- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044002428
作品紹介・あらすじ
子供の心に息づく野生、諏訪湖から溢れ出す縄文の豊穣、
そして著者が出会った思想家たちへのレクイエム――。
縄文と現代を結ぶ思考の稜線
思想家・中沢新一、最新論集!
自分のやろうとしていることは、
いまの知的世界の中ではまだ認められていないものであるので、
とうてい知略を用いなければ逆境を突破することはできまい
という認識が、若い私にはあった。
その予想はみごとに当たって、私は数多くの困難に直面したが、
そのたびに『虎山を智取する』の言葉を思い出して
自分を奮い立たせた。 ──「序」より
【目次】
* 天使の心、悪魔の心
* 冒険者たちへのレクイエム
* 日本思想のリレイヤー
* 天竜川という宝庫
* エネルゴロジーについて
感想・レビュー・書評
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山とゆう文字が目に入ったのでとりあえず借りてきた1冊なんですが何が書いてあるのかさっぱりわかりませんでした。
それでもストック無くなってしまったので時間潰しに読んでいたのですが作者はかなり平易な用語を使って務めてわかりやすく書いてるような印象を受けるのですけど読み解くためにはこの何十倍もの本を読んで知識を身につけなければ理解出来ない感じなんですよね。
心のありようについて天使と悪魔の2元論でカッコつけても無理があるようだし、言語化しきれない感覚的なものだとかにはチェシャ猫が笑って居座り続けてるらしい。
あっ、これ最後まで読めそうにないかもって思いながら中盤に差し掛かり柳田國男の話がでてきた頃から面白くなってきて、諏訪神社の深層に狩猟民の思想があるとか、その背後の守屋山自体が御神体だとか。私も守屋山に麓の諏訪神社から登ったことあるので興味津々でした。
古代人はセクシャルな比喩が大好きで、エネルギーは有限であり、贈与する循環が世界のバランスを保っているとかでした。この先生、南方熊楠型エコロジーを目指してるとか、頭に鳥の巣があるようなお話でしたが、私の頭は蜘蛛の巣かかってるような状態でしたw詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内側から日本を作っていこうとしていらっしゃるのだと感じた。
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中沢新一だから成し得る魔術的な文集。面白過ぎ。古代人の思考法を取り戻すことで現代文明を超える!ことを繰り返し語る。河合隼雄、山口昌男、吉本隆明、井筒俊彦らを振り返るがたまにオウム事件にも言及。井筒俊彦の神秘哲学の解説は特に面白い。神と人を明確に分けたホメロス的世界観へのアンチテーゼである物質/肉体による神になる方法に繋がるディオニュソスをプラトンがイデア論という詭弁で取り込みギリシャ哲学は驚くべき拡張性を持ったという指摘は素晴らしい。
著者プロフィール
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