- KADOKAWA (2018年2月24日発売)
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感想 : 7件
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784044003500
作品紹介・あらすじ
信仰の自由が認められている現代、長崎県下には今なお、潜伏時代の信仰を守る人々、カクレキリシタンがいる。
だが、彼らは隠れてもいなければキリシタンでもない。
その信仰世界は、キリスト教徒大きく異なり、神や儀礼、唱文などは、日本の伝統的な先祖崇拝や生活と融合し、独自の民俗宗教へと変貌していた。
秘蔵の像や行事の様子など、貴重な写真を多数掲載。
圧巻のフィールドワークで、知られざる「独自宗教」を活写する。
みんなの感想まとめ
信仰の自由が認められる現代において、長崎県のカクレキリシタンは独自の民俗信仰を守り続けています。彼らの信仰は、キリスト教とは異なり、日本の伝統的な先祖崇拝や生活と融合し、独特の儀礼や唱文を持つ民俗宗教...
感想・レビュー・書評
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筆者がいうように、「カクレキリシタン」の世界は、宗教学というより民俗学の世界だ。
この本を読んだあと、筆者自身の先祖がそのような人々のひとりであったということをネットで見つけて「腑に落ちた」ところもある。筆者はある意味ネイティブスピーカーに近い立場で「採訪した」といえる。それだけ「閉じられた世界」であるといえよう。だんだん口承できる人がいなくなって滅びていくのは方言(例えばアイヌ語)などと同じなのかもしれない。ただ、「講」を閉じた人たちが「仏教」や「神道」や「カトリック教会」のグループに転じていきながらも、自分の「信じているもの」を全部は捨てない(家の中の仏壇、神棚、礼拝対象に作られたもの(自然物だったり、神社だったり、さまざま)というところにはなるほど、と思った。副題にあるように「現代に生きる」なのだ。
いわゆるキリスト教はもともと一神教だけど、日本の多くの宗教は多神教だ。この「カクレキリシタン」の人たちの信じているものはどちらの要素もある。
本文にあった「オラショ(ウラッショ)」に何度もでてきた「サンジュワン(様)」「サンジワン(様)」というお名前から「ゼウス(神)」「マリア」「イエス」「ペトロ」と思われるキリスト教に関わることばの、まさに文字(の)列から受ける印象にただただ圧倒される。部外者の私には過剰にさえ受け取れる文字列だ。しかし、ここから「信仰篤き人々の祈り」が命がけだったことがわかる。「信じる」ことによって救われることを求めた/求めている人たちがいた/いる、ということだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いま読んでる。面白い…神父不在の間に独自の進化をしてしまって、カトリックからだいぶ離れた信仰、風習になっている。
「正月や神様の命日に現役のカクレの人を呼んでオラショをあげてもら」うって、仏教徒の人が地鎮祭の時だけ神主を呼ぶのに似てる。
改定の際の追記を読むと今なお変化しており、どんどん儀式が簡素化されている様子がうかがえる。
読了。カクレキリシタンの信仰や行事がまだ続いていると知った時は興奮したのだけれど、実態を読んでみると後継者不足に加えて行事が多い、裏方の女性の負担が半端ない等で、現代においては廃れても仕方がありませんねという気分になった。「全員でやめることによってやっと解放された」との声もある。
元は信仰を守り抜くためのものであったろう「経消しのオラショ」の存在や、祈りは声を出さずに唱え、手を袂に入れて指折り数え、ちょこちょこ意図的にオラショを中断して雑談や世間話をするという風習(地域:根獅子)が、分断と潜伏の時代を思わせて味わい深く思えた。 -
今「カクレ」と呼ばれる人々はもはやキリスト教とは全く異なる独自の風習を築き、ただの近所づきあい的な感覚で宗教行事などを執り行ったりしている(それでいて辞めたら祟られるのではという恐怖心だけ残ってしまっているのは不憫)というのがよくわかった。かつて死ぬほど迫害されたカクレキリシタンの信仰ってなんだったんだろうっていう、わたしが最も関心を持っている点については特に書かれていなかったけど、まあそんなことは誰にも調べることなんてできないのだろう。現代においてどういう形で遺っているかということは知ることができた。
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ザビエル来日から、ここまでの歴史をおい、非常に興味深かった
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現代のカクレキリシタン信仰の詳細な調査録。
民俗宗教に変容したキリシタン信仰の教義や儀式など、非常に興味深い内容だった。
今の感覚からすると、コミュニティが機能していた時代は年間の行事が多く、確かにこれはある程度の人員がいないと立ち行かないんだろうなぁと実感する。 -
宗教というと、同じ名のついた宗教は同じ指導者のもとに同じ儀式を同じ教本と共に行うイメージであったが、それには当てはまらない宗教が記述されていた。
著者プロフィール
宮崎賢太郎の作品
