ヘンな論文 (角川文庫)

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感想 : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044003340

作品紹介・あらすじ

珍論文ハンターのサンキュータツオが、人生の貴重な時間の多くを一見無駄な研究に費やしている研究者たちの大まじめな珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込みながら解説する、知的エンターテインメント本!

感想・レビュー・書評

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  • 珍論文コレクターの筆者が、琴線に触れた論文を紹介するエッセイ。
    おもしろかった。

    論文にツッコミをいれ、細部を妄想し、そのおもしろさと研究のすごさを存分に伝えてくれる。
    語り口のうまさが、さすが芸人。

    最初は突飛に感じても、その意義を知り、ただヘンなだけの論文ではないことがわかる。

    「「あくび」はなぜうつる?」を読んでいたら、ほんとうにあくび連発で、わらった。

    ラジオのコーナーが元のようで、放送を知ったご本人から連絡があり、さらに輪が広がるのもよかった。

    第2弾もあるようなので、そちらも読みたい。

  • <目次>(原本は「第×本目」の表記)
    第1章 「世間話」の研究
    第2章 公園の斜面に座る「カップルの観察」
    第3章 「浮気男」の頭の中
    第4章 「あくび」はなぜうつる?
    第5章 「コーヒーカップ」の音の科学
    第6章 女子高生と「男子の目」
    第7章 「猫の癒し」効果
    第8章 「なぞかけ」の法則
    第9章 「元近鉄ファン」の生態を探れ
    第10章 現役「床山」アンケート
    第11章 「しりとり」はどこまで続く?
    第12章 「おっぱいの揺れ」とブラのずれ
    第13章 「湯たんぽ」異聞
    ほかコラム6本。

    熱文字や許可局で間違いなく同じ趣味だとわかるサンキュータツオ氏の「国語辞典の遊び方」に続く本。
    論文の面白さもタツオ氏の突っ込みの的確さもそもそもこの企画の素晴らしさも、実に美味しい本だった。

  • マニアックな論文を紹介されている本。こんな風に論文を読み解かれるということは、著者は相当数読まれているはず。単純に面白いです。研究の楽しさ、面白さが伝わってきます。

  • イグノーベル賞もそうだけど、一見ばかばかしいと思える、何の役に立つのかということを真剣にコツコツと研究し、論文を書いて発表している人の姿勢には頭が下がる。

    特に感銘を受けたのは、「コーヒーカップにインスタントコーヒーの粉末を入れ、お湯を入れてスプーンでかき混ぜると、スプーンとコップのぶつかる音が、徐々に高くなっていく」と教え子に言われた高校の理科教師の話。
    まずそれが事実かどうか、混ぜ始めから時間を追って音の高さを測定し、数値化する。

    何を混ぜると高くなり、何を混ぜると高くならないのか。
    実験を繰り返し、音を変化させるものの正体を突き止める。
    国内で同じ実験をした記録はなかったが、100年前のアメリカで同じ実験の結果同じ結論になった論文があったそうだ。
    でも100年前だったので、音の数値化は今回が初めてとのこと。
    こんな熱い先生に教わったら理科も楽しいよねえ。

    「湯たんぽ」研究は、研究者がすごかった。
    ふらっと立ち寄った古道具屋で湯たんぽを見つけたことから湯たんぽに興味を持つのだけど、デザイン、機能、由来等の深堀度がハンパじゃあない。
    で、唯一無二のすごい、けれど無名の研究は、いろんな人たちからパクられる。
    その不条理も含めて読む価値あり。

    「浮気男の頭の中」を読んで。
    奥さんを愛しているけど、どきどきしない。
    いつもと違う役割と経験を経て、自分が成長できる。(それを奥さんに還元?)
    なるほど。
    だとしたら、同じ理屈で奥さんが浮気をしても、大らかに許せるということなんだな。

    そして、「妻とは別に君のことを愛している」と言われた愛人は、この理屈をどう思うのだろう。
    誰か研究して論文を書いてくれたら、読んでみたい。

  • 芸人で学者のサンキュータツオ氏が、変な論文を紹介する。
    いたって真面目に書かれているが、真面目になればなるほど込み上げてくる笑い!
    特に、次の二つが面白い。

