軍師の門 上 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044003029

作品紹介・あらすじ

豊臣秀吉の頭脳として、「二兵衛」と並び称される二人の名軍師がいた。野心家の心と世捨て人の心を併せ持つ竹中半兵衛、己の志を貫きまっすぐに生きようとする黒田官兵衛。混迷の現代に共感を呼ぶ長編歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 知恵も武力なり、軍師としての力量は智慧と度胸が必須だ。文中にある「世に智慧者ほど恐ろしいものは無い」など戦略戦術は智慧ある者に勝利をもたらした。竹中半兵衛は病魔の犯されながら真剣に人を読み行動した。上に立つものは人愛と寛容の心が必須だと言い遺した。気になる言葉:「死を恐れていては、何事もなりますまい。誰もが尻込みする大仕事を成し遂げたとき、得難い信用と地位を手にすることになる」(リスクと挑戦)
    「弱者が知恵を駆逐して、強者を打ち破るところに兵法の面白さがある」(智慧と度胸)
    「天の時、地の利、人の和」(人の徳)
    「世に智慧者ほど恐ろしいものは無いという」(戦略・軍師を持つ)
    「人に徳ありと思わせる努力を、仁愛なき大将は人の信望を失う」(人徳と寛容の心)

  • 戦国武将や大名好きからしたら軍師のツートップである黒田官兵衛と竹中半兵衛。
    火坂雅志さんの作品がいちいち面白くて、ちょっと悔しい感覚すら覚える。
    最初は左近と業政駈けるだけ読もうと思ってたのにいちいち面白くてじわじわと火坂さん作品を読み進めてしまってます。
    いまさら黒田官兵衛という感情もありながらも軍師の門読みました。
    こちら上巻では黒田官兵衛と竹中半兵衛との出会いや官兵衛の苦悩や苦労、成長などが描かれています。
    普通に面白いです。

    火坂雅志さんの他作品(全宗や墨染の鎧、臥竜の天など)を読んでいる為、他作品の主人公が出てくると、おっ、とテンションが上がってしまいますね。

    2021/5

  • ■豊臣秀吉の2人の軍師、竹中半兵衛と黒田官兵衛の物語。
    ■2011年12月初版、2022年9月第15版。11年かけて14回版を重ねているので、およそ1年に1回重版出来となっている計算。細々と売れ続けている。
    ■装丁は曽我蕭白の獅子虎図屏風の右隻の唐獅子。実は蝶に驚いて吠えている。この絵と内容が一致しているのか、読者の想像を掻き立てる。
    ■この上巻は竹中半兵衛の活躍が光る。軍師の策謀は常に歴史の荒波の下に隠れてしまい、将の手柄となってしまう。豊臣秀吉の手柄話のうちどこまでが半兵衛の献策によるものか、想像するだけでも楽しい。
    ■火坂流なのかわからないが、歴史の教訓というのはあまりなくて、ストーリー性が重視されている印象。

  • 長編上巻。戦国物の面白みは、著者によって若干史実がブレてしまうところ。何が史実なのかは測れないが、そこに面白みがあるように思える。熱く若い、動な小寺官兵衛と冷静沈着な竹中半兵衛の対比が極めて興味深い。
    「悪くなれ」の半兵衛の一言は重たく、強い。世の中を渡っていくには信義だけでは難しいものがあるという現実を突きつけられた官兵衛が、当初は間違っていると半兵衛を見損なうものの、歳を重ねるうちに信義と智略というものを確固たるものにしていきつつあるのが上巻。下巻ではどうなるのか読後感はわくわくさせるものがある。

  • 淡々と叙述が進むためか、あれよあれよと、時間(時代)の進むのが早く感じる。

  • 黒田官兵衛が主人公の小説。非常に面白かった。

    正直、大河ドラマも見ていなかったし、竹中半兵衛とどっちがどっちで、誰の家臣かも覚えていなかった。

    ただ、読み始めたら、面白くてページをめくる手が止まらなくなった。

    歴史ものなので、仕方がないが、人名がわかりづらい。あと地名から何処なのかがぱっとはわからなかったので、これは自分の問題だけど、ある程度読み飛ばしてしまった。


    晩年、秀吉との仲が冷めた後、巻き返しも失敗してしまうが、でも、この時代を生き延びたのはすごいことなんだと思う。

    最後の博打の件があるので、実際の人物が小説のような人柄だったのかはわからない。

  • 冷徹で、残酷で、おそろしいほど賢くて、完全無欠で、美しく優雅で、いつだって雄大で、でも触れれば刺さる研ぎ澄まされた刃のような、そんなかっこいい竹中半兵衛が見られます。
    上巻は官兵衛中心というよりも、官兵衛とそれを形作った人々、という面が大きい。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    戦国乱世、豊臣秀吉の頭脳として、のちに「二兵衛」と称される二人の名軍師がいた。野望を内に秘め、おのが才知で天下に名を残そうとする竹中半兵衛。小寺家の行く末を織田信長に託す決意をし、軍師としての生き様を模索する小寺(黒田)官兵衛。毛利攻略を機に秀吉の下へ集い、いつしか「義」という絆で結ばれていく二人。しかし三木城攻めの渦中、謀反の荒木村重を説得に赴いた官兵衛は、有岡城地下牢に幽閉されてしまう。

  • ざっと概要を知る為用の作品という印象。
    個人的には没入し辛かった。物語としてのドラマ性や情緒は無く、出来事の上辺を並べて会話させているだけ。出来事にも人物にも一切深く触れないので、何がどうなった以上のものがほとんど無い。
    情報として地名や物の名前が羅列されるが、それがどんな意味を持つのか、どういうものなのかの情報が不足がち。
    頭脳派を描く話なのに物事が進む時の理由や説明がおざなりで、説得力不足を感じた。
    またやっと入り込めたかなという辺りですぐに章が変わるので、やや散漫な感じも。
    登場人物についても、特段心に残ったものは無く…。
    文章や展開に極端な欠点がある訳ではないのは良い所かと思う。

    半兵衛と官兵衛について読みたかったのと、やや読むのが辛いので上巻で打ち止め。

  • 読了。レビューは最終巻で。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『左近(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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