千夜千冊エディション 文明の奥と底 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 98
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044003586

作品紹介・あらすじ

第一章 文明と民族のあいだ
ジグムント・フロイト『モーセと一神教』
アーサー・ケストラー『ユダヤ人の歴史』
ノーマン・コーン『千年王国の追求』
バーナード・マッギン『アンチキリスト』
アモス・エロン『エルサレム』
デイヴィッド・グロスマン『ユダヤ国家のパレスチナ人』

第二章 聖書・アーリア主義・黄禍論
旧約聖書『ヨブ記』
ルネ・ジラール『世の初めから隠されていること』
レオン・ポリアコフ『アーリア神話
ハインツ・ゴルヴィツァー『黄禍論とは何か』
エルマンジェラ『第一次文明戦争』
エドワード・サイード『戦争とプロパガンダ』

第三章 東風的文明
徐朝龍『長江文明の発見』
古賀登『四川と長江文明』
宮本一夫『神話から歴史へ』
岡村秀典『夏王朝』
林俊雄『スキタイと匈奴』

第四章 鏡の中の文明像
ナヤン・チャンダ『グローバリゼーション』
ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』
フェルナン・ブローデル『物質文明・経済・資本主義』
オスヴァルト・シュペングラー『西洋の没落』
アーノルド・トインビー『現代が受けている挑戦』
コンラート・ローレンツ『鏡の背面』 
ダニエル・ベル『資本主義の文化的矛盾』
サミュエル・ハンチントン『文明の衝突』
ラジ・パテル『肥満と飢餓』

感想・レビュー・書評

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  • 神とヨブその相貌を奥へ呼ぶ

  • ユダヤ人には2~3種類ある。スファラディは、スペインを意味するヘブライ語を語源とする。数度のディアスポラの後、イベリア半島に定住していたが、レコンキスタによって北アフリカ、オランダ、フランス南部に移動し、キリスト教と融合してマラーノと呼ばれた。アシュケナージはドイツを意味するヘブライ語を語源とする。東ヨーロッパでコミュニティを作っていたが、ロシアのポグロムやドイツのホロコーストによって迫害され、西ヨーロッパやアメリカに移住した。世界のユダヤ人の9割がアシュケナージだが、イスラエルにはスファラディとスファラディの流れをくむミズラヒが半分ずつ居住する。

    コーカサス北部に勢力を拡大していたトルコ系のカザール人は、8世紀にユダヤ教に集団改宗し、カザール王国を成立させていたが、13世紀のモンゴル軍の侵攻によって滅亡した。カザール人は、東欧に移動してアシュケナージと呼ばれるようになったとケストラーは推測した。

    ユダヤの民の歴史は、アブラハムが聞いた神との契約を結んだ者たちが、「約束の地」カナーンを求めてウルを旅立ったことに始まる。アブラハムの曽孫のヨセフの時代に移住したエジプトでは、アメンホテプ4世が一神教としてのアートン教を作っていた。アブラハムの後裔であるモーセは、エジプトを脱出してヤハウェによる一神教を奉じた。カナーンの地に入った民は200年ほどの間に12士族を整え、ダビデ、ソロモンの時代を迎える。ソロモン王が没すると北イスラエル王国とユダ王国に分裂し、北イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされ、ユダ王国は新バビロニアによって滅亡され、バビロンに強制移住させられた(バビロンの捕囚)。新バビロニアがペルシア帝国に滅ぼされると、ユダヤ人の一部はエルサレムに帰還したが、大国によって次々に統轄され、ローマ帝国の時代に2度の戦争を起こした結果、エルサレムは破壊され、ユダヤの民はディアスポラを強いられた。

  • <目次>
    第1章  文明と民俗のあいだ
    第2章  聖書とアーリア主義
    第3章  東風的記憶
    第4章  鏡の中の文明像

    <内容>
    松岡正剛氏の書評集の第何巻だろう?今回は、「文明論」である。重いのは第4章。現在のグローバリゼーションの功罪(罪の方が重いが…)を何冊か紹介している。「読まねば」と思うが、紹介文の中でも、2段組みで数百ページ、全4巻とか言われると、どうしても腰が引ける。また第1章のユダヤ民族の所も重い。世界史は「ユダヤ民族」に関わるところから発達したのだと思った。

  • ブックナビゲーションサイトの記事がベース。文明と民族・聖書とアーリア主義・東風的記憶・鏡の中の文明像の4カテゴリで、古典的名著を中心に、関連本や各説、事件や歴史など多面的に文明を語る。

    多くの人それぞれの立ち位置と見解を見事に整理し、描き出される多面的な状況がすごいです。なんて博識な。

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著者プロフィール

編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。80年代に情報文化と情報技術をつなぐ方法論を体系化し「編集工学」を確立し様々なプロジェクトに応用。2000年「千夜千冊」の連載を開始。同年、eラーニングの先駆けともなる「イシス編集学校」を創立。近年はBOOKWAREという考えのもと膨大な知識情報を相互編集する知の実験的空間を手掛ける。また日本文化研究の第一人者として「日本という方法」を提唱し独自の日本論を展開。著書に『知の編集工学』『擬』『世界と日本の見方』『国家と「私」の行方』ほか。

「2021年 『千夜千冊エディション 資本主義問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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