    1 公園の斜面に座る「カップルの観察」(傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離 小林、津田2007)
    カップルが座るとき、どのくらい他のカップルと離れて座るか、昼間帯、夜間帯で違いはあるのか?
    デバガメかこの研究は。
    ち、違いますって!
    これは、いわゆるパーソナルスペースの研究ということ。
    たしかに、すぐ近くに他人がいるのに、あんまりいちゃつくのは、ねえ。
    知らないおっさんのすぐ隣でわざわざいちゃつくのは、ないね。
    っていうかおっさん近いよ!ってなるでしょ、まず。
    非常に面白い研究なのだが、でもやっぱりそこはかとなく漂う、デバガメ感。

    2 「おっぱいの揺れ」とブラのずれ(走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性 岡部、黒川2005)
    は、なるほど!も、そりゃすごい!もへぇ!もあって、とにかく面白い。
    ブラのズレというと、エロちっくな妄想をしだす御仁もいるかもしれないが、結構これは深刻な問題なのである。
    伸びをした時にズレた、走ったらズレた、そうすると胸が揺られてクーパー靭帯が伸びてしまい、ハリのあるおっぱいでなくなるのだ。
    美容面からも、精神面(またズレた!ムキー!)からも、おっぱいとはかくもデリケートなものである!
    そしてこの一見ふざけた論文は、そうした女性たちのストレスの解消、つまり、快適な下着の研究開発につながり、私たち女性はその恩恵を一身に浴びるのである。
    いいですか、もう一度言いますよ、これはエロではないのです。
    実用なのです!

    他にも「不倫男の頭の中」(婚外恋愛時における男性の恋愛関係安定化意味付け作業ーグランデッド・セオリー・アプローチによる理論生成ー 松本2010)も興味があるが、夫に話したら本気で嫌そうな顔をされました。
    「妻(私)とは家族でいたいの。裸で歩いてるぐらいなんなの?!」と。
    思わぬところで幸せを得たのでありました。

  • 奇をてらい無理やり理論を組み立てた悪あがきを笑い飛ばす内容かと思いきや、至極真面目な研究成果の紹介でした。
    真の学者は、自分のプライドよりも、とにかく「真実」に重きを置く。
    今までわからなかったことが知りたいだけなので、地道にデータをとり謙虚に分析している。
    理系人間だからでしょうか、個人的には「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」のアプローチのしかたと謎が解けていく過程が面白かった。

  • 愛人とも奥さんとも上手くやってる不倫男の心理を分析した論文が面白かった笑
    「学問」とは、何かに取り憑かれてしまった人のコク深い行き着く先であることを知る一冊。

  • 論文は正しいことを言っているのではない、正しいことを求めた人々の知的好奇心のアウトプットである。

    溢れる好奇心を抑えきれなくなった人たちが、時に宇宙の深淵に迫り、時に走行中のブラジャー着用時の乳房振動を調べたり、湯たんぽの来歴を追う。世界を変える論文から本書に収められた珍論文まで、論文ーー人々の研究とその表現はそういう知的エンターテイメントなのだな、ということがよく分かった。

    これは芸人である著者の、伝わりやすい言葉で語られている功も大きい。そして、論文には物語の種が仕込まれていることも知れた。面白い。

  • なぜそれに取り組むのか、と思ってしまうような珍論文が面白く紹介する中で学問の面白さや研究者の熱意を感じることができる。
    本書の締めくくり、湯たんぽ研究の項からあとがきへの流れは、論文や研究者に対する著者の熱い思いが溢れ出て読ませる。

    答えを暗記するのではなくて、問いを立て、問いに学ぶのが学問。

    続編も読んでみようと思った。

  • 自由研究ってまさにこれですよ!
    大人も自由研究するといいですね。
    コーヒーカップの音が変わる話が面白かったです。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。漫才師「米粒写経」として活躍する一方、一橋大学・早稲田大学・成城大学で非常勤講師もつとめる。早稲田大学第一文学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了。文学修士。日本初の学者芸人。ラジオのレギュラー出演のほか、雑誌連載も多数。主な著書に『これやこの サンキュータツオ随筆集』『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』『ヘンな論文』『もっとヘンな論文』(以上、KADOKAWA)など。

「2021年 『まちカドかがく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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