要はないように感じたのだけれど、新しく広まったサンタクロースのイメージが従来のキリストの生誕祭としての宗教的イベントとは離れていることが一つには問題だったようだ。加えて、この本でストロースは、現代のクリスマスのプレゼント、贈答とイベントは、かっての原始宗教時に行われていた死者への贈答、祭りでの異集団の一体感、高揚感と類似性がある、心の中の異教的傾向への断罪が、サンタクロースの火あぶりだったとしている。
    この辺りは、若干十分理解しきれないところもあったのだが前書きと解説を書いている中沢新一先生が、『NHK100分de名著 レヴィ=ストロース 野生の思考』に寄せている解説の方が、その関係が理解しやすかった。

  • 確かに、キリストの降誕を冬至の日近くにしたというのが、死と再生の物語に好都合であったということ説には、納得させられること大であった。
    冬至とキリストの降誕のことはよくわかったが、南半球ではどう扱われていたのだろう。たぶん、ローマ教会がキリストの降誕を12月に設定した当時は、南半球は世界ではなかったということなのであろう。

  • 借りたもの。
    サンタクロースの民俗学。
    キャッチ―なタイトルは導入で、サンタクロースが火あぶりにされた理由――サンタクロースとは、キリスト教ならぬ異教の習慣であること――を、その起源を辿る研究本。

    それは生者と死者の契約であるという。まるで日本のお盆の風習に近い。

    子供(これは本来、大人であるためのイニシエーションを受けていない者たち、という広義な意味を含む)は異教において、生者の中に在りながら死者の化身と解釈される。
    彼らにプレゼントを贈るという風習は、等価交換ではない。一種の供儀である。

    異教の「贈与霊」と呼ばれた死者は遠方よりやってくる(マレビト)聖ニコラウスという聖人の姿を借りるようになった。

    「異教は死者を崇拝して祈る。だが、キリスト教は死者のために祈る」
    にもかかわらず、キリスト教がクリスマスを行う――そもそも過去の宗教の祭りを取り入れている――時点で矛盾をはらんでいたこと、人間は死者との交流をする儀礼を手放すことができなかったことが伺える。

    よく言われる商業主義や、キリスト降誕時の三王礼拝とその贈り物が謂れとか、それとは全く異なる視点からの解釈が非常に斬新で、キリスト教が席巻し失われたと思っていたかつての宗教の匂いが失われていない(失えない)事がとても興味深い。

  • 筆舌に尽くしがたいな

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784044002206

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